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1.ゴリマッチョオネエな魔法使いの素敵なお仕事
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ルンルンに口づけられている。理解はできても、なにが起こっているのか、スチューはついていけなかった。
「なっ、な、な」
あまりに強く吸われていたから、唇が離れたときは、ぽんっと音が出そうだった。
スチューはあまりの衝撃に人語を話すこと叶わず、わなわなと震えている。
「あなたの指示に従うわ。王様だろうが魔王だろうが、あなたが会えと言うなら会う。ただし報酬は、前払いでいただくわ!」
なんだかよく分からないが、新たな災厄に見舞われる予感がする。スチューは一度は引っ込めた刃を構え直した。――が。
「うおりやああああああああッ!」
ルンルンはいきなり、自らの衣服を破り捨てた。物凄い力で裂かれたピンクの上等な生地の下から、レースに縁取られたトランクスが現れる。
――女ものの下着を履いてなくて、良かった……!
スチューは心から安堵した。そんなものを見せられた日には、きっと発狂し、なにをするか分からなかっただろうから。
しかしこれからなにが起こるのか、自分はなにに巻き込まれているのか。
「よいしょ」
戸惑うスチューの前で、ルンルンは最後の一枚をお上品に脱ぎ去る。そしてぴょんとカエルのように跳ね、スチューに飛びかかった。
「わっ、わああああああ! 来るなあああああ!」
手にした短刀で、刺し殺すのは容易い。が、この魔法使いは、王に召し出された重要人物なのだ。
――どうする!?
対応の仕方を一瞬迷ったせいで、スチューの動きは鈍り、結果ルンルンに押し倒されてしまった。
「はっ、離せ! 血迷ったか、ルンルン!」
スチューはじたばたと暴れる。唯一の武器である短刀はとっくに取り上げられ、遠くに投げ捨てられてしまった。
「失礼ね、アタシは至極正常よ! むしろビンビンに冴え渡ってる! ようやく運命の人に会えたってね! 堕ちたのは――アタシのほうだわ」
「うんめいのひと……だと……!?」
スチューに伸し掛かったルンルンは、興奮に爛々と光る目で演説を始めた。
「類まれなる胆力! 濁りない志! ――強い! あんたみたいな鋼の女を、アタシは探し求めていたの!」
「ひ、人違いだ! ジブンはそんな、大層なものじゃない!」
「あら、謙遜しないで!」
ドレスを着ていたときから察していたが、ルンルンの体は鎧のような筋肉に覆われていた。そんじょそこらの軍人では敵わないだろうほどの恵体である。スチューだって鍛えてはいたが、ルンルンの化け物じみた力で要所要所を抑え込まれてしまっては、どうやっても彼を跳ね除けることはできなかった。
「あ、あなたはそっち側の人では……!? だ、男性が好きなんじゃないのか!?」
「よく誤解されるんだけど、アタシ、根っからの女好きなの。好き過ぎて好き過ぎて、自分のスタイルも女に寄せちゃったってわけ」
真相を聞いて、スチューはキレた。
「紛らわしいことをすんなあああああッ!!!!!」
「ま、そんなわけだから」
片時もおとなしくせず、半狂乱で足掻くスチューの足首を掴み、針金のように楽々左右に開くと、ルンルンは彼女の中心に力強く腰を突き入れた。
「いっ……!」
スチューの膣内には、謎の植物が吐いた蜜液が未だ残ったままだ。そのせいでいきり立ったルンルンの男根を、容易に受け入れてしまった。
入ったことは入ったのだが――。ルンルンのそれは、非常識なほどの大きさであった。特に、スチューにとっては。
「いた、痛い……!」
激痛に息が詰まり、目の前に星が飛ぶ。苦しんでいるスチューに遠慮なく、ルンルンは己を根本まで収めてしまうと、深い溜め息をついた。
「ああ……気持ちいい。やっぱ愛のあるセックスっていいわあ! 久しぶりに感じちゃう」
「貴様……っ! あいなんてないのに……っ!」
ルンルンは繋がったまま、スチューの体を持ち上げると、あぐらをかいた自分の膝の上に乗せた。互いに向かい合ったところで、スチューがボロボロ涙をこぼす。
「は、初めてだったのに……っ! こんなの、こんなの、ひどい……っ!」
「あら」
スチューの怒りの訴えにルンルンは目を丸くしたが、悪びれる様子もなく、にんまりと笑った。
「アタシあんまりそういう、女の膜のあるなしにこだわるタイプじゃないんだけど、嬉しいものねえ。あら、そうなの~? アタシが、あんたの初めての男なの~?」
こちらの痛みと悲しみをよそに、デレデレ嬉しそうな魔法使いに、スチューは殺意を抱いた。
「もうやだ! 離せ!」
「だから、これは報酬の前払いだって言ったじゃない。アタシを連れてくって言うなら、頑張って耐えなさい。それがあんたのお仕事でしょ?」
「うっ、うう……っ」
やめる気はないようだが、それでも挿入の角度を浅く変え、腰の動きを弱めて、ルンルンはスチューに何度も口づけた。
「ね、そういえばあんた、名前、なんていうの?」
間抜けな話だが、スチューはまだルンルンに名乗っていなかった。
「す、スチュー。スチュー・ギルバイト……」
しゃくり上げながら、スチューは自らの名を告げた。
「そう、凛々しい名前。あんたにぴったりね」
奇抜な化粧や服装やらにばかり気を取られていたが、まつ毛が当たるくらい近くで見る魔法使いは、目鼻立ちが整っていた。いかついが、彫りが深い。きちんと男の格好をすれば、さぞ女にモテるだろうに。だがそれは、言ってもしょうがないことだ。ルンルンは自分の生きる道を、決めているのだろうから。
唇を合わせながら、自分の体なのに知らなかった深いところまで貫かれて、揺すぶられて……。スチューは朦朧となった。
品の良い香水の――ルンルンはとてもいい匂いがする。彼の香りに包まれていると、破瓜の痛みは薄れて、熱ばかりが植えつけられていくようだ。
「ガチ惚れしたわ。ずーーーーーっと一緒よ、スチュー。愛してる」
ルンルンはスチューを抱きながら、なんの遠慮もなく、欲望を解き放った。
「なっ、な、な」
あまりに強く吸われていたから、唇が離れたときは、ぽんっと音が出そうだった。
スチューはあまりの衝撃に人語を話すこと叶わず、わなわなと震えている。
「あなたの指示に従うわ。王様だろうが魔王だろうが、あなたが会えと言うなら会う。ただし報酬は、前払いでいただくわ!」
なんだかよく分からないが、新たな災厄に見舞われる予感がする。スチューは一度は引っ込めた刃を構え直した。――が。
「うおりやああああああああッ!」
ルンルンはいきなり、自らの衣服を破り捨てた。物凄い力で裂かれたピンクの上等な生地の下から、レースに縁取られたトランクスが現れる。
――女ものの下着を履いてなくて、良かった……!
スチューは心から安堵した。そんなものを見せられた日には、きっと発狂し、なにをするか分からなかっただろうから。
しかしこれからなにが起こるのか、自分はなにに巻き込まれているのか。
「よいしょ」
戸惑うスチューの前で、ルンルンは最後の一枚をお上品に脱ぎ去る。そしてぴょんとカエルのように跳ね、スチューに飛びかかった。
「わっ、わああああああ! 来るなあああああ!」
手にした短刀で、刺し殺すのは容易い。が、この魔法使いは、王に召し出された重要人物なのだ。
――どうする!?
対応の仕方を一瞬迷ったせいで、スチューの動きは鈍り、結果ルンルンに押し倒されてしまった。
「はっ、離せ! 血迷ったか、ルンルン!」
スチューはじたばたと暴れる。唯一の武器である短刀はとっくに取り上げられ、遠くに投げ捨てられてしまった。
「失礼ね、アタシは至極正常よ! むしろビンビンに冴え渡ってる! ようやく運命の人に会えたってね! 堕ちたのは――アタシのほうだわ」
「うんめいのひと……だと……!?」
スチューに伸し掛かったルンルンは、興奮に爛々と光る目で演説を始めた。
「類まれなる胆力! 濁りない志! ――強い! あんたみたいな鋼の女を、アタシは探し求めていたの!」
「ひ、人違いだ! ジブンはそんな、大層なものじゃない!」
「あら、謙遜しないで!」
ドレスを着ていたときから察していたが、ルンルンの体は鎧のような筋肉に覆われていた。そんじょそこらの軍人では敵わないだろうほどの恵体である。スチューだって鍛えてはいたが、ルンルンの化け物じみた力で要所要所を抑え込まれてしまっては、どうやっても彼を跳ね除けることはできなかった。
「あ、あなたはそっち側の人では……!? だ、男性が好きなんじゃないのか!?」
「よく誤解されるんだけど、アタシ、根っからの女好きなの。好き過ぎて好き過ぎて、自分のスタイルも女に寄せちゃったってわけ」
真相を聞いて、スチューはキレた。
「紛らわしいことをすんなあああああッ!!!!!」
「ま、そんなわけだから」
片時もおとなしくせず、半狂乱で足掻くスチューの足首を掴み、針金のように楽々左右に開くと、ルンルンは彼女の中心に力強く腰を突き入れた。
「いっ……!」
スチューの膣内には、謎の植物が吐いた蜜液が未だ残ったままだ。そのせいでいきり立ったルンルンの男根を、容易に受け入れてしまった。
入ったことは入ったのだが――。ルンルンのそれは、非常識なほどの大きさであった。特に、スチューにとっては。
「いた、痛い……!」
激痛に息が詰まり、目の前に星が飛ぶ。苦しんでいるスチューに遠慮なく、ルンルンは己を根本まで収めてしまうと、深い溜め息をついた。
「ああ……気持ちいい。やっぱ愛のあるセックスっていいわあ! 久しぶりに感じちゃう」
「貴様……っ! あいなんてないのに……っ!」
ルンルンは繋がったまま、スチューの体を持ち上げると、あぐらをかいた自分の膝の上に乗せた。互いに向かい合ったところで、スチューがボロボロ涙をこぼす。
「は、初めてだったのに……っ! こんなの、こんなの、ひどい……っ!」
「あら」
スチューの怒りの訴えにルンルンは目を丸くしたが、悪びれる様子もなく、にんまりと笑った。
「アタシあんまりそういう、女の膜のあるなしにこだわるタイプじゃないんだけど、嬉しいものねえ。あら、そうなの~? アタシが、あんたの初めての男なの~?」
こちらの痛みと悲しみをよそに、デレデレ嬉しそうな魔法使いに、スチューは殺意を抱いた。
「もうやだ! 離せ!」
「だから、これは報酬の前払いだって言ったじゃない。アタシを連れてくって言うなら、頑張って耐えなさい。それがあんたのお仕事でしょ?」
「うっ、うう……っ」
やめる気はないようだが、それでも挿入の角度を浅く変え、腰の動きを弱めて、ルンルンはスチューに何度も口づけた。
「ね、そういえばあんた、名前、なんていうの?」
間抜けな話だが、スチューはまだルンルンに名乗っていなかった。
「す、スチュー。スチュー・ギルバイト……」
しゃくり上げながら、スチューは自らの名を告げた。
「そう、凛々しい名前。あんたにぴったりね」
奇抜な化粧や服装やらにばかり気を取られていたが、まつ毛が当たるくらい近くで見る魔法使いは、目鼻立ちが整っていた。いかついが、彫りが深い。きちんと男の格好をすれば、さぞ女にモテるだろうに。だがそれは、言ってもしょうがないことだ。ルンルンは自分の生きる道を、決めているのだろうから。
唇を合わせながら、自分の体なのに知らなかった深いところまで貫かれて、揺すぶられて……。スチューは朦朧となった。
品の良い香水の――ルンルンはとてもいい匂いがする。彼の香りに包まれていると、破瓜の痛みは薄れて、熱ばかりが植えつけられていくようだ。
「ガチ惚れしたわ。ずーーーーーっと一緒よ、スチュー。愛してる」
ルンルンはスチューを抱きながら、なんの遠慮もなく、欲望を解き放った。
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