JK LOOPER

ネコのうた

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4th STAGE/国を渡ってゆかねばならぬのです。

272.異国にて⑤

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10代後半くらいの男性六人組が、我々から5Mあたり離れた位置で止まります。

そうして、先頭の【呪言士じゅごんし】が何やら喋って不敵な笑みを浮かべました。

残りの五名も〝ニヤニヤ〟しております。

この面子が、会話しだました。

耳栓をしている私達には、よく聞こえません。

そこから、胸部に〝ドンッ!〟といった衝撃が走り、

「ぐふッ?!!」

2Mほど後方へ吹き飛ばされてしまう我々です。

地面に背中を叩き付けられたメンバーは、

「がッ??! ああッ!! あッ?!」

揃って頭が割れるかのような苦しみに襲われます。

ここまでは、ループ前と似たような展開です。

呪言士などが私たちに近づいてきます。

そうしたところで、隠れていた建物のかげから飛び出した聡真そうまくんが、[ショットガン]を撃ちました。

右腕に弾丸が当たった呪言士は、流血するのと共に苦痛に顔を歪めつつ、左へと倒れます。

すると、我々の頭痛がんだのです。

呪言士の仲間が慌てるなか、続けて姿を現した葵月はづきちゃんのった矢が、31本に分裂して、五人に刺さるなり消えました。

地面に膝や尻餅を着いた彼らと、呪言士に、【麻痺】の魔法を放つ月媛ひかりちゃんです。

タイムリミットは34秒なので、急ぎ[アイテムボックス]から“超強力粘着テープ”と“ハサミ”を取り出す私であります。

これらは、京都で“ネクロマンサー死霊使い”や“ぶべぇーッ番長”などに用いた代物です。

余ったのを、そのまま貰っていました。

なんだか今となっては懐かしい限りであります☆彡

何はともあれ。

私は、テープにて、呪言士の、口を塞いだり、手首や足首を〝グルグル〟にしていったのです。

その間に他の五名が動きだすのを警戒して、親族が武器を突き付けています。

こうした流れで、ひとり残らず“粘着テープ巻き巻きの刑”に処していきました。

勿論、口にテープを張るのも忘れません☆

そこから、計六人を道の端にどかした[最神家もがみけイトコーズ]です…。


各自、耳栓を外します。

「勝利できて良かった。」

〝ホッ〟と安堵した聡真くんに、

「どうやら二番目の考えが正解だったみたいね。」

姉にあたる咲凛えみりちゃんが声をかけました。

聡真くんが〝うん〟と頷いたところで、

「話しは後にしよう。」
「まだエネミー達が残っているからね。」

こう指摘する壱紀かずきくんです。

それによって気を引き締め直した我々は、人外と再びバトルになっていきます。

では、ここで、一連の説明を行ないましょう。

まず、聡真くんが推測したのは、呪言士の【スキル】は〝本人の命令が対象者の耳に入ると効果が表れるのかもしれない〟という事でした。

しかし、〝もしかしたら言葉を発するだけで起動する可能性もある〟と思った聡真くんによって、二つの方法を試す運びになったのです。

要は、〝耳栓をしても呪いに掛かるケースを危惧した〟という訳であります。

それらの案をもとに、私などが呪言士らの注意を引きつけたのです。

つまり、〝何も聞こえないことで呪われずに済むのであればそのまま戦う〟〝これが通用しなかった場合に備えて伏兵を配置しておく〟といった策でした。

こうして、まさか別動隊がいるとは予想していなかった“呪言士一味”を、成敗した我々です。

あとは地元の方々が警察に連絡するなどして、逮捕してもらう事でしょう。

彼らはいろいろと悪さを働いてきたみたいなので……。

さて。

私たちは、エネミーを殲滅し終えています。

それによって、私は“LV.18”に、咲凛ちゃんが“LV.28”に、なりました。

UPしたのは、その二名だけです。

「じゃ、お土産さんに向かおうか。」

聡真くんが告げたことで、[私服モード]に変更する私達でした―。
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