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4th STAGE/国を渡ってゆかねばならぬのです。
253.寺院奪還戦②
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人外たちは、目を閉じています。
なお、琴音による【閃光】もまた、現在のタイムリミットは45秒です。
それはさておき。
[迦楼羅集団]の半数ぐらいが、闇雲に【火炎】を放ってきました。
先程と同じように、月媛ちゃんが【氷撃】を使い、私は“盾”で防ぎます。
これらのタイミングで、
「ライト・ビーム!!」
【灯火の光線】を発する琴音です。
他のメンバーは、うまいこと躱しています。
それも【恩恵】によってステータスが倍増しているおかげでしょう。
こうした流れで、体勢を整え直した味方が、攻撃に転じました。
壱紀くんは【デストロイ】を、陽斗くんが【爆破刺突】を、それぞれに扱います。
聡真くんはライフルを撃ち、葵月ちゃんが矢を射りました。
私は【風斬】を用いております。
[最神家イトコーズ]がカルラ達を倒していくなか、
「ふむ。」
「大体の位置は分かりました。」
「その辺りに違いないようですね。」
まだ目が眩んでいる[神下九部衆の一柱]が、ゆったりと“右の掌”を突き出したのです。
そうして、直径1Mあたりの【光線】を飛ばしてきました。
これは葵月ちゃんへと向かったものの、50cmほど左にズレていたらしく、
「おっとぉ!」
割と余裕で回避できたみたいです。
最後尾に視線を送った誰もが、葵月ちゃんの無事に〝ほっ〟と安堵します。
ここへ、空中で勢いよく跳ねた[ボス仏]が、なかなかの速度で私たちに落下してきたのです。
各自が〝え?〟とフリーズしたところで、
「皆ッ、離れろぉ――ッ!!」
壱紀くんが叫びました。
散り散りに逃れゆくなか、おもいっきり〝ズドォオン!!!!〟と着地した[ボスキャラ]であります。
その風圧で、軽装備の面々が吹き飛ばされました。
ちなみに、重装備なのは、“騎士の私”と“戦士の壱紀くん”です。
[ボス]の足元は、いささか陥没しており、結構な亀裂が生じています。
こうした[ボス仏]が膝を〝スゥ――〟と伸ばして、目を開きました。
【閃光】の効果時間が終わったのでしょう。
当然、【恩恵】も。
そのような状況で、自身の左へと首を動かした[ボスキャラ]が、
「補助系が厄介ですね。」
ふと呟きます。
この方角では、私の妹が、うつ伏せになっていたのです。
そうした琴音に、[ボス]が左手で狙いを定めます。
[ボスキャラ]の右斜め前にいる私は、
「カバー!」
新たな【スキル】を初めて用いりました。
次の瞬間、立とうとしている妹の側に【テレポート】したのです。
ここに、[ボス仏]が【ビーム】を放ってきます。
“ヒーターシールド”で受けたものの、それなりの衝撃に耐えきれず、
「ぐッ!!」
右膝を着いてしまう私です。
「邪魔ですよ。」
冷たく述べた[ボスキャラ]が、右足で力任せに蹴り上げてきました。
再び盾で阻んだ私ではありましたが、宙に浮くようにして後方へと弾かれ、背中を地面に叩き付けられてしまったのです。
「お姉ちゃん!??」
琴音の心配する声にて、
「ぬぐぐぅ~ッ。」
上体を起こしていく私です。
我々姉妹以外は、迦楼羅に改めて襲撃され、応戦しています。
そうしたなかで、[ボス]が右手を琴音に向けました。
(やばいッ!!)
焦った私は、座ったまま、
「カバー!」
もう一度、琴音のもとに【テレポーテーション】したのです。
これと同時に[神下九部衆の一柱]が【光線】を発射します。
急ぎ“シールド”を構え直そうとするも、間に合わない私でした―。
なお、琴音による【閃光】もまた、現在のタイムリミットは45秒です。
それはさておき。
[迦楼羅集団]の半数ぐらいが、闇雲に【火炎】を放ってきました。
先程と同じように、月媛ちゃんが【氷撃】を使い、私は“盾”で防ぎます。
これらのタイミングで、
「ライト・ビーム!!」
【灯火の光線】を発する琴音です。
他のメンバーは、うまいこと躱しています。
それも【恩恵】によってステータスが倍増しているおかげでしょう。
こうした流れで、体勢を整え直した味方が、攻撃に転じました。
壱紀くんは【デストロイ】を、陽斗くんが【爆破刺突】を、それぞれに扱います。
聡真くんはライフルを撃ち、葵月ちゃんが矢を射りました。
私は【風斬】を用いております。
[最神家イトコーズ]がカルラ達を倒していくなか、
「ふむ。」
「大体の位置は分かりました。」
「その辺りに違いないようですね。」
まだ目が眩んでいる[神下九部衆の一柱]が、ゆったりと“右の掌”を突き出したのです。
そうして、直径1Mあたりの【光線】を飛ばしてきました。
これは葵月ちゃんへと向かったものの、50cmほど左にズレていたらしく、
「おっとぉ!」
割と余裕で回避できたみたいです。
最後尾に視線を送った誰もが、葵月ちゃんの無事に〝ほっ〟と安堵します。
ここへ、空中で勢いよく跳ねた[ボス仏]が、なかなかの速度で私たちに落下してきたのです。
各自が〝え?〟とフリーズしたところで、
「皆ッ、離れろぉ――ッ!!」
壱紀くんが叫びました。
散り散りに逃れゆくなか、おもいっきり〝ズドォオン!!!!〟と着地した[ボスキャラ]であります。
その風圧で、軽装備の面々が吹き飛ばされました。
ちなみに、重装備なのは、“騎士の私”と“戦士の壱紀くん”です。
[ボス]の足元は、いささか陥没しており、結構な亀裂が生じています。
こうした[ボス仏]が膝を〝スゥ――〟と伸ばして、目を開きました。
【閃光】の効果時間が終わったのでしょう。
当然、【恩恵】も。
そのような状況で、自身の左へと首を動かした[ボスキャラ]が、
「補助系が厄介ですね。」
ふと呟きます。
この方角では、私の妹が、うつ伏せになっていたのです。
そうした琴音に、[ボス]が左手で狙いを定めます。
[ボスキャラ]の右斜め前にいる私は、
「カバー!」
新たな【スキル】を初めて用いりました。
次の瞬間、立とうとしている妹の側に【テレポート】したのです。
ここに、[ボス仏]が【ビーム】を放ってきます。
“ヒーターシールド”で受けたものの、それなりの衝撃に耐えきれず、
「ぐッ!!」
右膝を着いてしまう私です。
「邪魔ですよ。」
冷たく述べた[ボスキャラ]が、右足で力任せに蹴り上げてきました。
再び盾で阻んだ私ではありましたが、宙に浮くようにして後方へと弾かれ、背中を地面に叩き付けられてしまったのです。
「お姉ちゃん!??」
琴音の心配する声にて、
「ぬぐぐぅ~ッ。」
上体を起こしていく私です。
我々姉妹以外は、迦楼羅に改めて襲撃され、応戦しています。
そうしたなかで、[ボス]が右手を琴音に向けました。
(やばいッ!!)
焦った私は、座ったまま、
「カバー!」
もう一度、琴音のもとに【テレポーテーション】したのです。
これと同時に[神下九部衆の一柱]が【光線】を発射します。
急ぎ“シールド”を構え直そうとするも、間に合わない私でした―。
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