JK LOOPER

ネコのうた

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4th STAGE/国を渡ってゆかねばならぬのです。

262.NEW STAGE

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AM07:40を過ぎた頃の事です。

『戦闘職の半数がレベル30を超えたので、フォースステージへと移行します。』
『次回からは、より強い存在が出現します。』
『フォースステージ開催の予定時刻5分前までには、お伝えしますので、暫く、お待ちください。』
『繰り返します――。』

といった“女性のアナウンス”が響いたのは……。


あれからAM08:30を回りました。

お部屋でイトコたちとスマホのメッセージで連絡を取り合っていると、ドアがノックされ、

「お姉ちゃぁん。」
「お客さぁーん。」

琴音ことねの声が聞こえてきたのです。

そのため、[居間]へと足を運ぶ私でした…。


入室して、

「あ!」
「お久しぶりです。」

〝ペコリ〟とした私に、

「おはよう。」

神澤紗凪かんざわさなさん”が微笑み、

「よっほぉー。」

右手を挙げる“神岳穂乃歌かみおかほのかさん”です。

この場には、私の両親と、妹に、暁斗あきとくんが、います。

暁斗くんは〝錬金術師としての作業〟があるため訪れていました。

そうしたなかで、

「これまでのことを、もう少し詳しく聞かせてもらおうと思ってね。」
「団長と副団長に報告したいから。」

紗凪さんに話しかけられたのです。

畳に正座しつつ、

「ん?」
「副団長さんも存在しているんですね。」

私が口を開いたところ、

「あぁー、琴晴ことはちゃんとかは会った事なかったけぇ~。」
「ま、あの人は西地区で生活しているからね。」
「……、もともとは自衛官だった女性で、一年ぐらい前から新宿のフィットネスジムでインストラクターを勤めていたらしいよ。」
「世界が様変わりするまでは。」

こう説明してくれる穂乃歌さんでした。

〝成程ぉ〟と理解を示した私は、そこから[台湾]に[タイ]でのことを伝えていきます。

ちなみに、紗凪さんの弟である“真守まもるさん”と、穂乃歌さんの兄にあたる“穂積ほづみさん”は、各自、お留守番しているそうです…。


およそ15分が経ちました。

[玄関]にて。

「朝からお邪魔しちゃって悪かったわね。」

このように述べた紗凪さんに、

「いえいえ。」
「お気兼ねなく。」

笑顔で応じる私です。

その流れで、

「じゃあねぇ~。」

穂乃歌さんと、

「バイバーイ。」

私の妹が、手を振り合います。

こうしたなか、紗凪さんの[転移の宝玉]で去りゆくのでした……。


PM12:55を迎えようとしています。

[最神家もがみけイトコーズ]が続々と集まってきました。

昨夜、聡真そうまくんが送信してくれていた〝新たな候補地〟から、何処を選ぶのか、相談するために。

そこへ、

『全人類に、おしらせします。』
『あと5分で“フォースステージ”が開催されます。』
『準備を整えて、お待ちください。』
『繰り返します。』
『あと5分で――。』

との通知が発せられたのです。

「丁度こっちは揃っているから、ある意味ではナイスタイミングだよな。」

ふと呟いた陽斗はるとくんに、

「確かになぁ。」

利勇りおが苦笑いします。

「どうする?? 琴晴ちゃん。」
「今回も“南の国道”で、いろいろ試す?」

こう壱紀かずきくんに問われ、

「うん。」
「そうしよう。」

頷いて承諾する私でした―。
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