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さぁ、クライマックスだ
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皇太子が、神殿に行ったことが、風に飛ばされたように広まった。
城にいるメイド達も、兵士たちも、皆知っている。
俺は、堂々と城の中を歩き回った。
ひそひそと話す者、俺の姿をみて、頭を下げる者。様々だ。
《帝国に準ずる貴族に告ぐ。一週間後、城の大広間に召集する。
これはまた、帝国民すべてに告示する重要な要件である。》
お披露目式のために、城には仕立て屋や宝石商人たちが次々と呼ばれた。
母様のドレスと俺のスーツ。普段使いのものも、それはそれは爆買いだった。
俺のスーツは母様のドレスと基本をラピスラズリ色に合わせ作ることとなった。
これは、アリアナ妃を亡くしてから日が浅い事への配慮と、母様と俺の髪色に映える色だった。
控え目だが、繊細な刺繍が施されている。そして、母様は小さなアレキサンドライト宝石のネックレスと
俺にはブローチ。夜に行われるお披露目式だから、俺と父様のような色となるだろう。
そしてその日はとうとう訪れた。
大広間が着飾った貴族たちで所狭しと集まる中、
「皇帝陛下、皇后陛下、皇太子殿下の入場です。」従者の声が響き渡り
重い扉が開けられ大広間の上階から皇帝陛下、皇后陛下に続き、皇太子が登場した。
貴族たちが波の様に頭を下げていく。
「皆、今宵はよく来てくれた。我が息子、皇太子から皆に報告がある。」
皇帝陛下の渋く威厳のある声が響き渡る。
そして、皇太子は陛下たちより前に立った。
「皆、面を上げよ。今日は皆に重大な発表がある。」
そう、帝国中の人々が欲しがっていたあの噂の真相だ。
「皆も耳にした事はあるだろう、この城にある女性と子供がいることを。
さぁ、皆にその目でしかと見て頂こう。」
皇族たちが出てきた扉から、俺たちも入場する。
人々の視線が一斉に集まる。
「マーガレット・グランディール嬢、そしてその息子テオドール。
テオドールは私の息子である。神殿ですでに証明されている。
今日この時から、テオドール・アレキサンドライト。
この帝国の第二継承位。アレキサンドライトの第一王子となる。
そして、私は、マーガレット・グランディール嬢を心から愛し、皇太子妃と迎える。
アリアナ皇太子妃を亡くし日も浅いと思う者もいるだろう。
だが、マーガレット・グランディールは私の恋人であった。
醜い皇位争いにより、アリアナ・サフォークと私は結婚した。
だが、マーガレット・グランディールは私の子を宿していた。
亡きアリアナ・サフォークとの婚約により、その身を引き第一王子を育てていた。
親が子を慈しみ、愛し育てる事は人間の道理である。
そして何より、皇太子である私の子だ。疑う者は不敬とみなし重罪を下す。
後継者は現れた!未来の皇太子となるテオドール第一王子に礼を尽くすのだ!」
ワァァァァァァァと会場に歓声があがる。
「・・・・・・」
俺は上階から、会場の人々を見下ろしていた。
この中でどれぐらいの人間が、この話を祝福しているだろうか。
秘めている部分は多い。だが、父様と母様の愛は本物だ。
だが、他人の疑念を、恐れてはいられない。
両親を信じ、己を信じ歩まなければならない。
文句は言わせない。
父様を支え、母様を守る。そして強くなる。
7年間の大芝居はこれで幕を閉じる。そして、愛される皇太子妃と証明された第一王子として、
新たに、この道を進む。
城にいるメイド達も、兵士たちも、皆知っている。
俺は、堂々と城の中を歩き回った。
ひそひそと話す者、俺の姿をみて、頭を下げる者。様々だ。
《帝国に準ずる貴族に告ぐ。一週間後、城の大広間に召集する。
これはまた、帝国民すべてに告示する重要な要件である。》
お披露目式のために、城には仕立て屋や宝石商人たちが次々と呼ばれた。
母様のドレスと俺のスーツ。普段使いのものも、それはそれは爆買いだった。
俺のスーツは母様のドレスと基本をラピスラズリ色に合わせ作ることとなった。
これは、アリアナ妃を亡くしてから日が浅い事への配慮と、母様と俺の髪色に映える色だった。
控え目だが、繊細な刺繍が施されている。そして、母様は小さなアレキサンドライト宝石のネックレスと
俺にはブローチ。夜に行われるお披露目式だから、俺と父様のような色となるだろう。
そしてその日はとうとう訪れた。
大広間が着飾った貴族たちで所狭しと集まる中、
「皇帝陛下、皇后陛下、皇太子殿下の入場です。」従者の声が響き渡り
重い扉が開けられ大広間の上階から皇帝陛下、皇后陛下に続き、皇太子が登場した。
貴族たちが波の様に頭を下げていく。
「皆、今宵はよく来てくれた。我が息子、皇太子から皆に報告がある。」
皇帝陛下の渋く威厳のある声が響き渡る。
そして、皇太子は陛下たちより前に立った。
「皆、面を上げよ。今日は皆に重大な発表がある。」
そう、帝国中の人々が欲しがっていたあの噂の真相だ。
「皆も耳にした事はあるだろう、この城にある女性と子供がいることを。
さぁ、皆にその目でしかと見て頂こう。」
皇族たちが出てきた扉から、俺たちも入場する。
人々の視線が一斉に集まる。
「マーガレット・グランディール嬢、そしてその息子テオドール。
テオドールは私の息子である。神殿ですでに証明されている。
今日この時から、テオドール・アレキサンドライト。
この帝国の第二継承位。アレキサンドライトの第一王子となる。
そして、私は、マーガレット・グランディール嬢を心から愛し、皇太子妃と迎える。
アリアナ皇太子妃を亡くし日も浅いと思う者もいるだろう。
だが、マーガレット・グランディールは私の恋人であった。
醜い皇位争いにより、アリアナ・サフォークと私は結婚した。
だが、マーガレット・グランディールは私の子を宿していた。
亡きアリアナ・サフォークとの婚約により、その身を引き第一王子を育てていた。
親が子を慈しみ、愛し育てる事は人間の道理である。
そして何より、皇太子である私の子だ。疑う者は不敬とみなし重罪を下す。
後継者は現れた!未来の皇太子となるテオドール第一王子に礼を尽くすのだ!」
ワァァァァァァァと会場に歓声があがる。
「・・・・・・」
俺は上階から、会場の人々を見下ろしていた。
この中でどれぐらいの人間が、この話を祝福しているだろうか。
秘めている部分は多い。だが、父様と母様の愛は本物だ。
だが、他人の疑念を、恐れてはいられない。
両親を信じ、己を信じ歩まなければならない。
文句は言わせない。
父様を支え、母様を守る。そして強くなる。
7年間の大芝居はこれで幕を閉じる。そして、愛される皇太子妃と証明された第一王子として、
新たに、この道を進む。
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