380 / 517
【191話】 店頭販売の勇者
しおりを挟む
リリア達はルーダ港に無事到着。
最近のルーダ・コートの街からルーダ港付近の事情
キャッスル・ルーダリアからポート・オブ・ルーダにはかなり無理をしないと1日で到着できないため、ストロングホールド・オブ・ルーダ・コート、つまりリリアの所属するルーダ・コートの街からルーダ港に出発する商人がほとんど。
事実上ルーダリア城からは王国の伝令騎兵クラスでないと一日では到達できない距離。
最近ではルーダリア海軍も発足するなど海からの貿易でルーダリア王国は好景気を迎えている。
リリアが最初にルーダ港に向かった街道の交通量は明らかに増えて、荷馬車一台のサイズも大きくなっている。
それに伴い賊も増えた。獲物が大きいので徒党を組んで組織的に襲うようになりちょっとした戦場と化す場合もある。
ルーダリアは最近、街道を整備して巡回兵を増やし場所によっては塀、駐屯地を建設。
安全な貿易ルートの確保が富国強兵への道と街道の安全確保に力を注ぐ。
最近商人の間ではルーダ港からルーダ・コートの街の街道をパール・ルートと呼ばれ始めた。
最初は道路と壁に使われるレンガにちなんでブリック・ロードと呼ばれていたが、商人が「土くれ等無価値だ」と縁起を担いだため貿易で扱われるパールとエメルディア城いっぱいに金銀財宝を貯め込んだドラゴン、パールザナークルスの伝説に由来させて、パール・ロードと呼ばれ始めているらしい。
たしかに夕暮れの中、カーベル峠に続く街道は龍が天を目指しているように見えなくもない。
「へー… 通る度に景色が様変わりするわねぇ… 凄いよね」リリアは馬車に乗り感心する。
ルーダ港に着いたコムラとホックは絶賛活動中。
紹介状を持ってリアルゴールドに挨拶に行った後、コムラはゴブリンを雇い地元とのサンプルを持って、港のドッグ、元締めを訪ねて商談に回っている。
ホックは商業区に馬車店舗を出して小売り商売と商談、リリアは用心棒+お店番といったところ。用心棒等と言っても物騒な物でもない。万引き防止、揺すりたかりに目を光らせている程度。
コムラとホックは代わる代わる店を空ける。コムラが商談相手を探して、ホックはマジックアイテム、武器、その他技術商品の品定め等をしているよう。
店頭販売は二の次で商人ギルドの人が来ると馬車の荷台や在庫を見せて熱心に商談をしている。
度々リリアが店頭のお客の相手をさせられる。
「こんなに頻繁に店を離れるならバイトさんを頼めば?」リリアが言う。
「リリアが勘定できるならそれで良いです。可能な限り資金を仕入れに使いたいので人件費は削減です」
コムラとしてはリリアが勝手に値引き売りしなければそれ良いようだ。
で、リリアは適当に店番用心棒兼店頭販売をやっている。
コムラ達からしたらリリアは不思議な娘だ。最初は自称勇者かと思ったが周囲の認識でも公認された勇者のようだ。リリア個人的には評判良いのだが、公人として“そういえばあいつ勇者だったか…”程度。取るに足らない村出身の娘だと思えば、大商人ギルドに顔がきいたり、実際に王宮に出入りするらしい。
フリート帝国では勇者といえば、王室付きのスーパーエリート。内政治安課のトップに位置し、大型の魔物討伐に組織を率い日々大活躍している。なんなら直接赴き少数精鋭でクエストをこなす分、王や戦争の英雄より身近で人気な存在。
それが、小さな商人ギルドの馬車に護衛として同乗し、出店で用心棒と店頭員をやっている。便利な人物ではあるが謎だらけである…
「はいはい、いらっしゃい、今日もあなたに神のご加護が… 挨拶が違うのか。とにかく買って行ってよ。全部フリート帝国から持ってきたプラムのお酒と砂糖漬けとその他諸々。それ?… 値引きするなって言われていて… あたしね、ただの雇われなの、勝手はできないの。 買うの?毎度あり!… 安く?だから勝手にディスカウントできないの。ここはディスカウントショップじゃないしね。そもそもディスカウントショップはすでにディスカウントされている物が売られてるからね。 何なの?あなたいちいちレストランで値段交渉する?しないでしょ?何で出店だと値切ろうとするのかしらね… わかったわよ、目方で10買ってくれるなら1個おまけよ。値引きするなって言ってたけどおまけするなとは言ってなかったから… じゃ2個… ダメよそれ以上は無し! それ以上だったらスリムで真面目そうな円筒の帽子被った青年かバイキング風の帽子をかぶったまん丸お髭のドワーフさんがいる時に戻ってきて交渉してよ。さよなら!… やっぱり買うの? あなた良い買い物したわね!よ!買い物上手! 気前が良いから大サービスよ!ルーダリア王国公認勇者のリリアちゃんの握手付きよ。あたしの仕事は国民の命と財産を守るのが仕事なの。今日はフリート国民の財産も守ってるの。国際派勇者リリア! え?… もっと安くしたら俺の財産も守れる?… うっふっふ…上手い事言うわね。お金払ったらとっとと消え失せてね。さようなら毎度あり」
背が高くスタイルが良く少し艶っぽいリリアは店頭に立つと適当に売れているようだ。
大して売れそうにないがそこそこ売れている… 不思議ちゃん…
何だかんだでリリアが店番をしていたら、その様子を見てコムラもホックも安心したのか結構店を空けて商談に回っている。
リリアが店頭に立っていたら巡回兵がやってきた。
「いらっしゃい、フリートからの輸入品よ。え?…お客じゃないの? これ?剣と弓よ… それにホウキよ… 販売員は武器を所持してはいけない?業務上異形威圧罪?販売法違反? あ!あたし販売員じゃないの、勇者… いや、まぁ冒険者だけど…勇者… 勇者リリアよ、ほら冒険者ギルド証… え?冒険者は販売員を出来ない? あたし販売員じゃないの、勇者。誰でも一緒?武器を所持して販売員をしたら威圧商法? いや、あの… あたし勇者だし… 勇者と冒険者はちょっと違うし… ってか大分違うはず… あたし用心棒だよ。今はお店番もしている状態。 用心棒で武器を持つなら販売するな?販売するなら武器を下せ?… だって皆護身用のナイフやダガーくらい持ってるよ… えぇ?あたし剣や弓に触れていた?… うーん…そうかなぁ… 癖かなぁ… わかったよ武器を下すよ…」
リリアは注意を受けた。確かに法律上商談の最中に武器を手にすると威力商談や威圧に当たる。弓を担ぎなおしたり剣を触る癖があるのだろう、注意を受けてしまった。
「なによ… 勇者なんだから武器は必要だよね…」ブツブツいいながら武器をしまっている。
「ホウキは持っていてもいいんでしょ!」リリアが巡回兵に言ったら
「そんな奴初めて見た。掃除道具は好きにしろ」と去っていった。
「俺は掃除道具かよ…」ダカットが呟いている。 いや、掃除道具だろ…
そんな感じで勇者リリアのお店番の時間は過ぎていく。
ルーダ港の商業区はものすごい賑わい。
コムラ達よそ者は本来城外で店を出さざるを得ないところをリリアの紹介でリアルゴールドから良い場所を保障してもらったようだ。
「リリア、ありがとう、店番助かったよ。少し休憩してきたらいいよ」
コムラが戻ってきてリリアに声をかけた。
「そ、じゃ、あたし港の見える長い階段でフルーツジュースでも飲んでるから」
リリアはポニーテールを振り振りしながら人込みに消えていった。
最近のルーダ・コートの街からルーダ港付近の事情
キャッスル・ルーダリアからポート・オブ・ルーダにはかなり無理をしないと1日で到着できないため、ストロングホールド・オブ・ルーダ・コート、つまりリリアの所属するルーダ・コートの街からルーダ港に出発する商人がほとんど。
事実上ルーダリア城からは王国の伝令騎兵クラスでないと一日では到達できない距離。
最近ではルーダリア海軍も発足するなど海からの貿易でルーダリア王国は好景気を迎えている。
リリアが最初にルーダ港に向かった街道の交通量は明らかに増えて、荷馬車一台のサイズも大きくなっている。
それに伴い賊も増えた。獲物が大きいので徒党を組んで組織的に襲うようになりちょっとした戦場と化す場合もある。
ルーダリアは最近、街道を整備して巡回兵を増やし場所によっては塀、駐屯地を建設。
安全な貿易ルートの確保が富国強兵への道と街道の安全確保に力を注ぐ。
最近商人の間ではルーダ港からルーダ・コートの街の街道をパール・ルートと呼ばれ始めた。
最初は道路と壁に使われるレンガにちなんでブリック・ロードと呼ばれていたが、商人が「土くれ等無価値だ」と縁起を担いだため貿易で扱われるパールとエメルディア城いっぱいに金銀財宝を貯め込んだドラゴン、パールザナークルスの伝説に由来させて、パール・ロードと呼ばれ始めているらしい。
たしかに夕暮れの中、カーベル峠に続く街道は龍が天を目指しているように見えなくもない。
「へー… 通る度に景色が様変わりするわねぇ… 凄いよね」リリアは馬車に乗り感心する。
ルーダ港に着いたコムラとホックは絶賛活動中。
紹介状を持ってリアルゴールドに挨拶に行った後、コムラはゴブリンを雇い地元とのサンプルを持って、港のドッグ、元締めを訪ねて商談に回っている。
ホックは商業区に馬車店舗を出して小売り商売と商談、リリアは用心棒+お店番といったところ。用心棒等と言っても物騒な物でもない。万引き防止、揺すりたかりに目を光らせている程度。
コムラとホックは代わる代わる店を空ける。コムラが商談相手を探して、ホックはマジックアイテム、武器、その他技術商品の品定め等をしているよう。
店頭販売は二の次で商人ギルドの人が来ると馬車の荷台や在庫を見せて熱心に商談をしている。
度々リリアが店頭のお客の相手をさせられる。
「こんなに頻繁に店を離れるならバイトさんを頼めば?」リリアが言う。
「リリアが勘定できるならそれで良いです。可能な限り資金を仕入れに使いたいので人件費は削減です」
コムラとしてはリリアが勝手に値引き売りしなければそれ良いようだ。
で、リリアは適当に店番用心棒兼店頭販売をやっている。
コムラ達からしたらリリアは不思議な娘だ。最初は自称勇者かと思ったが周囲の認識でも公認された勇者のようだ。リリア個人的には評判良いのだが、公人として“そういえばあいつ勇者だったか…”程度。取るに足らない村出身の娘だと思えば、大商人ギルドに顔がきいたり、実際に王宮に出入りするらしい。
フリート帝国では勇者といえば、王室付きのスーパーエリート。内政治安課のトップに位置し、大型の魔物討伐に組織を率い日々大活躍している。なんなら直接赴き少数精鋭でクエストをこなす分、王や戦争の英雄より身近で人気な存在。
それが、小さな商人ギルドの馬車に護衛として同乗し、出店で用心棒と店頭員をやっている。便利な人物ではあるが謎だらけである…
「はいはい、いらっしゃい、今日もあなたに神のご加護が… 挨拶が違うのか。とにかく買って行ってよ。全部フリート帝国から持ってきたプラムのお酒と砂糖漬けとその他諸々。それ?… 値引きするなって言われていて… あたしね、ただの雇われなの、勝手はできないの。 買うの?毎度あり!… 安く?だから勝手にディスカウントできないの。ここはディスカウントショップじゃないしね。そもそもディスカウントショップはすでにディスカウントされている物が売られてるからね。 何なの?あなたいちいちレストランで値段交渉する?しないでしょ?何で出店だと値切ろうとするのかしらね… わかったわよ、目方で10買ってくれるなら1個おまけよ。値引きするなって言ってたけどおまけするなとは言ってなかったから… じゃ2個… ダメよそれ以上は無し! それ以上だったらスリムで真面目そうな円筒の帽子被った青年かバイキング風の帽子をかぶったまん丸お髭のドワーフさんがいる時に戻ってきて交渉してよ。さよなら!… やっぱり買うの? あなた良い買い物したわね!よ!買い物上手! 気前が良いから大サービスよ!ルーダリア王国公認勇者のリリアちゃんの握手付きよ。あたしの仕事は国民の命と財産を守るのが仕事なの。今日はフリート国民の財産も守ってるの。国際派勇者リリア! え?… もっと安くしたら俺の財産も守れる?… うっふっふ…上手い事言うわね。お金払ったらとっとと消え失せてね。さようなら毎度あり」
背が高くスタイルが良く少し艶っぽいリリアは店頭に立つと適当に売れているようだ。
大して売れそうにないがそこそこ売れている… 不思議ちゃん…
何だかんだでリリアが店番をしていたら、その様子を見てコムラもホックも安心したのか結構店を空けて商談に回っている。
リリアが店頭に立っていたら巡回兵がやってきた。
「いらっしゃい、フリートからの輸入品よ。え?…お客じゃないの? これ?剣と弓よ… それにホウキよ… 販売員は武器を所持してはいけない?業務上異形威圧罪?販売法違反? あ!あたし販売員じゃないの、勇者… いや、まぁ冒険者だけど…勇者… 勇者リリアよ、ほら冒険者ギルド証… え?冒険者は販売員を出来ない? あたし販売員じゃないの、勇者。誰でも一緒?武器を所持して販売員をしたら威圧商法? いや、あの… あたし勇者だし… 勇者と冒険者はちょっと違うし… ってか大分違うはず… あたし用心棒だよ。今はお店番もしている状態。 用心棒で武器を持つなら販売するな?販売するなら武器を下せ?… だって皆護身用のナイフやダガーくらい持ってるよ… えぇ?あたし剣や弓に触れていた?… うーん…そうかなぁ… 癖かなぁ… わかったよ武器を下すよ…」
リリアは注意を受けた。確かに法律上商談の最中に武器を手にすると威力商談や威圧に当たる。弓を担ぎなおしたり剣を触る癖があるのだろう、注意を受けてしまった。
「なによ… 勇者なんだから武器は必要だよね…」ブツブツいいながら武器をしまっている。
「ホウキは持っていてもいいんでしょ!」リリアが巡回兵に言ったら
「そんな奴初めて見た。掃除道具は好きにしろ」と去っていった。
「俺は掃除道具かよ…」ダカットが呟いている。 いや、掃除道具だろ…
そんな感じで勇者リリアのお店番の時間は過ぎていく。
ルーダ港の商業区はものすごい賑わい。
コムラ達よそ者は本来城外で店を出さざるを得ないところをリリアの紹介でリアルゴールドから良い場所を保障してもらったようだ。
「リリア、ありがとう、店番助かったよ。少し休憩してきたらいいよ」
コムラが戻ってきてリリアに声をかけた。
「そ、じゃ、あたし港の見える長い階段でフルーツジュースでも飲んでるから」
リリアはポニーテールを振り振りしながら人込みに消えていった。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


『忘れられた公爵家』の令嬢がその美貌を存分に発揮した3ヶ月
りょう。
ファンタジー
貴族達の中で『忘れられた公爵家』と言われるハイトランデ公爵家の娘セスティーナは、とんでもない美貌の持ち主だった。
1話だいたい1500字くらいを想定してます。
1話ごとにスポットが当たる場面が変わります。
更新は不定期。
完成後に完全修正した内容を小説家になろうに投稿予定です。
恋愛とファンタジーの中間のような話です。
主人公ががっつり恋愛をする話ではありませんのでご注意ください。

婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……
こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。
女神様の使い、5歳からやってます
めのめむし
ファンタジー
小桜美羽は5歳の幼女。辛い境遇の中でも、最愛の母親と妹と共に明るく生きていたが、ある日母を事故で失い、父親に放置されてしまう。絶望の淵で餓死寸前だった美羽は、異世界の女神レスフィーナに救われる。
「あなたには私の世界で生きる力を身につけやすくするから、それを使って楽しく生きなさい。それで……私のお友達になってちょうだい」
女神から神気の力を授かった美羽は、女神と同じ色の桜色の髪と瞳を手に入れ、魔法生物のきんちゃんと共に新たな世界での冒険に旅立つ。しかし、転移先で男性が襲われているのを目の当たりにし、街がゴブリンの集団に襲われていることに気づく。「大人の男……怖い」と呟きながらも、ゴブリンと戦うか、逃げるか——。いきなり厳しい世界に送られた美羽の運命はいかに?
優しさと試練が待ち受ける、幼い少女の異世界ファンタジー、開幕!
基本、ほのぼの系ですので進行は遅いですが、着実に進んでいきます。
戦闘描写ばかり望む方はご注意ください。
転生して貴族になったけど、与えられたのは瑕疵物件で有名な領地だった件
桜月雪兎
ファンタジー
神様のドジによって人生を終幕してしまった七瀬結希。
神様からお詫びとしていくつかのスキルを貰い、転生したのはなんと貴族の三男坊ユキルディス・フォン・アルフレッドだった。
しかし、家族とはあまり折り合いが良くなく、成人したらさっさと追い出された。
ユキルディスが唯一信頼している従者アルフォンス・グレイルのみを連れて、追い出された先は国内で有名な瑕疵物件であるユンゲート領だった。
ユキルディスはユキルディス・フォン・ユンゲートとして開拓から始まる物語だ。

婚約破棄を申し込まれたので、ちょっと仕返ししてみることにしました。
夢草 蝶
恋愛
婚約破棄を申し込まれた令嬢・サトレア。
しかし、その理由とその時の婚約者の物言いに腹が立ったので、ちょっと仕返ししてみることにした。

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる