JK LOOPER

猫乃麗雅

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4th STAGE/国を渡ってゆかねばならぬのです。

254.騎士の譲受人

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私は、自室のベッドでゴロゴロしつつ、スマホで“グループメッセージ”を交わしております。

新たに目指す国を選ぶべく。

(て、え?!)
(……、あ。)
(ループしてる。)

そう認識した私は、この件を伝えていったのです…。


家族には[居間]に足を運んでもらいました。

現在は、タイに渡る前日のPM13:45頃であります。

別の言い方をするならば〝台湾から帰って来た約二時間後〟です。

誰かの職種が[騎士]に変わっている筈なので、確認してもらっています。

琴音ことね以外に。

すると……、

「きたぁ――ッ!!」
「俺の出番――ッ!」

弟の利勇りおが両拳を突き上げて喜びました。

これを[モガミーズ]に連絡したところ、聡真そうまくんの提案によって集合する事になったのです…。


およそ10分後。

パーティーメンバーが揃いました。

私は、タイで起きたことを語っていきます……。


聞き終えて〝ふむ〟と頷いた聡真くんが、

琴晴ことはちゃん。」
「取り敢えず、新しいジョブを選んで。」

そのように勧めてきました。

促されるままに[画面]を開いた私は、

「んー、…、なんとなく、武闘家で!!」

こう告げるのと共に、指先で触れたのです。

次の瞬間、宙に幾つかの武器が出現しました。

それらは、“ヌンチャク/三節棍さんせつこん/トンファー/爪みたいなもの/槍みたいなもの”といったラインナップでございます。

この二つ・・・・って、なんだろう??」

首を傾げた私に、

「……、あー。」
「“鉤爪かぎつめ”と“げき”じゃねぇか?」

こう話しかけてきたのは、暁斗あきとくんです。

おさらいとして、彼は“陽斗はるとくんのお兄ちゃん”であります。

さておき。

「じゃあ、ゲキ・・とかいうやつにしよっかなぁ。」
「また“レベル1”に戻ってるから、それなりに距離をもって戦うのが安全だろうし。」

そのように決める私でした…。

「でぇ~??」
「これから、どぉするぅ?」

葵月はづきちゃんが誰ともなく質問したところ、

「今回のタイムループに関しては、僕達は覚えていないから、タイの事いろいろ調べさせてもらいたい。」
「その間に、琴晴ちゃんは防具を作ってもらっておいて。」
「あと、利勇も、武器を変更するんだったら、補強を頼んでおくのがいい。」

こう聡真くんが述べたのです。

それによって、一旦、解散する我々でした……。


約1時間30分が過ぎ、私の両親と暁斗くんにより装備品が完成しています。

このため、再び集まったのです…。

まず、私は、“赤色のカンフー着”に“鋼製の額当て/肩当て/胸当て/肘当て/籠手/膝当て/脛当て”となっています。

[戟]は、木製だったが“鋼”になっており、付属している“二個の刃”には、何かしらの模様が刻まれていました。

利勇はというと、[バンプレート護拳型の鉄槍]にチェンジしていて、やはり模様が施されていたのです。

とかく。

これからの方針を説明していく聡真くんでした―。
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