27 / 517
【14話】 リリアの体験入ギルド
しおりを挟む
リリアの体験入ギルドの始まり、始まり…
リリア、猫人の娘、兎人の娘、三人は街角でギルメンの呼び込みをしていた。
なんでこれが体験入ギルドなのかとリリアは不満に思う。
説明によるとこれもギルドの仕事を体験する一環らしい。新人はどの道、勧誘、掃除、洗濯、料理、お使い等の雑用を行い、その過程が終わると、武器、道具運び、組み立て、解体、運搬、馬車手等を手伝う。トレジャーハンティング等の戦力として外に出られるようになるまでは1年近く下積みがあるらしい。
「1年間下積み?」とリリアが驚いて聞き返すと
「見知らぬ街で食事が出来て、ベッドに寝られるのは誰かが用意しくれるからだろう」と言われた。確かにそうなのだろうが…
リリアが説明を受けている間に3泊4日ダンジョン体験入ギルドの一行が出かけていくので自分もあっちに参加したいと言ったら、あれは有料体験で定員いっぱいだと言われた。
とにかく、ユニフォームに着替えて集合と言うから着替えて説明を受けて今、路上に立っているわけだ。
「リリたん、それお似合いだニャン」猫耳娘が言う。
「リリたん、それ可愛いピョン」うさ耳娘も続ける。
この二人もリリアと同じ体験入ギルドらしい。猫耳の名はネーコ。うさ耳はラビだそうだ。なんかちょっと手抜き感がある名前。二人とも小柄でメイド服を着てリリアと一緒に街角勧誘をしている。まさに絵に描いたような猫耳とうさ耳だ。絵に描いた様な猫耳娘とうさ耳娘なのだから、これ以上の説明は必要なさそうだ。
「リリたん、それはゴスロリにゃん」
「違うピョン、それは明るい色だから甘ロリぴょん」二人が言う。
リリアはメイド服の二人と違って、ドピンクのフワッフワのヒラッヒラな服装だ。
ユニフォームに着替えろというから貰いにいくとメイド服が全部貸し出し中でリリアだけゴスロリ服だというのだ。リリアにはゴスロリが何なのかわからなかったが、“ゴス”と言う響きからメイド服より勇ましく、冒険者に相応しそうだと思ったらこのありさまだ。この格好で一体何の勧誘なのだろうか?
小柄なうさ耳、猫耳と長身の胸デカの三人がコスプレして勧誘するのだから、アクシデントのオンパレードだ。町行く人にいかがわしい勧誘と思われるのは当たり前、衛兵に違法地区活動だ、営業許可書を出せとか補導されかける。無駄な試練の連続。
リリアは背が高い上に、変に底が高いブーツを履かせられて、さらに長身に見える。背が高く、胸のデカいやつがピンクのフワフワを着てウロウロしているので、無駄に大衆の興味を引き付けてやまない。
先ほどなどは、細身で長身が特徴のエルフ族の男性にエルフ語で話しかけられた。
もちらん、リリアはエルフ語等話せないのでキョトンとしていると
「君、エルフなのにエルフ語話せないの?どこ地方の子?ハーフ?」っと言われた。
このギルドに入るとしばらくはこんな日々が続くのだろうか?リリアはとっても心配だ。
それはさておき、リリアには悔しいことがある。隣にいるニャンとピョンは結構やり手なのだ。しきりに「ニャン」と「ピョン」を語尾につけては「ご主人様」だの「おかえりなさいませ」だの言葉巧みに男性客を店内に誘う。二人とも大きな瞳と、耳、しっぽで巧みに感情を表現し、男のハートに揺さぶりをかける。リリアが見ていても反則級に可愛らしい。
ピョンは「フワピョコしっぽにつかまりながら店内ご案内」と男を店内に引っ張り込む。
ニャンは「肉球手つなぎのまま店内ご案内」と男達を魅了する。なんか段々ギルメン達のリリアへの扱いに差が出て来た感じがある。
“こうなったら最終手段。こっちには胸とお尻があるのよ。しっぽより肉球より男は胸よ”
こんことやりたくないが、仕事できない奴と思われたくない。二人がどう思っているか知らないが、これは猫耳vsうさ耳vs胸デカの戦いなの。そこには負けられない戦いがあるの。
リリアは男性の手を自分の胸に当てると
「プニプニしながらご案内!」っと胸に手を押し当てながらやってみた。
「昼間っからそんな事はしていられない」と男に慌てて逃げられてしまった。恥ずかしい…
「… リリたん、体張りすぎニャン」
「胸で釣ってもギルメンにはならないピョン」と二人にちょっと引かれてしまった。メッチャ恥ずかしいし、何だかちょっと腹立たしい。
ピョンとニャンは相変わらず順調そうだ。まぁ、全然入会はしていないようだが、数をこなしているだけ、仕事しているように見える。ニャンとかピョンとかが、そんなに良いのだろうか?リリアには男心がわからない。
ピョンとニャンがまたまた、お客を連れて建物に入っていった。
“………ピョンとニャンか……”リリアは考える。
「ねぇ、君どこのお店の子?」男性がリリアに声をかけて来た。
“……… よし、連中のいない今だ、やってみよう”リリアは決心した。
「お、おかえり、なさいませ。ご、ご主…様、ギルド入会いかが……… ぴょん…」言っていて語尾が小さくなるリリア。
「え!」男に思いっきり聞き返された。
「いえ、何でもないんです」っとリリアは消え入りそうな声で言うと真っ赤になった顔を手で押さえながらうつ向いてしまった。
「リリたん休憩ニャン」
「涼しいところで休むピョン」
ニャンとピョンが出てきて、リリアに声をかけた。
リリア、猫人の娘、兎人の娘、三人は街角でギルメンの呼び込みをしていた。
なんでこれが体験入ギルドなのかとリリアは不満に思う。
説明によるとこれもギルドの仕事を体験する一環らしい。新人はどの道、勧誘、掃除、洗濯、料理、お使い等の雑用を行い、その過程が終わると、武器、道具運び、組み立て、解体、運搬、馬車手等を手伝う。トレジャーハンティング等の戦力として外に出られるようになるまでは1年近く下積みがあるらしい。
「1年間下積み?」とリリアが驚いて聞き返すと
「見知らぬ街で食事が出来て、ベッドに寝られるのは誰かが用意しくれるからだろう」と言われた。確かにそうなのだろうが…
リリアが説明を受けている間に3泊4日ダンジョン体験入ギルドの一行が出かけていくので自分もあっちに参加したいと言ったら、あれは有料体験で定員いっぱいだと言われた。
とにかく、ユニフォームに着替えて集合と言うから着替えて説明を受けて今、路上に立っているわけだ。
「リリたん、それお似合いだニャン」猫耳娘が言う。
「リリたん、それ可愛いピョン」うさ耳娘も続ける。
この二人もリリアと同じ体験入ギルドらしい。猫耳の名はネーコ。うさ耳はラビだそうだ。なんかちょっと手抜き感がある名前。二人とも小柄でメイド服を着てリリアと一緒に街角勧誘をしている。まさに絵に描いたような猫耳とうさ耳だ。絵に描いた様な猫耳娘とうさ耳娘なのだから、これ以上の説明は必要なさそうだ。
「リリたん、それはゴスロリにゃん」
「違うピョン、それは明るい色だから甘ロリぴょん」二人が言う。
リリアはメイド服の二人と違って、ドピンクのフワッフワのヒラッヒラな服装だ。
ユニフォームに着替えろというから貰いにいくとメイド服が全部貸し出し中でリリアだけゴスロリ服だというのだ。リリアにはゴスロリが何なのかわからなかったが、“ゴス”と言う響きからメイド服より勇ましく、冒険者に相応しそうだと思ったらこのありさまだ。この格好で一体何の勧誘なのだろうか?
小柄なうさ耳、猫耳と長身の胸デカの三人がコスプレして勧誘するのだから、アクシデントのオンパレードだ。町行く人にいかがわしい勧誘と思われるのは当たり前、衛兵に違法地区活動だ、営業許可書を出せとか補導されかける。無駄な試練の連続。
リリアは背が高い上に、変に底が高いブーツを履かせられて、さらに長身に見える。背が高く、胸のデカいやつがピンクのフワフワを着てウロウロしているので、無駄に大衆の興味を引き付けてやまない。
先ほどなどは、細身で長身が特徴のエルフ族の男性にエルフ語で話しかけられた。
もちらん、リリアはエルフ語等話せないのでキョトンとしていると
「君、エルフなのにエルフ語話せないの?どこ地方の子?ハーフ?」っと言われた。
このギルドに入るとしばらくはこんな日々が続くのだろうか?リリアはとっても心配だ。
それはさておき、リリアには悔しいことがある。隣にいるニャンとピョンは結構やり手なのだ。しきりに「ニャン」と「ピョン」を語尾につけては「ご主人様」だの「おかえりなさいませ」だの言葉巧みに男性客を店内に誘う。二人とも大きな瞳と、耳、しっぽで巧みに感情を表現し、男のハートに揺さぶりをかける。リリアが見ていても反則級に可愛らしい。
ピョンは「フワピョコしっぽにつかまりながら店内ご案内」と男を店内に引っ張り込む。
ニャンは「肉球手つなぎのまま店内ご案内」と男達を魅了する。なんか段々ギルメン達のリリアへの扱いに差が出て来た感じがある。
“こうなったら最終手段。こっちには胸とお尻があるのよ。しっぽより肉球より男は胸よ”
こんことやりたくないが、仕事できない奴と思われたくない。二人がどう思っているか知らないが、これは猫耳vsうさ耳vs胸デカの戦いなの。そこには負けられない戦いがあるの。
リリアは男性の手を自分の胸に当てると
「プニプニしながらご案内!」っと胸に手を押し当てながらやってみた。
「昼間っからそんな事はしていられない」と男に慌てて逃げられてしまった。恥ずかしい…
「… リリたん、体張りすぎニャン」
「胸で釣ってもギルメンにはならないピョン」と二人にちょっと引かれてしまった。メッチャ恥ずかしいし、何だかちょっと腹立たしい。
ピョンとニャンは相変わらず順調そうだ。まぁ、全然入会はしていないようだが、数をこなしているだけ、仕事しているように見える。ニャンとかピョンとかが、そんなに良いのだろうか?リリアには男心がわからない。
ピョンとニャンがまたまた、お客を連れて建物に入っていった。
“………ピョンとニャンか……”リリアは考える。
「ねぇ、君どこのお店の子?」男性がリリアに声をかけて来た。
“……… よし、連中のいない今だ、やってみよう”リリアは決心した。
「お、おかえり、なさいませ。ご、ご主…様、ギルド入会いかが……… ぴょん…」言っていて語尾が小さくなるリリア。
「え!」男に思いっきり聞き返された。
「いえ、何でもないんです」っとリリアは消え入りそうな声で言うと真っ赤になった顔を手で押さえながらうつ向いてしまった。
「リリたん休憩ニャン」
「涼しいところで休むピョン」
ニャンとピョンが出てきて、リリアに声をかけた。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……
こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。
女神様の使い、5歳からやってます
めのめむし
ファンタジー
小桜美羽は5歳の幼女。辛い境遇の中でも、最愛の母親と妹と共に明るく生きていたが、ある日母を事故で失い、父親に放置されてしまう。絶望の淵で餓死寸前だった美羽は、異世界の女神レスフィーナに救われる。
「あなたには私の世界で生きる力を身につけやすくするから、それを使って楽しく生きなさい。それで……私のお友達になってちょうだい」
女神から神気の力を授かった美羽は、女神と同じ色の桜色の髪と瞳を手に入れ、魔法生物のきんちゃんと共に新たな世界での冒険に旅立つ。しかし、転移先で男性が襲われているのを目の当たりにし、街がゴブリンの集団に襲われていることに気づく。「大人の男……怖い」と呟きながらも、ゴブリンと戦うか、逃げるか——。いきなり厳しい世界に送られた美羽の運命はいかに?
優しさと試練が待ち受ける、幼い少女の異世界ファンタジー、開幕!
基本、ほのぼの系ですので進行は遅いですが、着実に進んでいきます。
戦闘描写ばかり望む方はご注意ください。
転生して貴族になったけど、与えられたのは瑕疵物件で有名な領地だった件
桜月雪兎
ファンタジー
神様のドジによって人生を終幕してしまった七瀬結希。
神様からお詫びとしていくつかのスキルを貰い、転生したのはなんと貴族の三男坊ユキルディス・フォン・アルフレッドだった。
しかし、家族とはあまり折り合いが良くなく、成人したらさっさと追い出された。
ユキルディスが唯一信頼している従者アルフォンス・グレイルのみを連れて、追い出された先は国内で有名な瑕疵物件であるユンゲート領だった。
ユキルディスはユキルディス・フォン・ユンゲートとして開拓から始まる物語だ。

婚約破棄を申し込まれたので、ちょっと仕返ししてみることにしました。
夢草 蝶
恋愛
婚約破棄を申し込まれた令嬢・サトレア。
しかし、その理由とその時の婚約者の物言いに腹が立ったので、ちょっと仕返ししてみることにした。

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる