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【85話】 やっぱり勇者の子
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リリア達は伝説の勇者ゆかりの大教会に来ている。
大聖堂を見学し、勇者と仲間達のお墓参りもすませた、いきなりあっさり大きな目標を叶えた形。だが、勇者達は帝都の見渡せる丘にも祭られているそうだ。
今は大教会の大司祭の部屋に通されている。
リリア達の今朝からの行動
宿で朝食を取って王宮のゲートに行く
ルーダリアから勇者の子孫が来たからフリート国の勇者に面会したいとリリアが門番に交渉。オフェリア達はちょっと離れた場所で見守る。
「あたし、本当に本物の勇者よ、本当にルーダリア公認の勇者よ!」政治的に微妙な時期にリリアは「本当に」「本物」を連呼して訴えている。
本物が「本当に本物」等と力説しないのではないか。うさん臭くみえる…
オフェリアは、ハラハラ… ペコとアリスは何かあったらすぐ逃げられるように展開を見守る。
門番も面食らっていたが、ここでは「勇者」という言葉にはかなり付加価値があるらしく、力説するリリアのために庁舎に行って話をするようにと言われた。
庁舎に行く
リリアは庁舎でも「本当に本物」を力説。ここでも驚かれたが、何だか担当者なる人が出て来てくれた。結構待たされた。
再び自分がいかに「本当に本物のリアルリリア」か力説。
「本当に本物」かどうかはさておき、有名人でもないリリアがリアルリリアかどうかの力説が必要か不明…
すると担当者が「遠路遥々ようこそ、ついて来てください」と伝説の勇者ミュージアムに連れてってくれた。何だか話が通ったようだ…
勇者ミュージアム
とりあえず見学。担当者が色々リリア達に説明してくれる。伝説の鎧、剣、仲間達の装備と所持品、古戦場歴、ドロップドアイテム等様々な展示品を見学。
「伝説の竜巻のマジックワンドすごい!」
「伝説の鎧より、紺碧の鎧の方がデザインいいわね」
「初期装備の伝説のこん棒ね!そう言われると… 棒っ切れもありがたく見える」
オフェリアに肩を突かれるリリア「え?何?」
「これがドラゴンの峰から取って来た竜の鱗かぁ」
「これ、サラマンダーがドロップしたファイアーサファイアね」
「あ!祈りのクリスタルだ!これって結局アーザメルの教会から勝手に持ち出したってやつよね」
オフェリアに肩を突かれるリリア「え?何?なに?」
特別に非展示品の呪いのアイテムも見せてもらった。
「あぁ、恨みの大剣!確かクエスト中に依頼主が死亡しちゃったけど、性能良いからって解呪せず家族に内緒にして振り回していたんでしょ」
オフェリアに突かれる「え?え?何?なに?」
とにかく、一通り見学したら館長に会えた。代々勇者の子孫が館長を務めるらしい。
館長が資料をいっぱい出して来て、今度は勇者ゆかりの大教会に行くと言う。
で、リリア達は勇者ゆかりの大教会で大司祭の部屋に通された。
大司祭は代々、勇者の仲間だったプリーストの子孫が継ぐらしい。
館長と大司祭、担当者、リリア達四人が装飾の立派な部屋にいる。背が高くフカフカの椅子、大きくがっしりと構えるテーブル。
館長が持って来た書類を広げる。
「リリア殿はルーダリア出身の勇者家系なのですね。シルド家… お爺様、曾お爺様のお名前等、可能な限り遡って教えてもらえますか?」館長と大司祭が書類を覗き込む。
リリアも覗き込むと、どうやら家系図のようだ。家系の裾が広がっていて、よく調べているものだと感心する。
「えっと… お爺さんの名前は… 曾お爺さんは確か…」リリアが告げる。
「ルーダリアのシルド家ならこの辺… おぉ!あったあった!ありましたぞリリア殿」」
リリアが家系図を覗くと、すごく端の方を指さしている。
「…… 曾お爺さんの名前だけですよ?」リリアが首を傾げる。
「いやいや、今までのお話でリリア殿が勇者の子孫である事は間違いないと思います。全部完全に書き込まれているわけではありませんので、これでリリア殿のお爺様とお父上まで資料が作れます」
資料ではかなり端っこの方だが指で辿ると確かに自分は勇者の子孫だ。
実際ガウから耳にタコが出来るほど聞かされ周りから嫌と言うほど意識させられ、疑った事も無く育ったが、こうやって資料を見ると不思議な実感が沸いてくる。
因みにオフェリアも実際に子孫だと家系図が証明してくれた。リリアより少し中央に寄っている。
「勇者リリア殿、オフェリア殿、フリート国にようこそ!」
リリアとオフェリアが家系図から顔を上げると館長、大司祭と担当者が改めて挨拶してくれた。リリアとオフェリアは照れがらも感動。
「へぇ、本当だったのね」ペコとアリスが笑っている。
この後、再確認して大司祭の指示と呪文でリリア、オフェリアが家系図に手をかざすと、二人の名前と家系が焼き刻まれた。刻まれる時の音が心地よい。二人共本物ということだそうだ。
リリアの希望で勇者の家系に会えるように調整をしてくれることになった。
実は、ミュージアムの館長等会えているのだが、リリアの中のイメージは剣を帯び国民のために魔物と戦う勇者なのだろう。
会えるようになるまで数日かかるらしいのでリリア達は伝説の勇者ゆかりの地を巡る予定。
「今日はありがとうございました」と部屋を出ようとするリリア達。
リリアがふと足を止めて大司祭に質問した。
「伝説の勇者って、プリーストとあれだけ苦楽をともに旅して結局プリンセスと結婚しちゃいましたけど、あれって何だったんですか?…… え?何?なに?なんなの?」
リリアはオフェリアに引っ張られながら部屋を出て行った。
大聖堂を見学し、勇者と仲間達のお墓参りもすませた、いきなりあっさり大きな目標を叶えた形。だが、勇者達は帝都の見渡せる丘にも祭られているそうだ。
今は大教会の大司祭の部屋に通されている。
リリア達の今朝からの行動
宿で朝食を取って王宮のゲートに行く
ルーダリアから勇者の子孫が来たからフリート国の勇者に面会したいとリリアが門番に交渉。オフェリア達はちょっと離れた場所で見守る。
「あたし、本当に本物の勇者よ、本当にルーダリア公認の勇者よ!」政治的に微妙な時期にリリアは「本当に」「本物」を連呼して訴えている。
本物が「本当に本物」等と力説しないのではないか。うさん臭くみえる…
オフェリアは、ハラハラ… ペコとアリスは何かあったらすぐ逃げられるように展開を見守る。
門番も面食らっていたが、ここでは「勇者」という言葉にはかなり付加価値があるらしく、力説するリリアのために庁舎に行って話をするようにと言われた。
庁舎に行く
リリアは庁舎でも「本当に本物」を力説。ここでも驚かれたが、何だか担当者なる人が出て来てくれた。結構待たされた。
再び自分がいかに「本当に本物のリアルリリア」か力説。
「本当に本物」かどうかはさておき、有名人でもないリリアがリアルリリアかどうかの力説が必要か不明…
すると担当者が「遠路遥々ようこそ、ついて来てください」と伝説の勇者ミュージアムに連れてってくれた。何だか話が通ったようだ…
勇者ミュージアム
とりあえず見学。担当者が色々リリア達に説明してくれる。伝説の鎧、剣、仲間達の装備と所持品、古戦場歴、ドロップドアイテム等様々な展示品を見学。
「伝説の竜巻のマジックワンドすごい!」
「伝説の鎧より、紺碧の鎧の方がデザインいいわね」
「初期装備の伝説のこん棒ね!そう言われると… 棒っ切れもありがたく見える」
オフェリアに肩を突かれるリリア「え?何?」
「これがドラゴンの峰から取って来た竜の鱗かぁ」
「これ、サラマンダーがドロップしたファイアーサファイアね」
「あ!祈りのクリスタルだ!これって結局アーザメルの教会から勝手に持ち出したってやつよね」
オフェリアに肩を突かれるリリア「え?何?なに?」
特別に非展示品の呪いのアイテムも見せてもらった。
「あぁ、恨みの大剣!確かクエスト中に依頼主が死亡しちゃったけど、性能良いからって解呪せず家族に内緒にして振り回していたんでしょ」
オフェリアに突かれる「え?え?何?なに?」
とにかく、一通り見学したら館長に会えた。代々勇者の子孫が館長を務めるらしい。
館長が資料をいっぱい出して来て、今度は勇者ゆかりの大教会に行くと言う。
で、リリア達は勇者ゆかりの大教会で大司祭の部屋に通された。
大司祭は代々、勇者の仲間だったプリーストの子孫が継ぐらしい。
館長と大司祭、担当者、リリア達四人が装飾の立派な部屋にいる。背が高くフカフカの椅子、大きくがっしりと構えるテーブル。
館長が持って来た書類を広げる。
「リリア殿はルーダリア出身の勇者家系なのですね。シルド家… お爺様、曾お爺様のお名前等、可能な限り遡って教えてもらえますか?」館長と大司祭が書類を覗き込む。
リリアも覗き込むと、どうやら家系図のようだ。家系の裾が広がっていて、よく調べているものだと感心する。
「えっと… お爺さんの名前は… 曾お爺さんは確か…」リリアが告げる。
「ルーダリアのシルド家ならこの辺… おぉ!あったあった!ありましたぞリリア殿」」
リリアが家系図を覗くと、すごく端の方を指さしている。
「…… 曾お爺さんの名前だけですよ?」リリアが首を傾げる。
「いやいや、今までのお話でリリア殿が勇者の子孫である事は間違いないと思います。全部完全に書き込まれているわけではありませんので、これでリリア殿のお爺様とお父上まで資料が作れます」
資料ではかなり端っこの方だが指で辿ると確かに自分は勇者の子孫だ。
実際ガウから耳にタコが出来るほど聞かされ周りから嫌と言うほど意識させられ、疑った事も無く育ったが、こうやって資料を見ると不思議な実感が沸いてくる。
因みにオフェリアも実際に子孫だと家系図が証明してくれた。リリアより少し中央に寄っている。
「勇者リリア殿、オフェリア殿、フリート国にようこそ!」
リリアとオフェリアが家系図から顔を上げると館長、大司祭と担当者が改めて挨拶してくれた。リリアとオフェリアは照れがらも感動。
「へぇ、本当だったのね」ペコとアリスが笑っている。
この後、再確認して大司祭の指示と呪文でリリア、オフェリアが家系図に手をかざすと、二人の名前と家系が焼き刻まれた。刻まれる時の音が心地よい。二人共本物ということだそうだ。
リリアの希望で勇者の家系に会えるように調整をしてくれることになった。
実は、ミュージアムの館長等会えているのだが、リリアの中のイメージは剣を帯び国民のために魔物と戦う勇者なのだろう。
会えるようになるまで数日かかるらしいのでリリア達は伝説の勇者ゆかりの地を巡る予定。
「今日はありがとうございました」と部屋を出ようとするリリア達。
リリアがふと足を止めて大司祭に質問した。
「伝説の勇者って、プリーストとあれだけ苦楽をともに旅して結局プリンセスと結婚しちゃいましたけど、あれって何だったんですか?…… え?何?なに?なんなの?」
リリアはオフェリアに引っ張られながら部屋を出て行った。
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