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1巻オマケ
ボウちゃんの忠義
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ドウシテ ドウシテ タスケテ ッテ イッテクレナイノ?
ソウシタラ スグニデモ テンチョ ハガシテアゲルノニ。
防犯カメラの映像の中、映るのはどう見ても仲睦まじく映る店長とソラの姿。
もがいて逃げようとしているが、薄紅色にそまった彼女の頬や表情に、嫌悪の色は見られない。
そのまま騒ぎながら、店長がカウンターにソラを押し付けた瞬間、ボウの触手が映像の端に映ったが、直ぐにドスンと揺れ動く店内に、現れる別の神官。
一部始終を撮っていたその影像を確認しながら、0号神官はため息を吐く。
「触手に感情は無用でしょう。私の力で取り除きましょうか?」
休憩室のパソコンの傍まで来ていた触手は、まるで人のようにその先端をフルフルと横に振る。
「本来なら、アナタのような存在は出来ない筈なんですが。
やはり作り主がアレイ1号神官だからか……」
0号神官はため息を吐いて、
「まあ、暫くはあの男は外に出しましたから、少しは穏やかな日々を送れるでしょう。これからもよろしくお願いしますよ」
とボウに言うと、ボウは返事の代わりにしゅるしゅると触手の先端を振った。
伝説の触手ギリギンテ──ここでの名前はボウちゃん。
今日も元気に愛する巫女を守っている。
「いらっしゃませーー!!」
ソウシタラ スグニデモ テンチョ ハガシテアゲルノニ。
防犯カメラの映像の中、映るのはどう見ても仲睦まじく映る店長とソラの姿。
もがいて逃げようとしているが、薄紅色にそまった彼女の頬や表情に、嫌悪の色は見られない。
そのまま騒ぎながら、店長がカウンターにソラを押し付けた瞬間、ボウの触手が映像の端に映ったが、直ぐにドスンと揺れ動く店内に、現れる別の神官。
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0号神官はため息を吐いて、
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とボウに言うと、ボウは返事の代わりにしゅるしゅると触手の先端を振った。
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