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「女は何度でもイケる」って聞いたことがありましたが、あれはきっと嘘です。
繰り返し、上り詰める……。確かに男性に比べたら難易度が低いのかもしれませんが、私にそこまでの体力はありません。
今のところ計三回ほどイッてしまった私は、もうクタクタでした。
「みさき……。すごく気持ち良かった。ありがとな」
潮が、私の髪や耳に口づけを落とし、名残惜しそうに離れていきます。だけど私は疲れ果てていて、どうでも良くなっていました。
構われるのが鬱陶しい。放っておいて、休ませてほしい。申し訳ないけれど……。
だらしなく開いた足を閉じるのが精一杯の、そんな私の前に、最後の一人である美波が近づいてきました。
ソファに腰掛けた私の足元、フローリングの床に跪くようにして、美波は私を見上げます。
「僕の番だけど……ていうか、どうして僕が最後なのか、謎だけど。みさき、大丈夫? できる?」
正直に言えば、勘弁して欲しい。でも三人を平等に扱うと決めたのですから、私から断るわけにはいけません。
「うん、いいよ……」
私の目は、きっと虚ろだったろうと思います。そして、普段細やかに気遣ってくれる美波ならば、もしかしたら遠慮してくれるかもと、そういった小狡い打算もありました。
「そう。ありがとう」
だけど美波は引きませんでした。メガネを外し、にっこり笑っています。その様子に、私は違和感を覚えました。
なんだかいつもと違うような……。
美波はソファに乗ると、私に覆いかぶさるようにしながら、先ほど寝かせた背もたれを起こしました。直角に立ったそれに私を寄りかからせると、次に私の膝を持ち、それも背もたれに押し当てます。
足をM字にされて持ち上げられたはずみで、ソファの座面に接していた私の秘部が、前に引きずり出されます。
膣の入り口に、硬いものが当たりました。思わず下を向くと、天を指して脈打つ美波のペニスが、今まさに刺さろうとしているところでした。
「あ……」
「力、抜いててね。疲れてるだろうから、早く済ますから」
「う、うん」
美波は私の足を持ったまま、軽く腰を突き出し、すんなりと挿入を済ませました。
どこに何があるのか、女の体を知り尽くしている。そんな風でした。やっぱり慣れている……。
「んっ、んう……」
「すごいね……。こんなに柔らかいのに、きつい」
私の内側がどうなっているのか調べるように、美波は慎重に動きました。最初はゆっくりだったそれは、やがて加速していきます。
ソファの背もたれに背中を預けた私と美波は、向かい合い、繋がっています。距離はとても近く、互いの息が当たるほどです。
「あっ……!」
「ここかな……?」
更に深く侵入した美波のそれが、私の果てに到達します。
この角度はまずいかも。深く入り過ぎるのです。
「あっ、んっ、あああ……! 美波……! ダメ……!」
「ダメ、じゃないでしょ?」
私の反応を見ながら、美波はニヤリと笑い、最奥を何度も自分のそれで抉りました。
「ダメ、ダメだよう……っ!」
イッてしまいたいのに、体力が追いつかない。巡る血液は滾っているのに、私の全身には湿気った火薬が詰められているかのようで、爆発には至らない。
くすぶったような感覚がじれったく、目の前がチカチカします。
「もうイケないのかな? そんなことないよね? みさきくらいエッチなら、いっぱい気持ち良くなれるよね?」
「む、り……っ! 無理だか、らあ……っ!」
私は首を横に振りますが、美波はやめてくれない。マイペースに腰を振り、じわじわと私を追い詰めていきます。
逃げてしまいたいのか、それとも沈んでしまいたいのか、自分でも分からない。だけど痛くないように押さえつけられている美波の腕の、その力強さに倒錯した悦びを感じてしまう。
無理矢理、犯されているみたい……。私はやっぱり変態です。
潮とのときは突き飛ばされてでもして、ガクッと堕ちたような気がしましたが、美波と臨んでいる今は、お湯にでも浸かってじんわり溶けていく、そのような感じです。
こうして、私の体はゆっくり蕩けていきました。
「みさき、中で――ちんちんだけでイッたことある?」
ありません。私は正直に答えます。
すると美波は、嬉しそうに顔をほころばせました。
「そう。じゃあ、僕が初めての相手だね」
美波の背後から、潮たちの抗議が聞こえてきます。
「みさきは、俺たちのおかげで、イキやすくなってるんだからな!」
「――前座、ご苦労さまでした」
「てめえ!」
「全然見えないぞ、美波! ケチ!」
最後のは大洋の文句です。
美波は彼らの視界を妨げるように、私に伸し掛かっています。だから大洋たちからは、美波の背中しか見えないはずです。
美波は二人を振り返りもせず、ただクスッと口角を上げました。
「見せるわけないじゃないか。今は、僕だけのみさきだもの」
美波の笑顔は、見たことがない類のものでした。知らない男の人のようです。
それにしても……。
今までの私は、キスであったり、手や舌による愛撫であったり、あるいは相手から掛けられる言葉で感じていました。なのに美波とのセックスは、もっとシンプルで、もっと強烈です。
ペニスとヴァギナが合体しているだけなのに。
互いの性器の摩擦だけで、私は追い落とされているのです。
単純なのに甚だしい快楽に包まれていると、今まで経験してきた性交が子供だましだったような、そんな気がしてきます。
「うっ、お、ん……っ!」
美波はペニスの先端をドスドスと、膣道の行き止まり――子宮口をこじ開けようとするかのようにぶつけてきます。
突かれるたび、私は腹の底からこみ上げてくる、下品なうめき声を漏らしました。顔だって、きっととんでもないことになっているはず。
これ以上、醜態を見られたくなくて横を向くと、美波は私の顎を掴んで元の位置に戻し、深く口づけました。
「ダメだよ、見せて」
大きく開かされた私の足の爪先はピンと伸び、結合部からは淫らな匂いのする汁がとめどなく垂れて、お尻の穴までも濡らしています。
「僕のみさきが、僕のちんちんで喘いでる……。ね、本気で感じてる顔をもっとよく見せて」
私の乳首を引っ張ったかと思えば、指の腹で擦り合わせて、美波はそんなことを言います。
「やら……。恥じゅかひい……」
舌も吸われてうまく喋れない私は、それでもなんとか言い返しました。
「いいじゃない。僕以外、誰も見てないし……」
眉間に皺を寄せて微笑む――その顔は間違いなく美波のものだったけれど、やっぱり彼ではないみたい。
美波は相手をいたぶって、それが楽しくて仕方がない、こんないじめっ子のような笑い方はしません。
残酷な笑みを浮かべたまま、口調はあくまで優しく、彼は続けます。
「僕は君がずっと好きだったよ。みんな――寛大なタチの両親からすら『ヘタクソなんだから、野球なんかやめたほうがいい』って言われていたけど、みさきだけは励ましてくれた。君がいたから、高校時代、頑張れたんだ。ちっとも巧くならず、周りからバカにされても、みさきがいつも寄り添ってくれていたから、心が折れることはなかった……」
前にも言ったとおり、私たちの高校は、野球の強豪校でした。野球部に集まってくるのは、その分野の猛者ばかり。
美波の腕前は、だからほかの部員と比べて劣っていたかもしれない。でも彼は挫けることなく、努力を怠らなかったのです。
その姿は、みっともないどころか、とても格好良かった。
だいたい下手だからとか、そんな理由で、好きなことをやめる必要なんてないと思いませんか?
誰に迷惑をかけるわけでなし、やりたいなら続ければいいんです。だから私は精一杯、美波を応援していました。
「君がカノジョだったらいいなって、ずっと思ってた。大好きだった。でも――」
言葉が途切れたかと思うと、カーテンが引かれて陽の光が遮られたかのように、美波の顔から表情が消えました。
「――誰にでも愛される君が、殺したいくらい、憎らしかった」
どくんと、私の心臓が大きな鼓動を刻みます。
――私は、嫌われていたの?
「でも、これからは、みさきは僕のものだ」
打って変わったように、美波は輝くような笑顔を浮かべました。
「おまえだけのじゃないけどな。みさきは、俺ら三人のもの、な」
またもや潮が、美波の後ろから補足します。
「美波って、言うこともやることもドS……。鬼畜だったんだあ……」
やや引き気味の、大洋のつぶやきも聞こえました。
友人たちの声が聞こえているのかいないのか、美波は再び激しく動き出します。容赦のない抽送に、私は泣いてしまいました。
器が、震えっぱなしなのです。強い毒を流し込まれたかのようにビクビクと痙攣し続け、その振動が脳と子宮を揺らす。息が出来ないくらい、気持ちがいい。
――知らなかったんです。私を絶頂に浮かべるスイッチがそんなところに――指も届かない深い場所にあって、それを押せるのは男性のペニスだけだったなんて。そしてそこを刺激されている限り、私は頂きから下りてこられないなんて。
「ふふ、イキっぱなし……」
「あ、ふ、ああ……! 死ん、じゃう……っ!」
自分の体が、自分のものではないみたいです。
弱点を暴き、攻めてくる美波の性器が恐ろしいのに、私の肉壁はそれを離すまいと勝手に締め上げ、そのたびに私は達してしまうのです。
頭の中で何度も光が爆ぜて、目が眩む。
「おねが……っ! もう、終わりに、してぇ……!」
切なく、苦しい時間を、早く終わらせたい。神経をズタズタにされて、狂ってしまいそうです。
「もっとしてあげたかったけど、しょうがないな……。じゃあ大洋たちと同じように、僕のことも好きって言ってくれる? あとは、そうだな……」
美波は、悪巧みをする子供のような顔をして、私に耳打ちします。
「えっ……!? そんなの、言えない……!」
「それならこのまま、一時間でも二時間でも続けようか」
――そんなの、絶対、壊れてしまう。
私は仕方なく、美波の望む言葉を紡ぎ始めました。
「美波が、好き、大好き……っ」
「ありがとう。僕もみさきが大好きだよ。――それから?」
ゆるやかに腰を前後させながら、美波は私を促します。
「み、美波の、お、おちん……ちんが、大好き……」
散々無様なところを晒したけれど、少しは羞恥心も残っていたようで……。私は顔を赤く染めながら、美波の指示どおりのことを口にしました。
「うんうん。――あとは?」
美波の動きが大きくなり、私たちの乗っているソファがガタガタと大きな音を立てます。
あともうちょっとで、この甘い地獄は終わる――。
私は勇気を振り絞り、一息に叫びました。
「わた、わたし、は! みんなの、おちんちんの、奴隷ですっ!」
「……ちぇ」
美波は舌打ちし、私に陰茎を突き入れたまま、円を描くようにぐるりと腰を回しました。
子宮に続く門を亀頭で余すことなく撫でられたその瞬間、今までで一番大きな波が私をさらいます。
「う、あっ、ああああっ!」
どこかへ流されてしまいそうで怖くて、私は美波にぎゅっと抱きつきました。美波もまた私に体を寄せながら、荒い息を吐いています。と同時に、私に埋められていた太い杭が、びくびくと何度も跳ねました。
美波が射精しているんだ……。そう思うと、興奮してしまいます。
「みさきは、意地悪だな」
一段落つくと、美波は唇を尖らせ、そのままちゅっと私にキスしました。
美波は、「美波の」おちんちんの奴隷だと言わせたかったようなのですが、私が勝手にセリフを変更したから怒っているのです。
だけど私は三人を同じくらい愛していますから、そんな贔屓はできません。
でも、「奴隷」か。
難しいことは何も考えず、理性も倫理観もかなぐり捨てて、ただ淫欲を満たすだけの日々に耽る。
そんな生き方も、楽しそうです。
いや、それとも、二、三日で飽きるかしら……。
エロコンテンツって最初は没頭するものの、我に返れば虚しくなるものですものねえ。
ほどほどに楽しむのが、きっと良いのでしょう。
繰り返し、上り詰める……。確かに男性に比べたら難易度が低いのかもしれませんが、私にそこまでの体力はありません。
今のところ計三回ほどイッてしまった私は、もうクタクタでした。
「みさき……。すごく気持ち良かった。ありがとな」
潮が、私の髪や耳に口づけを落とし、名残惜しそうに離れていきます。だけど私は疲れ果てていて、どうでも良くなっていました。
構われるのが鬱陶しい。放っておいて、休ませてほしい。申し訳ないけれど……。
だらしなく開いた足を閉じるのが精一杯の、そんな私の前に、最後の一人である美波が近づいてきました。
ソファに腰掛けた私の足元、フローリングの床に跪くようにして、美波は私を見上げます。
「僕の番だけど……ていうか、どうして僕が最後なのか、謎だけど。みさき、大丈夫? できる?」
正直に言えば、勘弁して欲しい。でも三人を平等に扱うと決めたのですから、私から断るわけにはいけません。
「うん、いいよ……」
私の目は、きっと虚ろだったろうと思います。そして、普段細やかに気遣ってくれる美波ならば、もしかしたら遠慮してくれるかもと、そういった小狡い打算もありました。
「そう。ありがとう」
だけど美波は引きませんでした。メガネを外し、にっこり笑っています。その様子に、私は違和感を覚えました。
なんだかいつもと違うような……。
美波はソファに乗ると、私に覆いかぶさるようにしながら、先ほど寝かせた背もたれを起こしました。直角に立ったそれに私を寄りかからせると、次に私の膝を持ち、それも背もたれに押し当てます。
足をM字にされて持ち上げられたはずみで、ソファの座面に接していた私の秘部が、前に引きずり出されます。
膣の入り口に、硬いものが当たりました。思わず下を向くと、天を指して脈打つ美波のペニスが、今まさに刺さろうとしているところでした。
「あ……」
「力、抜いててね。疲れてるだろうから、早く済ますから」
「う、うん」
美波は私の足を持ったまま、軽く腰を突き出し、すんなりと挿入を済ませました。
どこに何があるのか、女の体を知り尽くしている。そんな風でした。やっぱり慣れている……。
「んっ、んう……」
「すごいね……。こんなに柔らかいのに、きつい」
私の内側がどうなっているのか調べるように、美波は慎重に動きました。最初はゆっくりだったそれは、やがて加速していきます。
ソファの背もたれに背中を預けた私と美波は、向かい合い、繋がっています。距離はとても近く、互いの息が当たるほどです。
「あっ……!」
「ここかな……?」
更に深く侵入した美波のそれが、私の果てに到達します。
この角度はまずいかも。深く入り過ぎるのです。
「あっ、んっ、あああ……! 美波……! ダメ……!」
「ダメ、じゃないでしょ?」
私の反応を見ながら、美波はニヤリと笑い、最奥を何度も自分のそれで抉りました。
「ダメ、ダメだよう……っ!」
イッてしまいたいのに、体力が追いつかない。巡る血液は滾っているのに、私の全身には湿気った火薬が詰められているかのようで、爆発には至らない。
くすぶったような感覚がじれったく、目の前がチカチカします。
「もうイケないのかな? そんなことないよね? みさきくらいエッチなら、いっぱい気持ち良くなれるよね?」
「む、り……っ! 無理だか、らあ……っ!」
私は首を横に振りますが、美波はやめてくれない。マイペースに腰を振り、じわじわと私を追い詰めていきます。
逃げてしまいたいのか、それとも沈んでしまいたいのか、自分でも分からない。だけど痛くないように押さえつけられている美波の腕の、その力強さに倒錯した悦びを感じてしまう。
無理矢理、犯されているみたい……。私はやっぱり変態です。
潮とのときは突き飛ばされてでもして、ガクッと堕ちたような気がしましたが、美波と臨んでいる今は、お湯にでも浸かってじんわり溶けていく、そのような感じです。
こうして、私の体はゆっくり蕩けていきました。
「みさき、中で――ちんちんだけでイッたことある?」
ありません。私は正直に答えます。
すると美波は、嬉しそうに顔をほころばせました。
「そう。じゃあ、僕が初めての相手だね」
美波の背後から、潮たちの抗議が聞こえてきます。
「みさきは、俺たちのおかげで、イキやすくなってるんだからな!」
「――前座、ご苦労さまでした」
「てめえ!」
「全然見えないぞ、美波! ケチ!」
最後のは大洋の文句です。
美波は彼らの視界を妨げるように、私に伸し掛かっています。だから大洋たちからは、美波の背中しか見えないはずです。
美波は二人を振り返りもせず、ただクスッと口角を上げました。
「見せるわけないじゃないか。今は、僕だけのみさきだもの」
美波の笑顔は、見たことがない類のものでした。知らない男の人のようです。
それにしても……。
今までの私は、キスであったり、手や舌による愛撫であったり、あるいは相手から掛けられる言葉で感じていました。なのに美波とのセックスは、もっとシンプルで、もっと強烈です。
ペニスとヴァギナが合体しているだけなのに。
互いの性器の摩擦だけで、私は追い落とされているのです。
単純なのに甚だしい快楽に包まれていると、今まで経験してきた性交が子供だましだったような、そんな気がしてきます。
「うっ、お、ん……っ!」
美波はペニスの先端をドスドスと、膣道の行き止まり――子宮口をこじ開けようとするかのようにぶつけてきます。
突かれるたび、私は腹の底からこみ上げてくる、下品なうめき声を漏らしました。顔だって、きっととんでもないことになっているはず。
これ以上、醜態を見られたくなくて横を向くと、美波は私の顎を掴んで元の位置に戻し、深く口づけました。
「ダメだよ、見せて」
大きく開かされた私の足の爪先はピンと伸び、結合部からは淫らな匂いのする汁がとめどなく垂れて、お尻の穴までも濡らしています。
「僕のみさきが、僕のちんちんで喘いでる……。ね、本気で感じてる顔をもっとよく見せて」
私の乳首を引っ張ったかと思えば、指の腹で擦り合わせて、美波はそんなことを言います。
「やら……。恥じゅかひい……」
舌も吸われてうまく喋れない私は、それでもなんとか言い返しました。
「いいじゃない。僕以外、誰も見てないし……」
眉間に皺を寄せて微笑む――その顔は間違いなく美波のものだったけれど、やっぱり彼ではないみたい。
美波は相手をいたぶって、それが楽しくて仕方がない、こんないじめっ子のような笑い方はしません。
残酷な笑みを浮かべたまま、口調はあくまで優しく、彼は続けます。
「僕は君がずっと好きだったよ。みんな――寛大なタチの両親からすら『ヘタクソなんだから、野球なんかやめたほうがいい』って言われていたけど、みさきだけは励ましてくれた。君がいたから、高校時代、頑張れたんだ。ちっとも巧くならず、周りからバカにされても、みさきがいつも寄り添ってくれていたから、心が折れることはなかった……」
前にも言ったとおり、私たちの高校は、野球の強豪校でした。野球部に集まってくるのは、その分野の猛者ばかり。
美波の腕前は、だからほかの部員と比べて劣っていたかもしれない。でも彼は挫けることなく、努力を怠らなかったのです。
その姿は、みっともないどころか、とても格好良かった。
だいたい下手だからとか、そんな理由で、好きなことをやめる必要なんてないと思いませんか?
誰に迷惑をかけるわけでなし、やりたいなら続ければいいんです。だから私は精一杯、美波を応援していました。
「君がカノジョだったらいいなって、ずっと思ってた。大好きだった。でも――」
言葉が途切れたかと思うと、カーテンが引かれて陽の光が遮られたかのように、美波の顔から表情が消えました。
「――誰にでも愛される君が、殺したいくらい、憎らしかった」
どくんと、私の心臓が大きな鼓動を刻みます。
――私は、嫌われていたの?
「でも、これからは、みさきは僕のものだ」
打って変わったように、美波は輝くような笑顔を浮かべました。
「おまえだけのじゃないけどな。みさきは、俺ら三人のもの、な」
またもや潮が、美波の後ろから補足します。
「美波って、言うこともやることもドS……。鬼畜だったんだあ……」
やや引き気味の、大洋のつぶやきも聞こえました。
友人たちの声が聞こえているのかいないのか、美波は再び激しく動き出します。容赦のない抽送に、私は泣いてしまいました。
器が、震えっぱなしなのです。強い毒を流し込まれたかのようにビクビクと痙攣し続け、その振動が脳と子宮を揺らす。息が出来ないくらい、気持ちがいい。
――知らなかったんです。私を絶頂に浮かべるスイッチがそんなところに――指も届かない深い場所にあって、それを押せるのは男性のペニスだけだったなんて。そしてそこを刺激されている限り、私は頂きから下りてこられないなんて。
「ふふ、イキっぱなし……」
「あ、ふ、ああ……! 死ん、じゃう……っ!」
自分の体が、自分のものではないみたいです。
弱点を暴き、攻めてくる美波の性器が恐ろしいのに、私の肉壁はそれを離すまいと勝手に締め上げ、そのたびに私は達してしまうのです。
頭の中で何度も光が爆ぜて、目が眩む。
「おねが……っ! もう、終わりに、してぇ……!」
切なく、苦しい時間を、早く終わらせたい。神経をズタズタにされて、狂ってしまいそうです。
「もっとしてあげたかったけど、しょうがないな……。じゃあ大洋たちと同じように、僕のことも好きって言ってくれる? あとは、そうだな……」
美波は、悪巧みをする子供のような顔をして、私に耳打ちします。
「えっ……!? そんなの、言えない……!」
「それならこのまま、一時間でも二時間でも続けようか」
――そんなの、絶対、壊れてしまう。
私は仕方なく、美波の望む言葉を紡ぎ始めました。
「美波が、好き、大好き……っ」
「ありがとう。僕もみさきが大好きだよ。――それから?」
ゆるやかに腰を前後させながら、美波は私を促します。
「み、美波の、お、おちん……ちんが、大好き……」
散々無様なところを晒したけれど、少しは羞恥心も残っていたようで……。私は顔を赤く染めながら、美波の指示どおりのことを口にしました。
「うんうん。――あとは?」
美波の動きが大きくなり、私たちの乗っているソファがガタガタと大きな音を立てます。
あともうちょっとで、この甘い地獄は終わる――。
私は勇気を振り絞り、一息に叫びました。
「わた、わたし、は! みんなの、おちんちんの、奴隷ですっ!」
「……ちぇ」
美波は舌打ちし、私に陰茎を突き入れたまま、円を描くようにぐるりと腰を回しました。
子宮に続く門を亀頭で余すことなく撫でられたその瞬間、今までで一番大きな波が私をさらいます。
「う、あっ、ああああっ!」
どこかへ流されてしまいそうで怖くて、私は美波にぎゅっと抱きつきました。美波もまた私に体を寄せながら、荒い息を吐いています。と同時に、私に埋められていた太い杭が、びくびくと何度も跳ねました。
美波が射精しているんだ……。そう思うと、興奮してしまいます。
「みさきは、意地悪だな」
一段落つくと、美波は唇を尖らせ、そのままちゅっと私にキスしました。
美波は、「美波の」おちんちんの奴隷だと言わせたかったようなのですが、私が勝手にセリフを変更したから怒っているのです。
だけど私は三人を同じくらい愛していますから、そんな贔屓はできません。
でも、「奴隷」か。
難しいことは何も考えず、理性も倫理観もかなぐり捨てて、ただ淫欲を満たすだけの日々に耽る。
そんな生き方も、楽しそうです。
いや、それとも、二、三日で飽きるかしら……。
エロコンテンツって最初は没頭するものの、我に返れば虚しくなるものですものねえ。
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