JK LOOPER

ネコのうた

文字の大きさ
上 下
265 / 292
4th STAGE/国を渡ってゆかねばならぬのです。

265.勘考②

しおりを挟む
玄関先に【テレポート】した私達は、[私服モード]に変更しました。

どうやら全員が疲れているみたいです。

まぁ、新規のエネミーを相手に、攻略法を探りながらの戦いだったので、無理もありません。

あと、女性陣が“ワーム”とかいうエネミーに少なからずテンパってしまったのも原因の一つでしょう。

そうした我々は、改めて[居間]へと足を運びました……。


「今回はエジプトにしよう。」

こう提案したのは、勿論、聡真そうまくんであります。

「てことは、某漫画の〝第3部の舞台〟だね。」

何気なく口を開いた葵月はづきちゃんに〝ハッ!〟として、

「つまり…、あの能力・・・・に目覚めるかもしれない、と??」

そう尋ねる私です。

「むこうに〝例の矢〟があればね。」

葵月ちゃんの返しに、

「財団が回収している可能性もあるか。」

このように推測する私でした。

そんな我々を完全にスルーして、

「あっちの通貨は“エジプト・ポンド”なんだけど、流動性や信用性の低さから、“米ドル”が重宝されているらしい。」
「なので、今回は、日本で両替してから渡ろうと思う。」

こう述べた聡真くんです☆彡

「じゃぁ、〝まずは国内の銀行に赴く〟って事か?」

疑問を抱いた壱紀かずきくんに、

「手数料の面では、有名なチケットショップのほうが良いみたい。」

聡真くんが伝えます。

私などが〝ん??〟と首を傾げたら、

「他にも、ブランド品や貴金属を売買している質屋および古物商であり、金券ショップでもある所だよ。」
「全国展開している。」

そのように説明する聡真くんでした。

これに、中学生以上が〝あぁー〟と理解を示します。

「確か、隣のに在ったよね?」

そう訊いた私に、

「うん。」
「間違いなく。」

葵月ちゃんが頷きました。

こうしたところで、

「ホテルは??」
「やっぱり年齢制限があった?」

壱紀くんに別の質問を投げかけられ、

「現在、世界中で利用客が減少してるから、撤廃しだしている施設もあるみたい。」
「ただし、未成年一人だけでの宿泊は、どこも認めてなかったよ。」
「ま、僕たちは複数だから問題ないけど。」
「それ以前に、どこにも泊まらないで済むかもしれないし。」

そのように答える聡真くんです。

「じゃ、早速、出発する??」

ふと利勇りおが窺ったら、

「こっちはもうすぐ昼の二時だろ。」
「時差からして……、エジプトは朝の七時になろうとしているあたりだな。」
「お土産を買ったり、蘇生術士の聞き込みをするにしても、まだどこも営業してないだろうし、どうするべきか?」

聡真くんが悩みだしました。

「両替してから、近くの喫茶店で時間を潰すのは??」
「なんか、あの大きい蚊の魔物に刺されてから、だるいんだよねぇ。」

こう葵月ちゃんが喋ったところ、各自が「俺も」「私も」といった具合に続いたのです。

「血を吸われたからなのか、他の理由があるのか、調べておきたいな。」
「対処できるのであれば、そうしたいし。」
「おそらく、いろんな人達が、そろそろSNSにアップしだす頃だろうから、丁度いいかも。」

聡真くんが納得したのもあって、固まる方針でした―。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悠久のクシナダヒメ 「日本最古の異世界物語」 第一部

Hiroko
ファンタジー
異世界に行けると噂の踏切。 僕と友人の美津子が行きついた世界は、八岐大蛇(やまたのおろち)が退治されずに生き残る、奈良時代の日本だった。 現在と過去、現実と神話の世界が入り混じる和の異世界へ。 流行りの異世界物を私も書いてみよう! と言うことで書き始めましたが、どうしようかなあ。 まだ書き始めたばかりで、この先どうなるかわかりません。 私が書くと、どうしてもホラーっぽくなっちゃうんですよね。 なんとかなりませんか? 題名とかいろいろ模索中です。 なかなかしっくりした題名を思いつきません。 気分次第でやめちゃうかもです。 その時はごめんなさい。 更新、不定期です。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

素材採取家の異世界旅行記

木乃子増緒
ファンタジー
28歳会社員、ある日突然死にました。謎の青年にとある惑星へと転生させられ、溢れんばかりの能力を便利に使って地味に旅をするお話です。主人公最強だけど最強だと気づいていない。 可愛い女子がやたら出てくるお話ではありません。ハーレムしません。恋愛要素一切ありません。 個性的な仲間と共に素材採取をしながら旅を続ける青年の異世界暮らし。たまーに戦っています。 このお話はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。 裏話やネタバレはついったーにて。たまにぼやいております。 この度アルファポリスより書籍化致しました。 書籍化部分はレンタルしております。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

世界中にダンジョンが出来た。何故か俺の部屋にも出来た。

阿吽
ファンタジー
 クリスマスの夜……それは突然出現した。世界中あらゆる観光地に『扉』が現れる。それは荘厳で魅惑的で威圧的で……様々な恩恵を齎したそれは、かのファンタジー要素に欠かせない【ダンジョン】であった! ※カクヨムにて先行投稿中

転生テイマー、異世界生活を楽しむ

さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。 内容がどんどんかけ離れていくので… ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ありきたりな転生ものの予定です。 主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。 一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。 まっ、なんとかなるっしょ。

処理中です...