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 美波のおうちのソファは、大きくてゴージャスで、背もたれを倒すとちょっとしたベッドのようでした。お手入れもきちんとされているらしく――美波はそういうところもマメなのですが、ピンと張られた黒革は艷やかな光沢を放っています。
 その座面に敷かれた清潔なバスタオルの上に、改めて私が座ります。――素っ裸で。
 私の左側には潮がいて、右側には美波が控えていて、足元の床には大洋が正座しています。――三人とも、素っ裸で。
 美波はともかく、私を含めたそれ以外の面々は、人様の家で何をやっているんでしょうか……。
 まともに考えたらあまりに珍妙で、バカみたいで、これから性交に及ぶという淫靡な雰囲気は皆無です。
 エッチなことをするというよりは、みんなでなにかの競技に挑むぞ! という感じでした。

「……………」

「みんな裸になれ!」などという威勢のいい号令はなかったことのように、私はなんとか肌を隠そうと無駄な努力をしています。普通に恥ずかしいからです。
 しかし男子三人は堂々と、そのたくましい肉体を私に見せつけてきます。目のやり場に困るのですが……。

「おまえが脱げって言ったから、俺たちもマッパになったんだぞ。隠すなって」
「ちゃんと見せて、みさき」

 潮と美波は、胸を見せまいと体の前で交差させていた私の腕を、それぞれ左右に引っ張りました。その隙に大洋は私の太ももの間に手を差し入れ、こじ開けようと企みます。

「や、やだよ……! 大洋、やめて……!」

 大洋にされるがままにすれば、大開脚必至です。
 そんなの無理! 私は足に力を入れて、懸命に踏ん張りました。

「みさき、ダメだよ。ちゃんと準備しないと、女の子は痛いんでしょ?」

 私の股間近くから顔を上げ、大洋は小さな子を諭すように言いました。

「……………………」

 私は観念し、力を抜きます。
 一度は「やる」と決めたのです。度胸を見せなければ。
 両腕を美波と潮に預けたまま、足は大洋によって開かれ、私の胸と性器は、彼らの眼前に晒されてしまいます。
 ――顔から火が出そう。
 羞恥に悶える私の気持ちも知らず、男子三人はごくりと生唾を飲み込み、私の裸を眺め回しています。

「やっぱり、みさき、胸大きいな」

 そうでしょうか?
 寄せて上げて、やっとCカップなのですが。

「オレ、女の子のあそこ、生で見るの、初めて……」

 熱に浮かされたように、ぼうっと大洋はつぶやき、私の膝を掬うように持ち上げると、尚大きく開こうとします。

「ちょ、ちょっと待っ……!」

 制止の声も、興奮した雄の耳には届かないのか、大洋にぐいっと膝を抱え持たれ、その反動で私は背中側に倒れてしまいました。慌てて起きようとしますが、腰を高く上げられているせいか、私の貧弱な腹筋では叶いません。
 私の足を掲げたまま、大洋はまじまじと陰部を凝視しました。そのうえ、左右にいる潮と美波まで身を乗り出し、私のそれを覗くのです。

「綺麗だ……」

 うっとりと漏らすのは大洋。

「みさき、ちょっと毛深くない?」

 余計なことを言うのは潮。

「僕はこれくらいのほうが好きだな。いやらしくて」

 こんなときも優しい……優しいのかな? ともかく、気を使ってくれるのが、美波です。

「もう! 見ないで!」

 男性陣の遠慮のなさに頭にきた私は、とりあえず両脇にいた潮と美波のあれを、その……おちんちんを、ぎゅっと握りました。

「うっ!」
「ちょっ……!」

 二人はびくっと硬直します。ほんの仕返しのつもりだったのですが、まだ柔らかさを残していたそれらが、私の手の中で徐々に硬度を募らせていくうちに、なんだか妙な気分になってきました。
 美波が苦笑いを浮かべています。

「みさきのエッチ」

 潮のほうを向けば、何かに耐えるように、眉をしかめています。

「き、急にさわるなよな……」

 ――二人とも可愛い。
 彼らからもっと性的な反応を引き出したくて、私は手を上下に動かしました。シコシコと扱くたび男根は太くなっていき、亀頭はぷっくりと膨らんで、どんどん卑猥な形へと変化していきます。

「ん……」

 二人は私の手に合わせてゆるゆると腰を動かし、時折熱っぽいため息をこぼしました。
 左を向けば、膝立ちになった美波の、すっかり勃起したペニスが目に入ります。口でしてあげたら、もっと喜んでくれるでしょうか。
 私がそれに近づこうとすると、後ろからぐっと顎を掴まれ、強引に顔の向きを変えられました。

「フェラはしなくていい」

 ムスッとしながら、潮が言います。

「私は別にいいんだよ?」
「そうじゃなくて……。キス、できなくなるだろうが」

 照れくさそうに言うと、潮が唇を重ねてきます。荒い口ぶりとは真逆の、優しいキスでした。舌を絡ませ、唾液を交換し、離れると、今度は美波が私の頬に手をやり、自分のほうへと振り向かせます。

「うん。手でしてくれるだけで、気持ちいいから……。僕もみさきとキスしたい」

 そして美波もまた口づけをねだります。
 随分、可愛らしいことを言うんだなあ。でも、そんな彼らだからこそ、私は抱かれてもいいと思ったんです、きっと……。
 胸がぽかぽか温かい。しかし次の瞬間、えも言われぬ感覚に襲われ、私はびくっと跳ねました。

「ひゃっ!?」

 下半身に目をやれば、大洋が私の股ぐらに顔を突っ込んでいます。
 敏感な縦の道を何度も行き来する、ぬめった感触。大洋が、私のあそこに口をつけているのです。

「やっ、やだ……っ、大洋……!」
「なるほど、こういう匂い、こういう味なんだ。癖になりそう……」

 何かに取り憑かれたように夢中になって、大洋は私の割れ目から陰核まで一直線を、ぺろんと舐め上げます。やがて秘裂を開き、その下の窪みに舌をねじ入れました。

「ああっ……! 大洋、だめ、やっ……!」

 まるで美味しいものでも隠れているかのように、大洋は奥へ奥へと遠慮なく、ぐにぐにと舌を伸ばします。そして私の雌の器官は、淫らなねばっこい汁を次々生み出し、彼に乞われるまま存分に与えるのです。

「美味しい……」
「や……っ」

 いやらしい匂いに満ちた愛液を、じゅるりと下品な音を立てて、大洋は飲み干しました。その様を見て、聞いて、私の体は燃えるように熱くなります。
 ああやっぱり私は、変態なんだ……。
 そう意識した途端、メラメラと滾った血が、性感帯に流れ込んでいくのが分かりました。
 胸は張り、その頂きは触れられてもいないのに、勝手に硬く勃ち上がります。

「先っぽ、こんなに勃起させて。みさき、気持ちいいんだ? もっと良くしてあげるね」

 私の変化を目ざとく見つけた美波に、乳首を咥えられました。彼は固くなったそれを、まるで飴玉のようにコロコロと舌で転がし、歯を弱く当てます。

「あっ……! 美波、ダメっ! おかしくなっちゃうよぉ……っ!」
「ね、大洋は上手?」
「上手だよなあ? それともおまえが感じやすいだけか? ここ、こんなにビンビンにしやがって。まったく、おまえがこんなにスケベだったんなら、我慢なんてするんじゃなかった」

 美波が吸いついているのとは逆の、左の胸を揉みながら、潮は私の耳孔に舌を入れます。

「あっ、あっ……! ダメ……っ!」

 そんな、同時に胸をいじめられるなんて……! ありえないシチュエーションにも興奮するし、実際の刺激も強いし、自分の理性の限度を越えてしまいそう。

「――そうだ。ずっと抑えてたんだぞ……! 本当はおまえのことめちゃくちゃに犯して、俺だけのものにしたかったのに!」

 怒りと昂ぶりで熱を持った告白を、鼓膜に直接注がれて――ああ、本当に脳みそが燃えてしまいそう。
 真面目な優等生だとばかり思っていた美波は、思ったよりずっと女の子の扱いに慣れている。
 意地悪だと思っていた潮は、思ったよりずっと女の子に優しい。
 彼らの愛撫はとても巧みです。一体いつの間に、こんなテクニックを身につけたんでしょう。
 ――私以外の女の子を可愛がって?
 そう思うと、胸がちくりと痛みます。
 勝手ですよね。自分は散々海人という元彼にうつつを抜かしてたくせに、美波たちの過去に嫉妬している、なんて。
 ――でも、三人は、もう私のものです。
 私の肌を這う三つの舌、六本の腕。普通だったら味わえない、極上の悦楽。
 私は貞節だとか恥じらいだとか、女の子として大切なものを捨てた代わりに、潮と美波と大洋を手に入れた。
 ――絶対に、離しません。
 暗い歓びが、私を更に昂ぶらせます。

「もういいかな? 痛かったら言ってね?」

 愛液を喰らい尽くしたのか、大洋は口を拭うと、舌の代わりに指を入れてきました。

「うっ……」

 打って変わったごつごつとした硬い感触に、私は思わず呻きます。

「なんかすごい狭いけど、ここ、本当にチンポ入るのか……?」

 半信半疑に探るように、大洋の指は、私の膣内でぐるりと円を描きます。挿入された中指は太く、一本飲み込むのが精一杯です。
 最初は甲が上になっていた大洋の手は反転し、今度は指の腹が上側の壁を撫でました。クリトリスの裏に当たるそこは、私のGスポットというやつで――。

「あんっ……!」

 情けない悲鳴が漏れます。それに気を良くした大洋は、私の陰毛を……そんなに濃いとは思わないんですけど、でもやっぱり他の人に比べたら濃いんでしょうか。ともかく先ほど潮に嘲笑されたそこをかけ分け、私のクリトリスを丸ごとぱくりと口に含みました。

「はっ……! ぁう……っ!」
「ここが気持ちいいって聞いたんだけど……どうかな?」
「ら、だめ……っ!」

 育ちきった肉の芽を男性の厚く柔らかな唇に食まれ、唾液でたっぷり濡れた舌で弄ばれ……。更に肉壁を指でかき回されて、私はいよいよ追い詰められてしまいました。

「やああああ……っ!」
「……………っ」

 突然視界が真っ白になって、四肢がぴくぴく痙攣します。
 だらしない表情を見られたくなくて顔を隠したかったのに、手はまだ潮と美波に奪われたままでした。
 あーあ、ばっちり、アヘ顔見られちゃった……。
 私が達したのに気づいたのでしょう、大洋は指は抜かず、しかし動かすのを止めました。

「イッた?」
「………ばかぁ………」

 そんなこと聞かないでほしい。唇を噛む私と対象的に、大洋は喜色満面です。

「オレがイかせたんだ? やった!」

 人の手首を持ったまま、美波はデレデレしていて、潮はなぜか神妙な顔をしています。

「みさきのイキ顔、めっちゃ可愛かったな」
「うん……。そこらのセクシー女優顔負けだった」

 褒めてるつもりなんでしょうか、こいつら……。
 私はますます悔しく、恥ずかしくなります。

「えっ!? オレも見たい! みさき、もう一回イって?」
「はあ!?」

 三人の中では一番童顔の大洋は、夏休みの自由研究に取り組む小学生のように無邪気に、私の内側に入れっぱなしだった指を、また動かし始めました。
 一度絶頂を迎えた体は感じやすくなっていて、容易く熱を取り戻します。

「やっ、やめて、大洋! いやっ!」

 先ほどよりもっと大きな何かに、潰されてしまう。
 私は怖くなってもがきますが、相変わらず両手は潮と美波に、足は大洋に押さえられてしまっています。逃げられません。

「やらあ、やあ……っ!」

 呂律が回らなくなるほど、凶暴な快感がせり上がってきます。頭が悪そうなこんな声なんて誰にも聞かせたくないのに、口を閉じることができません。

「ふあっ、やっ、やあっ、やあああっ!」

 あっけなく私はまた達してしまい、それと同時に何かを漏らしてしまいました。ぷしゃっと勢い良く噴き出たそれを、私はおしっこだと思い、下腹部に力を入れて何とか止めようとします。でも、止まらなくて……。
 結局、その透明な飛沫はかなりの量飛び散り、大洋の手や体を濡らしました。

「だから、やだって……! やだって言ったのに……!」

 いい歳して、お漏らしをしてしまうなんて……。私はパニックになり、泣き出してしまいました。

「おい、泣くことねえだろ。一応言っとくけど、これ小便じゃなくて、潮を吹いただけだからな」
「しお……?」
「そうだよ。おまえ、エロ動画とか見ねえの? そこら中でシャーシャーやってんだろ」

 呆れたような顔をして、だけど優しく慰めるように、潮は私の目尻から零れた涙を舐め取りました。
 しおふき? 確かにそんな現象もあると、どこかで聞いたような気もします。
 じゃあさっきのは、本当にお漏らしじゃないんでしょうか。確かに嫌な匂いはしませんが……。

「女の子は変な動画見ないもんね。――みさき、すごく可愛かったよ」

 美波は良いことをした子供を褒めるかのように、ポンポンと頭を撫でてくれました。おかげで私はなんとか落ち着くことができました。
 でも大洋は、私の足元でうなだれています。

「大洋……?」
「オレ、もう我慢できない……」

 ハァハァと息を荒げながら、大洋は切なげに私を見上げます。――その手で、はち切れんばかりに膨れ上がった自身を握り締めながら。

「た、大洋……」

 男の子じゃないから分からないけれど、とても苦しそうです。そんな大洋が、私は可哀想になってきました。

つづく
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