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1巻オマケ
姉の恋2
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1度目は偶然、2度目も偶然、3度も4度も全部、偶然!!!
「偶然以外の何物でもないから!!」
ガンッとビールジョッキをテーブルに叩きつけて、目の前の8も年上の男を睨み付ける。
白土は飄々とした顔で、
「ほんと、こんな偶然ってないよねぇ? 照らし合わせてないのに、よくもまあ、こんなにバッタリ会うもんだ」
と返した。
お互いに、お互いの仕事状況は、島が違えど分かる。だから示し合わせたわけでもないのに、会社を出た時間が違うはずなのに駅でバッタリ会うなんて、それは偶然以外の何物でもない筈なのだ。
そう、何度もそれが繰り返されなければ。
「これも何かの縁なのかな?」
「そんな縁、いりませんから!」
会社では、【ウザト】なんて、陰で呼ばれるほど、空気を読まない男だと知ったのは、この会社に勤め始めて直ぐのことだ。空気を読まない言動に、先輩たちのこめかみに怒りマークを何度見たことか。
それなのに、何故か帰りが重なる。飛び込みで整体なんか入れて駅に行った日とか、白土が出張帰りで私が定時の日とか、明らかに示し合わせていないのに、気持ち悪いくらい、偶然、出逢う。
そして、何故か飲みに付き合わされる。
絶対、おかしい。絶対、違う。
その筈なのに。
「俺とリラちゃんって引き合ってるんだよ。いい加減認めて、おじさんに落ちてきちゃいなよ」
なんてサラリと言われて、どうしろっていうのさっ!!!
結局、絆されたのか、騙されたのか、偶然は10回目に必然になり、付き合うことになったけど、大抵、必然までの偶然が9回って言うと、みんな引きつる。だけど、それは本当に、本当の話だ。
そして、付き合ったとたんにピタリと偶然に鉢合わせることはなくなって。
ストーカーとか、そんなのは絶対なかったと分かっているだけに、一体、あの時の偶然は何だったのか、と思っている今日この頃。
「偶然以外の何物でもないから!!」
ガンッとビールジョッキをテーブルに叩きつけて、目の前の8も年上の男を睨み付ける。
白土は飄々とした顔で、
「ほんと、こんな偶然ってないよねぇ? 照らし合わせてないのに、よくもまあ、こんなにバッタリ会うもんだ」
と返した。
お互いに、お互いの仕事状況は、島が違えど分かる。だから示し合わせたわけでもないのに、会社を出た時間が違うはずなのに駅でバッタリ会うなんて、それは偶然以外の何物でもない筈なのだ。
そう、何度もそれが繰り返されなければ。
「これも何かの縁なのかな?」
「そんな縁、いりませんから!」
会社では、【ウザト】なんて、陰で呼ばれるほど、空気を読まない男だと知ったのは、この会社に勤め始めて直ぐのことだ。空気を読まない言動に、先輩たちのこめかみに怒りマークを何度見たことか。
それなのに、何故か帰りが重なる。飛び込みで整体なんか入れて駅に行った日とか、白土が出張帰りで私が定時の日とか、明らかに示し合わせていないのに、気持ち悪いくらい、偶然、出逢う。
そして、何故か飲みに付き合わされる。
絶対、おかしい。絶対、違う。
その筈なのに。
「俺とリラちゃんって引き合ってるんだよ。いい加減認めて、おじさんに落ちてきちゃいなよ」
なんてサラリと言われて、どうしろっていうのさっ!!!
結局、絆されたのか、騙されたのか、偶然は10回目に必然になり、付き合うことになったけど、大抵、必然までの偶然が9回って言うと、みんな引きつる。だけど、それは本当に、本当の話だ。
そして、付き合ったとたんにピタリと偶然に鉢合わせることはなくなって。
ストーカーとか、そんなのは絶対なかったと分かっているだけに、一体、あの時の偶然は何だったのか、と思っている今日この頃。
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