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6.金のウサギと銀のメガネ(完)
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言いたいことはたくさんあって、さて何からぶつけてやろうかとずっと考えていたのに、彼女と再会したその瞬間、全てが吹っ飛んでしまった。
「相変わらず陰険そうな顔してるわね、支配人」
久しぶりに会ったフロレンツィアの顔は、姿は、声は、美しかった。
――美しかったのだが。
高級娼館「黄金ウサギ」で一番の売れっ子娼婦が、ある日突然いなくなって、もう半年になる。
フロレンツィアが失踪した当時は、娼館の従業員一同、大いに驚き、慌てふためいたものだ。そして、客は嘆き、悲しみ――。まさに、阿鼻叫喚の様相を呈した。
そのような惨状の中、「黄金ウサギ」オーナーは店の皆を集め、言いづらそうにモゴモゴと説明したのだった。
「フロレンツィアは、勝手にドロンしたんじゃない。正式な手順に則り、店を辞めたんだ。実はもうニ、三ヶ月前から決まっていてね。僕は何度も引き止めたんだけど、どうしてもって言われてしまって……。それでね、このことはみんなには内緒にしておいてくれって、口止めされていたんだよ。ごめんねえ。でもフロレンツィアには随分世話になったし、そんな子にお願いされちゃったら、反古にもできなくて……」
ぷくぷくと肥えた丸い体を心なしかしぼませて、オーナーは頭を下げた。
つまり今回の退場劇は、全てフロレンツィアの固い意志によるもの。
――こうなればもう、誰もなにもできない。
フロレンツィアが消えてから数日後、ヘクターは寮の彼女の部屋を調べた。
すると室内のテーブルに手紙が置いてあり、そこには「大変お世話になりました。皆様のご厚情は忘れません」と書かれていた。そのほか、残されていたタンスにぎっしり詰まったドレスや、家具類についても、『お手数ですが、捨てるか、欲しい人がいたら貰ってください』と添えられていた。ちなみにそれらフロレンツィアの置き土産は、いずれも高級品だったため、ひとつ残らず引き取り手がついたのだが。
しかしヘクターは、フロレンツィアが残したものを、一切受け取らなかった。
彼女からはもう、大切な宝物を貰っているからだ。
――そうか……。
自室の引き出しから、フロレンツィアからの贈りものを――今は壊れてしまった銀ぶちのメガネを取り出し、ヘクターはしみじみ眺めた。
フロレンツィアは突発的に飛び出したわけでも、事件に巻き込まれたわけでもない。
彼女自身の希望により、計画的に、ここを出て行ったのだ。
――ヘクターには、なにも言わず。
「俺は、捨てられたんだな……」
自分で口にした言葉に、心を抉られてしまう。
情けないことに涙をこぼしそうになって、ヘクターは目頭を押さえた。
愛した女が煙のように掻き消えてしまったその日からの、ヘクター・オースティンの憔悴ぶりときたら、周りが見ていられないほどだった。
あまり眠っていないのか、目の下には分厚いクマを作り――。元々痩せていたのに、ますます体重を減らしたようで、風が吹けば飛ばされそうなほどペラペラになってしまった。
仕事こそ抜かりなくこなしているが、しかしヘクターは気を緩めればいつでも崩れ落ちそうな、危うさの中にいた。
彼を支えていた突っ張り棒のようなものが、抜き取られてしまったかのようだ。
ヘクターは、だが当初、「黄金ウサギ」を辞めるつもりでいた。「娼婦に手を出してはならない」という禁を破ったときからそう決めていたし、今は何よりフロレンツィアを探し出し、一言文句を言ってやりたい。
ところが退職を申し出たところ、オーナーから強く慰留されてしまったのだ。
フロレンツィアという看板娼婦を失ってしまった今、営業戦略を再考しなければならない。新しい娼婦だって入ってくるし、そういった女たちへの教育やサポートなど、これからどんどん忙しくなる。
そんな中、司令塔である支配人に辞められては、「黄金ウサギ」は立ちいかなくなってしまうだろう。だから、お願いだから……と、オーナーは悲壮感たっぷりにヘクターを説得した。
そう縋られてしまうと……。オーナーには恩があるし、十五年も勤めた店にだって愛着はあるし……。
変なところで義理堅いヘクターは、フロレンツィアを追いたいという自分の想いはひとまず押し留めて、しばらく店に残ることに決めた。
それからは激務の日々だった。苦労した甲斐もあって、最近はようやく店も持ち直してきたが、しかし売上は、フロレンツィアの在籍時より、二割減少したままだ。
「あの娼婦はやはり化けものだったのだ」と、彼女を知る従業員たちは苦笑いするしかなかった。
ところで、「忙しい日々は矢のごとく過ぎ去っていく」という。しかしヘクターの場合には、当てはまらなかった。
一日一日が長く感じられて、仕方がない。
フロレンツィアと会えない毎日には、何の楽しみも喜びもないのだ。
このまま一生を終えるくらいならば、例えどんな結末が待っていようとも、やはり彼女を探しに行くべきである。
「黄金ウサギ」には、もう自分がいなくても大丈夫。そろそろ辞表を出してもいいだろうと、ヘクターが改めて決意した、その日だった。
一通の手紙が届いたのは――。
出て行ったときと同じく唐突に、彼女からの手紙は届いた。
封筒に書かれた美しい文字を見たとき、ヘクターは心臓が止まりそうになった。
――フロレンツィアからだ。
『某月某日某時刻、下記の住所までお越しいただきたく』
手紙には、それだけしか書かれていなかった。――実に素っ気ない。
待ち合わせの場所に指定されたのは、繁華街の中心、誰もが知っている有名なショッピングストリートの一角だった。
約束のその日、ヘクターは休暇を取り、指示のあった場所へ足を運んだ。
通りには、名だたるブランドショップが建ち並んでいる。買いもの意欲が掻き立てられるウィンドウに目を奪われつつも進むと、工事中の店舗に辿り着いた。周囲を金色のシートで覆われ、貼り紙には派手なシートと真逆な真っ黒な文字で「出店準備中」、そして「フロレンツィア」と書かれている。
「フロレンツィア……!?」
消えた女と同じ名前だ。訝り、ヘクターは辺りをキョロキョロと見回すが、その他の情報はなにも掲示されていなかった。詳細をあえて明らかにせず、人々の関心を引く演出なのだろう。
――「来い」と言われたのは、どうやらここに間違いないようだ。
裏口に向かい、暇そうに立っていた警備員に用件を告げる。話は通っているらしく、あっさり店の中へと通された。
ベニヤ板の貼られた、頼りない踏み心地の廊下を歩き、突き当りのドアをノックする。返事はなかったが、先ほどの警備員にそこで待つように言われていたので、ノブを捻った。
扉の向こうは、小さな事務所になっていた。質素な机に椅子、そして一対の応接セットが置かれている。
恐る恐る、黒の合皮でできたソファに腰かけると、クッションが異様に柔らかくて、かえって座り心地が悪い。そのうえ、なんとなくカビ臭かった。
――本当にここ、フロレンツィアと関係ある店なのか……?
フロレンツィアらしくない、あまりにお粗末な家具に、疑惑が湧く。
油断すると、ずぶずぶとどこまでも沈んでいきそうなソファの上で、ヘクターが身を固くしていると、ようやく彼を呼び出したその人が現れた。
「おまたせ。よく来てくれたわね」
「!」
「相変わらず陰険そうな顔してるわね、支配人」
ドアを開け、入ってきた瞬間、部屋の空気が一変する。
――間違いなく、フロレンツィアだ。
溌剌としたその声に、今まで自分がしてきた心配と置いていかれた悲しみは何だったのかと腹が立ち、睨みつけ――。
ところが、ぶつけてやろうと思ったヘクターの言霊のつぶては、そこでさっと消えてしまった。
「相変わらず陰険そうな顔してるわね、支配人」
久しぶりに会ったフロレンツィアの顔は、姿は、声は、美しかった。
――美しかったのだが。
高級娼館「黄金ウサギ」で一番の売れっ子娼婦が、ある日突然いなくなって、もう半年になる。
フロレンツィアが失踪した当時は、娼館の従業員一同、大いに驚き、慌てふためいたものだ。そして、客は嘆き、悲しみ――。まさに、阿鼻叫喚の様相を呈した。
そのような惨状の中、「黄金ウサギ」オーナーは店の皆を集め、言いづらそうにモゴモゴと説明したのだった。
「フロレンツィアは、勝手にドロンしたんじゃない。正式な手順に則り、店を辞めたんだ。実はもうニ、三ヶ月前から決まっていてね。僕は何度も引き止めたんだけど、どうしてもって言われてしまって……。それでね、このことはみんなには内緒にしておいてくれって、口止めされていたんだよ。ごめんねえ。でもフロレンツィアには随分世話になったし、そんな子にお願いされちゃったら、反古にもできなくて……」
ぷくぷくと肥えた丸い体を心なしかしぼませて、オーナーは頭を下げた。
つまり今回の退場劇は、全てフロレンツィアの固い意志によるもの。
――こうなればもう、誰もなにもできない。
フロレンツィアが消えてから数日後、ヘクターは寮の彼女の部屋を調べた。
すると室内のテーブルに手紙が置いてあり、そこには「大変お世話になりました。皆様のご厚情は忘れません」と書かれていた。そのほか、残されていたタンスにぎっしり詰まったドレスや、家具類についても、『お手数ですが、捨てるか、欲しい人がいたら貰ってください』と添えられていた。ちなみにそれらフロレンツィアの置き土産は、いずれも高級品だったため、ひとつ残らず引き取り手がついたのだが。
しかしヘクターは、フロレンツィアが残したものを、一切受け取らなかった。
彼女からはもう、大切な宝物を貰っているからだ。
――そうか……。
自室の引き出しから、フロレンツィアからの贈りものを――今は壊れてしまった銀ぶちのメガネを取り出し、ヘクターはしみじみ眺めた。
フロレンツィアは突発的に飛び出したわけでも、事件に巻き込まれたわけでもない。
彼女自身の希望により、計画的に、ここを出て行ったのだ。
――ヘクターには、なにも言わず。
「俺は、捨てられたんだな……」
自分で口にした言葉に、心を抉られてしまう。
情けないことに涙をこぼしそうになって、ヘクターは目頭を押さえた。
愛した女が煙のように掻き消えてしまったその日からの、ヘクター・オースティンの憔悴ぶりときたら、周りが見ていられないほどだった。
あまり眠っていないのか、目の下には分厚いクマを作り――。元々痩せていたのに、ますます体重を減らしたようで、風が吹けば飛ばされそうなほどペラペラになってしまった。
仕事こそ抜かりなくこなしているが、しかしヘクターは気を緩めればいつでも崩れ落ちそうな、危うさの中にいた。
彼を支えていた突っ張り棒のようなものが、抜き取られてしまったかのようだ。
ヘクターは、だが当初、「黄金ウサギ」を辞めるつもりでいた。「娼婦に手を出してはならない」という禁を破ったときからそう決めていたし、今は何よりフロレンツィアを探し出し、一言文句を言ってやりたい。
ところが退職を申し出たところ、オーナーから強く慰留されてしまったのだ。
フロレンツィアという看板娼婦を失ってしまった今、営業戦略を再考しなければならない。新しい娼婦だって入ってくるし、そういった女たちへの教育やサポートなど、これからどんどん忙しくなる。
そんな中、司令塔である支配人に辞められては、「黄金ウサギ」は立ちいかなくなってしまうだろう。だから、お願いだから……と、オーナーは悲壮感たっぷりにヘクターを説得した。
そう縋られてしまうと……。オーナーには恩があるし、十五年も勤めた店にだって愛着はあるし……。
変なところで義理堅いヘクターは、フロレンツィアを追いたいという自分の想いはひとまず押し留めて、しばらく店に残ることに決めた。
それからは激務の日々だった。苦労した甲斐もあって、最近はようやく店も持ち直してきたが、しかし売上は、フロレンツィアの在籍時より、二割減少したままだ。
「あの娼婦はやはり化けものだったのだ」と、彼女を知る従業員たちは苦笑いするしかなかった。
ところで、「忙しい日々は矢のごとく過ぎ去っていく」という。しかしヘクターの場合には、当てはまらなかった。
一日一日が長く感じられて、仕方がない。
フロレンツィアと会えない毎日には、何の楽しみも喜びもないのだ。
このまま一生を終えるくらいならば、例えどんな結末が待っていようとも、やはり彼女を探しに行くべきである。
「黄金ウサギ」には、もう自分がいなくても大丈夫。そろそろ辞表を出してもいいだろうと、ヘクターが改めて決意した、その日だった。
一通の手紙が届いたのは――。
出て行ったときと同じく唐突に、彼女からの手紙は届いた。
封筒に書かれた美しい文字を見たとき、ヘクターは心臓が止まりそうになった。
――フロレンツィアからだ。
『某月某日某時刻、下記の住所までお越しいただきたく』
手紙には、それだけしか書かれていなかった。――実に素っ気ない。
待ち合わせの場所に指定されたのは、繁華街の中心、誰もが知っている有名なショッピングストリートの一角だった。
約束のその日、ヘクターは休暇を取り、指示のあった場所へ足を運んだ。
通りには、名だたるブランドショップが建ち並んでいる。買いもの意欲が掻き立てられるウィンドウに目を奪われつつも進むと、工事中の店舗に辿り着いた。周囲を金色のシートで覆われ、貼り紙には派手なシートと真逆な真っ黒な文字で「出店準備中」、そして「フロレンツィア」と書かれている。
「フロレンツィア……!?」
消えた女と同じ名前だ。訝り、ヘクターは辺りをキョロキョロと見回すが、その他の情報はなにも掲示されていなかった。詳細をあえて明らかにせず、人々の関心を引く演出なのだろう。
――「来い」と言われたのは、どうやらここに間違いないようだ。
裏口に向かい、暇そうに立っていた警備員に用件を告げる。話は通っているらしく、あっさり店の中へと通された。
ベニヤ板の貼られた、頼りない踏み心地の廊下を歩き、突き当りのドアをノックする。返事はなかったが、先ほどの警備員にそこで待つように言われていたので、ノブを捻った。
扉の向こうは、小さな事務所になっていた。質素な机に椅子、そして一対の応接セットが置かれている。
恐る恐る、黒の合皮でできたソファに腰かけると、クッションが異様に柔らかくて、かえって座り心地が悪い。そのうえ、なんとなくカビ臭かった。
――本当にここ、フロレンツィアと関係ある店なのか……?
フロレンツィアらしくない、あまりにお粗末な家具に、疑惑が湧く。
油断すると、ずぶずぶとどこまでも沈んでいきそうなソファの上で、ヘクターが身を固くしていると、ようやく彼を呼び出したその人が現れた。
「おまたせ。よく来てくれたわね」
「!」
「相変わらず陰険そうな顔してるわね、支配人」
ドアを開け、入ってきた瞬間、部屋の空気が一変する。
――間違いなく、フロレンツィアだ。
溌剌としたその声に、今まで自分がしてきた心配と置いていかれた悲しみは何だったのかと腹が立ち、睨みつけ――。
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