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2.飼い犬の憂鬱
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しおりを挟むデスクに積まれた書類に目を通しつつ、風吹は昨晩、同居人と交わした会話を思い出していた。
『お前、俺のこと、ペットだって思っていないか?』
イズーに問われたあのとき、風吹は在りし日の愛犬、真っ白な毛並みと青い目をしたセバスチャンを思い出し、言葉に詰まってしまったのだ。
――まずかったかなあ。
一週間前、歩道橋の上で途方に暮れていたイズーを連れ帰った。それからイズーは、風吹の家に居着いている。
常識的に考えれば、面倒な男を拾ってしまったと後悔すべきなのだろう。だが風吹は、どこから来たのかよく分からない、いかにも胡散臭いイズーが可愛かった。
そう思うのは昔飼っていた犬のセバスチャンに、彼が似ているからだ。
イズーがセバスチャンの生まれ変わりだとしても驚かない。だがそれはイズーにとって、失礼なことなのだろうか。
大事だと思う気持ちに、変わりはないのに……。
難しい顔で考え込んでいる風吹のもとへ、部下がひょいひょいと近づいてくる。
「主任、これ経理部の人から、おみやげですって。おひとつどうぞ」
入社四年目のA子は、ニコニコしながら、差し入れの詰まった箱を差し出した。
「ありがとう。あ、ここのゼリー好きなんだー」
「それじゃ二個どうぞ。どうせ余るんで」
「いいの? じゃ、遠慮なくもらっちゃうよ?」
箱の中でつやつや輝いている色とりどりのゼリーの中から、適当に二つ選び、風吹はデスクの中のカバンに丁寧にしまった。
「あ~。主任、それ持って帰って、彼氏さんと食べるんでしょ~?」
「!」
A子の冷やかしが聞こえたのか、風吹の斜め前に座っていたD太に緊張が走る。
「えっ」
なんと答えるか、風吹は迷った。
セバスチャン――じゃなかった、イズーは彼氏……ではないだろう。確かにやることはやってしまっているが、ただの同居人だ。
「彼氏なんていないってば」
風吹が笑いながら答えると、D太はほうっと大きく息を吐いた。そんなD太の様子をちらちらと横目で確かめながら、A子は質問を重ねる。口調が、少しだけ意地悪だった。
「えー、でも主任、最近なんか可愛くありません? メイクも力入ってるし」
「そんなことないって」
「……………………」
D太がそわそわと身じろぎし、風吹もようやく彼の変化に気づいた。
このままお喋りに花を咲かせていれば、D太が嫌味を言い、A子が憤慨し、その他の女子たちもA子に加勢して……と、いつもの小競り合いに発展する様がありありと想像できる。――A子をそろそろ席に戻さなければ。
「えーと……」
A子になんと言おうか考えているところで、別フロアに在籍している部長が、わざわざこちらへ向かってくるのが見えた。
「友良さん、お願いしたいことがあるんだけど。手の空いてるメンバーを連れて、ちょっと僕の席に来てくれるかな」
「あ、はい」
風吹とA子は、きょとんと目を合わせた。
そんなことがあってから一時間後、風吹とA子は客先へ向かう電車に飛び乗った。目的地は彼女たちの会社と同じ県内にあるY市で、たった十分の道のりだ。
風吹は、とある建設会社に勤めている。社員数百五十名ほどで規模は小さいが、大手ゼネコンの子会社で、仕事には困らない。業務としては、官公庁や商業施設の施工に携わることがほとんどであるが、たまに一般家庭からの依頼も引き受けている。家を建てる、改築するなど、町のハウスメーカーに比べたら費用はずっと割高になるが、それでも親会社である大手ゼネコンの名を信頼して、頼ってくれるお客様も多いのだ。
「すまないが、これを最優先でやってくれないか」
一時間前、そう前置きした部長から命じられたのが、現在向かっているY市の一般住宅の改築依頼だった。当該案件は、部長も役員から直々に頼まれたのだそうだ。今回のお客様は、上役と繋がりのある大物らしい。
平日昼間の下り電車は空いている。ガラガラの座席の隣同士に、風吹とA子は腰を落ち着けた。
「凄いですよ、今回のお仕事! 海月《かいげつ》 クララっていったら、超売れっ子の占い師じゃないですか! 私、有名人のお宅に関わるの、初めてです!」
A子ははしゃいでいる。しかし風吹はピンとこず、首を傾げた。
「そんなにすごい人なの?」
「ほら、朝、テレビでやってるじゃないですか、星占い!」
「ああ、うん。え、じゃあ、あれ、海月さんが占ってるの?」
「そうです、そうです! あと、クララ先生はスピリチュアル系の本もたくさん出してて、ベストセラーになってるんですよ! 私も一冊持ってます!」
「へ、へえー」
興奮している部下の勢いに、風吹は引き気味だ。あまり食いつきの良くない上司に、A子は不満げである。
「あんま興味ないです?」
「いやいや、お客さんのことだから、ちゃんと知っておかないととは思ってるけどね。でも私、あんまりそういうの分からなくって……。霊感もないし」
「えー!? オカルトとスピリチュアルは違いますって! 私だって、怖い話は嫌いですもん!」
A子は拳を握って主張するが、風吹にはいまいち違いが分からなかった。
両手にレジ袋を抱えて、イズーは部屋に戻った。袋の中身は言うまでもなく、カレーの材料だ。買い物にかかった費用は、風吹から貰っている小遣いから出した。
外出は何度かしているので、慣れたものだ。
長身に浅黒い肌。銀髪に青い目。目立つ外見のイズーに、町を往く人々は無遠慮な視線を向ける。だが故郷では「魔の民」としてあからさまに差別され、そのせいで姿を隠さなければなかったイズーにとって、この世界の人々の眼差しは生ぬるいくらいだ。
それにこちらが日本語が話せると分かった途端、皆、親切に世話を焼いてくれるし。なんとも甘っちょろい……いや、ここはとても住みやすい世界だ。
イズーは一般的なカレーの材料を調べて、買い集めてきた。じゃがいも、玉ねぎ、ナス、オクラ。それから、副菜用のニンジンだ。
肉については最後まで迷った。豚に鶏に牛。しかも部位によって、更に種類が分かれるという。結局よく分からず、スーパーの店員に勧められるまま、「鶏のモモ肉」とやらを買った。
「さて……」
イズーは台所のテーブルにノートパソコンを移動させると、「漆黒と混沌」の仲間たちに教えてもらった動画を見ながら、おっかなびっくり肉と野菜を切り始めた。
魔法使いの彼は、刃物の扱いに慣れていない。これが戦士だとか騎士ならば、もうちょっと上手く包丁を使えるのかもしれないが……。散々苦労した挙句、材料を切り終えるのに一時間もかかってしまった。
次は、煮込まねば。鍋は前から使ってみたいものがあった。
シンク脇のキャビネットに鎮座している、ホーローの両手鍋。男性が持ってもずっしりと重たいそれを、イズーは取り出した。
見た目からして玄人好みのこの鍋で、風吹が以前作ってくれた牛丼は、ほっぺたが落ちそうなほど美味しかった。
カレーだってこれで作れば、きっと絶品に仕上がるはずだ。
イズーは両手鍋をガスコンロの五徳に据えて、蓋のつまみを握った。そのまま持ち上げようとして――しかし、なぜか外れない。
「!?」
しばらく格闘したが、まるで強力な接着剤で貼り付けられたかのように、蓋は決して鍋から離れなかった。
――まさか風吹が俺に使わせまいとして、なにか特別な細工でもしたのか?
いや、そんなわけはないだろう。馬鹿げた疑念をすぐに打ち消し、イズーは仕方がないので別の鍋を探した。適当なものを見つけると、その中に食材と水を入れる。
「最初はじゃがいもを抜いて、と……。二十分くらいか?」
鍋に火を掛け、時計を確認してから、居間に引っ込む。ソファに座って一息つくと、気が緩んだのか、イズーは段々眠たくなってきた。
今日は久しぶりによく働いた。掃除に買い物、料理。たいしたことはないと言われればそれまでだが、今までぐうたらしていた身には少々堪えた。
まどろみが気持ちいい。飼っていた精霊の加護により、イズーは元の世界では食事いらずのうえ、睡眠を取る必要もなかった。楽ではあったが、人間の三大欲求のうちの二つを欠いた生活からは、同時に楽しみや喜びも奪われていたのだとつくづく思い知る。
美味しいご飯を食べること、クタクタにくたびれて眠ることも、人間に与えられた尊い快楽だったのだ。
「うう……ん」
イズーはソファの背もたれに寄りかかり、目を閉じた。――ほんの一瞬、気を抜いたつもりだった。
『起きろ、このクソ野郎!』
誰かに大声で怒鳴られて、はっと目を覚ます。状況が分からず、きょろきょろと辺りを見回しているうちに、イズーは仕込み中だったカレーのことを思い出した。
時計を見れば、もう一時間も経っている。慌てて台所に走り、鍋を覗く。火加減がよく分からなかったから弱火にしておいたおかげで、最悪の事態は免れたようだ。しかし玉ねぎはすっかり溶けてしまっている。
「ああー……」
まだ少し眠気が残り、ぼんやりとしている顔をがしがしと擦る。すると、また先ほどの粗野な声が聞こえてきた。
『やっぱり、思ったとおりだったな! てめえには釜戸番は任せられねえ! まったく、主の大事な鍋を使わせなくて、良かったぜ!』
キンキンと響く、奇妙な声だった。イズーは声の主を探すが、もちろん室内には誰もいない。しかしガスコンロの上に、ホタルのような小さな光がぼうっと浮かんでいるのに気づいた。
「精霊……?」
イズーはハッと目を見開いた。
「もしかして、あのホーロー鍋の蓋が開かなかったのは、お前のしわざか!?」
光はあざ笑うかのように周囲を旋回してから、こつ然と消えた。と同時に、イズーのこめかみが、急にキリキリと痛み出す。
「いてて……?」
痛みはたいしたことはなく、しばらくののち消えた。
「なんだったんだ、いったい……?」
不思議に思いながらも、イズーは煮込み中のカレーに水を足した。うたた寝していた間に蒸発してしまったのか、鍋の中見はだいぶ嵩が減っている。再度沸騰させてから、取り分けておいたじゃがいもを加えた。
それから居間に戻り、イズーは電話の子機を掴んだ。風吹の携帯電話の番号をプッシュするが、仕事中だからもちろん繋がらない。
「風吹、俺だ。今日は――」
イズーは心持ち胸を張って、留守電にメッセージを吹き込んだ。
Y駅からタクシーで十五分、長い坂を上りきった先の静かな住宅街に、依頼主の家はあった。依頼主の家は築三十年ということで見た目はくたびれているが、南向きに建っており、日当たりは良さそうだ。周辺をぐるりと見て回ってから、風吹たちは玄関のチャイムを鳴らした。
「はーい」
出迎えてくれたのは、美しい女性だった。おそらく三十代だろう、すらりと背が高く、モデルか女優だと言われてもなんら違和感がない。そのうえ――金髪に碧眼。今回のお客様は、外国人だったらしい。予想外の事態に、風吹もA子も固まってしまった。
「え、えーと……」
「ああ、大丈夫よ。日本語、喋れますから」
女の言葉に、風吹とA子は胸を撫で下ろした。
それにしても、イズーといい、この女性といい、最近の外人さんは日本語が達者だ。長いこと学校で学んできたはずなのに、英語もままならない自身を顧みて、風吹は大いに反省した。
「遠いところをわざわざすみませんでした。私が海月 クララです。さあ、どうぞ、あがってくださいな」
妊娠しているらしく、クララは少し膨らんだお腹をさすりながら、二人分のスリッパを上がり框に置いた。玄関から居間へ通される間、階段や柱の位置など、風吹はそっと海月邸を観察した。
中古住宅を買い取ったそうだが、内装にはあまり手をつけていないらしく、壁紙や床はくすんでいる。その中に誰かの趣味なのか、木製のナチュラルなインテリアが点在しており、ちぐはぐな印象を受ける。
見られている気配を感じたのか、前を行くクララは恥ずかしそうに肩をすぼめた。
「ごめんなさい、見苦しくて……。元のおうちがあまりに古くて、私の好みの家具が浮いちゃうのよね……」
「いえいえ、あはは……」
パイン材でできたシンプルなソファの前まで来ると、クララは整った顔を不安げに曇らせた。
「できれば出産前に万事終わらせておきたいのだけど、大丈夫かしら?」
「そうですね……。海月様、今、妊娠何ヶ月でいらっしゃいますか?」
「四ヶ月よ」
「それでしたら大丈夫です。内容にもよりますが、こちらの物件でしたら、三ヶ月も見ていただければ十分かと」
風吹は相手を安心させるように微笑んだ。
「ああ、良かった……!」
心配事が消えたのか、クララはすっきりした顔で笑うと、一旦席を外し、お盆に飲み物を載せて戻ってきた。
「おかまいなく」
風吹とA子は、改めて頭を下げた。
「このたびはご用命、誠にありがとうございます」
そのあとはひととおりの挨拶と名刺交換を行い、ようやく三人はソファに腰を下ろした。
「今回は無理を言ってごめんなさいね。ほら、家を買うとか建て直すとか、そう何度もあることじゃないでしょう? 後悔したくなくて。だから、業界で名高い御社の力を、お借りしたいと思ったの」
クララの口調は、だいぶくだけたものになっている。
「ありがとうございます。光栄でございます。海月様にご満足いただけるよう、微力を尽くさせていただきます」
今回の海月邸の改修はA子が担当し、風吹はその監督役だ。
A子はさっそくカバンから資料を出した。
「それでは、内容を詰めていきましょう。これらは弊社で手がけた、お客様たちの――」
おおよそ三十分ほどで聞き取りは終わった。クララが提示した希望や予算はごくごく一般的なもので、特に問題はない。ただ「浴室にはこだわりたい」とのことだった。
「総大理石にするか、それとも雅な岩風呂とか……。悩むわ~」
クララは長い指を組み、祈るような仕草で瞳を輝かせている。まるっきり夢見る少女のような依頼主を、風吹は可愛いらしいと思った。海月家の浴室のイメージが洋風でも和風でもどちらに決まっても、前例は多々あるので、良い提案ができるだろう。
「ゆっくりお風呂に入って、そのあとキンキンに冷えたお酒を飲むのが私の楽しみなの」
「ええ、分かります」
「うふふ。バスルームは、本当は三つくらい作りたかったのよね。でも夫に、掃除は自分たちでしないといけないんですよって言われて、我に返ったわ」
風吹とA子にはコーヒーを勧めて、自分は妊婦だからだろう麦茶を飲みながら、クララは明るく笑っている。
占い師と聞いていたから、風吹は当初クララのことをド派手か、もしくは異様に地味か、そしてきっとエキセントリックな女性なのだろうと内心身構えていたのだ。が、当のクララは、それらの予想をいい意味で裏切ってくれた。有名人だというのに奢ったところもなく、茶目っ気があって話しやすい。
腕時計を見れば、もう十六時を回っている。そろそろお暇する頃合いだろう。風吹たちが腰を上げかけると、クララはそれを押し留めた。
「せっかく来てくださったお礼に、あなたがたを診てあげましょうか?」
「診て」というのは、占ってくれるということか。
風吹は遠慮しようとしたのだが、それよりも先にA子が歓声を上げた。
「うわあ、いいんですか! 私、先生のファンで! 御本も持ってます!」
「あら、ありがとう」
クララは不要になった資料をめくると、白紙の裏面を表にし、ボールペンと一緒に寄越してきた。
「じゃあ、ここに書いてくれる? お名前と生年月日、血液型に星座と、あと干支も。あとはそーねー、好きな食べ物と嫌いな食べ物と、体を洗うときはどこから洗うー?」
なんというか、節操がない。信用できるのか……?との疑いを顔に出さないよう努めている風吹の横で、A子はせっせと質問の答えを書いていった。
「では、始めます」
クララはA子から受け取った紙に手をかざしながら、目を閉じた。
「そうね……。あなたはとても真面目な人ね。ほどほどに仕事で活躍できて、ほどほどに家庭も円満よ」
「ほどほど……」
「あら、ほどほどが一番なのよ。大活躍なんてことになったら、その分エネルギーも使って疲れるし、人からは妬まれるし、いいことないわ。仕事も家庭もほどほどに両立できて、楽しめる。あなたの人生は、とても良いものだと思うわ」
「ああ……。先生にそう言われると、なんだかそんな気になってきました」
最初は不満そうだったA子も、クララに諭されたあとは納得がいったのか、しきりに頷いている。
「あと、そうね……。あなた『が』恋している相手は、諦めたほうがいいわ。脈なしよ。その代わり、あなた『に』恋している相手、そっちはオススメね」
「!」
A子は口に手を当て、大きく瞬きした。どうやら心当たりがあるようだ。
「す、すごーい! 主任! クララ先生はやっぱり凄いです!」
「そ、そう……」
クララは静かな笑みを湛えながら、風吹を見詰めている。「次はあなたの番」ということだろうか。断るのも感じが悪いかと思い、風吹は渋々ペンを取った。
風吹が書き込んだ紙を受け取ると、クララは先ほどと同じく手をかざした。
「ふうん……。あなたには占いなんて必要ないわね」
苦笑しながら、クララは手にした紙をひらひらと振った。
「あなたはとても強い人。あなたのその包容力に惹かれて、弱き者たちが集まってくる。そしてあなたはどれだけ頼られても、縋られても、疲れきってしまうことはない。――誘蛾灯のようね。あなたはあなたを貫いて、一生を終えるわ」
「主任、さすが! やっぱり主任は、強い女なんですね!」
「いや、その……あはは……」
A子は褒めちぎってくれるが、風吹は曖昧に笑うしかない。だいたい「誘蛾灯」。その喩えは、あまり良いものとは思えないではないか。
クララは神秘的な表情を一転させて、ニヤッといたずらっ子のように笑った。
「ま、そんな感じだから、友良さんにはアドバイスできることがないの。ごめんなさいね。でもタダだから、いいわよね?」
思わずみんなで笑ってしまった。笑みを絶やさず、クララは付け足す。
「ああ、それと、友良さんはね、近いうちにトラブルに見舞われると思うの」
「トラブル?」
「そう。たいていのことは一人で大丈夫なあなたが、どうしても解決できないこと……。そんなことに直面したときは、お渡しした名刺の電話番号に連絡してね。力になれると思うから」
「……………………」
信じてしまっていいのだろうか。風吹はごくりと生唾を飲んだ。
もし、電話したら――。
「大丈夫よ。変な壺も御札も売りつけないから」
――先を越されてしまった。さすが未来を見通す、占い師だ。
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