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【96話】 年明けのリリア
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約束通り年末前に古の勇者の旅から戻ったリリア。
帰ったその日はリリア達四人とルーダの風メンバーで祝杯。
ペコとアリスは自分のギルドに戻り仕事に復帰。
オフェリアは数日リリアの部屋に泊まり、周遊してパウロ・コートに帰って行った。
リリアは…
オフェリアと数日、骨休みがてらノンビリ休息。
その後数日、お土産を持ってウッソ村に帰郷してきた。
リリアは年が変わるまでボチボチ… と思っていたが意外にそうはいかなかった。
リリアが街に戻って来たと知ったら仕事の依頼が入ってきた。
リリアの年末・年始はこんな感じ
・頼まれごと、仕事の依頼をこなす
・リアルゴールドとハンズマンの年末会に呼ばれる
・ルーダ・コートの街の太守に年末、年始の挨拶と新年祝典
・ルーダリア王国で年始の挨拶と新年祝典
・ローゼンに頼まれていた準士官学校を終了
年始までグダっている予定だったリリア。馴染みから狩り、採取を中心に「リリアが戻るの待ってたよ」と声がかかる。
勇者の肩書があるので式関係に出席させられる。移動、滞在、面倒くさい、が初めての経験で面白くもある。
ギルド査定が行われ、冒険者ギルド・ルーダの風は存続決定。
リリアの成績がギルド存続を繋ぎとめる。
※リリアの歴701年スコアシート
リリア 魔物退治、人名救助、拠点防衛、その他治安維持と有益な活動
合計 155pts(ランカシム砦の功績とフリート帝国の活動は除く)
ルーダ・コートに居る130人の冒険者ギルメン中80位
「何なのこれ?あんだけ退治してこれだけ?」リリアがスコアシートを見て不満の声を漏らす。
「スコアに換算されるのは中型以上の魔物からですからね。でも、幽霊ギルメンや私やネーコ達のように、バースタッフやサポート活動しかしていないメンバーを考慮しても冒険者ギルドに所属して半年のリリアが80位なかなかの物ですよ」
「ペコは40位… アリスは50位タイ… あたし、絶対来年は39位になる」
式典関係に出席し、評議会の決定も聞かされた。
ルーダリア王国宮中内の空気が変わった。フリート帝国からマンティコア、ドラゴン・リザード退治のお礼が届いたらしく、ちょっとエア勇者からそよ風勇者的になった。ありがたいが、宮中の扱いはリリアにとってくすぐったい感じ。
評議会でも評判は上がったようだが、全裸事件が足を引っ張り給料は来年まで据え置き。条件付きで勇者活動による金銭負担は後日充当とされた。
「無給?どういう事よ!裸になったくらいで大騒ぎして!評議員だって娼館で遊んだりするでしょ?リリアは裸にされただけよ!アクシデント!何かあたしが脱ぎ散らかしたような言い方して!」リリアが勇者管理室のディルに詰め寄る。
「評議の決定ですから。それより今夜はピエンと三人で新年会です」淡々としているディル。
「勇者管理室ももっと何とかしなさいよ!リリアが存在しているから仕事になってるんでしょ?共存共栄助けなさいよ!」
「勇者家系は他にもおりますから…」ディルの言い方に腹を立てるリリア。
準士官学校に短期入学。
ここを卒業しておけば、戦争でもローゼンの部隊で準士官が出来る。同じような境遇の形だけ入学者ばかりで、難なく卒業。
これで狙撃手が務められる形が整った。
街中は新年っぽい雰囲気も薄れてきた頃…
リリアはざっくり数え年で18歳。歴702年。
街中は少し肌寒く透明感のある天気。大人は忙しぶって通りを行き交い、子供達は忙しく騒いでいる。
「コトロ、買い物終了ならバーに戻ってリリアちゃんがアンチョビとキノコのパスタをお昼に用意よ」
買い物を抱え、リリア、コトロ、ラビ、ネーコが買い物から戻って来た。
「リリたん、今度の旅で新料理覚えたニャン」
「アンチョビだなんて今までと一味違うピョン」
「オフェリアとアリスの料理を見て盗んだのよ… 技術は見て盗め… ね」リリアがニコニコしている。
「… 味は教わって習うべきニャン…」ネーコもニコニコしている。
「どんな物でも残さず食べるピョン」もちろんラビもニコニコ。
「期待してよ!オフェリアが作ってくれたの美味しかったんだから!」
「あれ、何ですかね?」コトロが足を止める。
一同通りで足を止めた。
見るとバー・ルーダの風の前にちょっとした人だかりが出来ている。
「なんだろうね…」
リリア達が人垣を抜け店に近づく。馬車がバーの前に停まっている。立派な馬車。
「そこ、駐禁ですよ」リリアがバーのドア前で、これまた立派な身なりの兵士に注意する。身分からすると相当高い身分の兵士… だが、駐禁は駐禁。
「大変失礼しました。勇者リリア様、ルーダリア国王の命の元お迎えに参りました。ご準備が整い次第馬車にご乗車をお願いします」
厳つい全身鎧の兵士を従えた髭の執務服の男が落ち着いた様子でリリアに声をかけた。シルバーとグレイの鎧が鈍く光り、王家の紋章が揺らめく。
コトロ達と野次馬がリリアの顔を見る。
「… あ、あたしですか? あたし、ただの公認勇者ですけど…」
面食らうリリア。
「勇者リリア様、ルーダリア国王がご指名です」
髭がはっきりと答える。
帰ったその日はリリア達四人とルーダの風メンバーで祝杯。
ペコとアリスは自分のギルドに戻り仕事に復帰。
オフェリアは数日リリアの部屋に泊まり、周遊してパウロ・コートに帰って行った。
リリアは…
オフェリアと数日、骨休みがてらノンビリ休息。
その後数日、お土産を持ってウッソ村に帰郷してきた。
リリアは年が変わるまでボチボチ… と思っていたが意外にそうはいかなかった。
リリアが街に戻って来たと知ったら仕事の依頼が入ってきた。
リリアの年末・年始はこんな感じ
・頼まれごと、仕事の依頼をこなす
・リアルゴールドとハンズマンの年末会に呼ばれる
・ルーダ・コートの街の太守に年末、年始の挨拶と新年祝典
・ルーダリア王国で年始の挨拶と新年祝典
・ローゼンに頼まれていた準士官学校を終了
年始までグダっている予定だったリリア。馴染みから狩り、採取を中心に「リリアが戻るの待ってたよ」と声がかかる。
勇者の肩書があるので式関係に出席させられる。移動、滞在、面倒くさい、が初めての経験で面白くもある。
ギルド査定が行われ、冒険者ギルド・ルーダの風は存続決定。
リリアの成績がギルド存続を繋ぎとめる。
※リリアの歴701年スコアシート
リリア 魔物退治、人名救助、拠点防衛、その他治安維持と有益な活動
合計 155pts(ランカシム砦の功績とフリート帝国の活動は除く)
ルーダ・コートに居る130人の冒険者ギルメン中80位
「何なのこれ?あんだけ退治してこれだけ?」リリアがスコアシートを見て不満の声を漏らす。
「スコアに換算されるのは中型以上の魔物からですからね。でも、幽霊ギルメンや私やネーコ達のように、バースタッフやサポート活動しかしていないメンバーを考慮しても冒険者ギルドに所属して半年のリリアが80位なかなかの物ですよ」
「ペコは40位… アリスは50位タイ… あたし、絶対来年は39位になる」
式典関係に出席し、評議会の決定も聞かされた。
ルーダリア王国宮中内の空気が変わった。フリート帝国からマンティコア、ドラゴン・リザード退治のお礼が届いたらしく、ちょっとエア勇者からそよ風勇者的になった。ありがたいが、宮中の扱いはリリアにとってくすぐったい感じ。
評議会でも評判は上がったようだが、全裸事件が足を引っ張り給料は来年まで据え置き。条件付きで勇者活動による金銭負担は後日充当とされた。
「無給?どういう事よ!裸になったくらいで大騒ぎして!評議員だって娼館で遊んだりするでしょ?リリアは裸にされただけよ!アクシデント!何かあたしが脱ぎ散らかしたような言い方して!」リリアが勇者管理室のディルに詰め寄る。
「評議の決定ですから。それより今夜はピエンと三人で新年会です」淡々としているディル。
「勇者管理室ももっと何とかしなさいよ!リリアが存在しているから仕事になってるんでしょ?共存共栄助けなさいよ!」
「勇者家系は他にもおりますから…」ディルの言い方に腹を立てるリリア。
準士官学校に短期入学。
ここを卒業しておけば、戦争でもローゼンの部隊で準士官が出来る。同じような境遇の形だけ入学者ばかりで、難なく卒業。
これで狙撃手が務められる形が整った。
街中は新年っぽい雰囲気も薄れてきた頃…
リリアはざっくり数え年で18歳。歴702年。
街中は少し肌寒く透明感のある天気。大人は忙しぶって通りを行き交い、子供達は忙しく騒いでいる。
「コトロ、買い物終了ならバーに戻ってリリアちゃんがアンチョビとキノコのパスタをお昼に用意よ」
買い物を抱え、リリア、コトロ、ラビ、ネーコが買い物から戻って来た。
「リリたん、今度の旅で新料理覚えたニャン」
「アンチョビだなんて今までと一味違うピョン」
「オフェリアとアリスの料理を見て盗んだのよ… 技術は見て盗め… ね」リリアがニコニコしている。
「… 味は教わって習うべきニャン…」ネーコもニコニコしている。
「どんな物でも残さず食べるピョン」もちろんラビもニコニコ。
「期待してよ!オフェリアが作ってくれたの美味しかったんだから!」
「あれ、何ですかね?」コトロが足を止める。
一同通りで足を止めた。
見るとバー・ルーダの風の前にちょっとした人だかりが出来ている。
「なんだろうね…」
リリア達が人垣を抜け店に近づく。馬車がバーの前に停まっている。立派な馬車。
「そこ、駐禁ですよ」リリアがバーのドア前で、これまた立派な身なりの兵士に注意する。身分からすると相当高い身分の兵士… だが、駐禁は駐禁。
「大変失礼しました。勇者リリア様、ルーダリア国王の命の元お迎えに参りました。ご準備が整い次第馬車にご乗車をお願いします」
厳つい全身鎧の兵士を従えた髭の執務服の男が落ち着いた様子でリリアに声をかけた。シルバーとグレイの鎧が鈍く光り、王家の紋章が揺らめく。
コトロ達と野次馬がリリアの顔を見る。
「… あ、あたしですか? あたし、ただの公認勇者ですけど…」
面食らうリリア。
「勇者リリア様、ルーダリア国王がご指名です」
髭がはっきりと答える。
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