JK LOOPER

ネコのうた

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4th STAGE/国を渡ってゆかねばならぬのです。

249.異国にて②

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おもに中学生以上の面子で、アジア諸国の何処にするのか、候補を挙げていきました。

それらのなかで、親日度が高いところを、聡真そうまくんが探してくれます。

こうして絞られた国々から、更に話し合った、というか、メッセージでのやり取りを重ねた結果…、[タイ]に決まったのです!

その後は、聡真くんが、いろいろとネットで検索してくれることになりました……。


翌日となっています。

現在はAM11:00あたりです。

これは、時差などを考慮した聡真くんによるものでした。

なんでも、〝あちらより日本が二時間は進んでいる〟のだそうです。

なにはともあれ。

それぞれの家庭で、新たに“お土産”を頼まれている我々でした☆彡

さておき。

玄関先で[転移の宝玉・改]を使用する私であります…。


【テレポート】したのは、町中の“歩道”でした。

周囲に誰もいなくて良かったです。

もしや、アイテム側が大丈夫な場所を選んでいるのでしょうか??

まぁ、詳細は不明ですけど……。

辺りを見回した聡真くんが、

「“サラデーン駅”の近くみたいだな。」

ふと呟きます。

こうした流れで、

「となると…。」

手に持っていた[メモ帳]を開き、

「とりあえず、両替しに行こう。」

全員に伝える聡真くんでした……。


歩きながら、

「ひょっとして、予測していた?」

壱紀かずきくんに質問され、

「ん、一応は。」
「台湾のとき、首都の換金所がある建物あたりに渡ったからね。」
「〝今回も似たような感じになるかもしれない〟て思って、幾つか調べておいたよ。」

そのように答えた聡真くんです。

これを、

「おぉ~、さっすがだねぇ♪」

葵月はづきちゃんが褒めた事によって、誰もが〝うん うん〟と頷いたのでした。


およそ5分が経ち…。

目的地の正面にて、

「え??」
「ここ?」

聡真くんを除いたメンバーが戸惑っています。

何故ならば、私たちの眼前に在ったのは[お酒を販売する店舗]だったからなのです。

しかし、[酒屋さん]の出入口には〝日本円両替〟と書かれていました。

ご丁寧にも“ジャパニーズ”で。

「僕も当初は疑ったけど……、店内に併設へいせつしてあるらしい。」

そう語り、

「じゃ、入ろうか。」

先頭で進んでゆく聡真くんでした…。


確かに情報どおりであります。

「念の為、壱万円ずつ換金しとこうか。」
「昨日、一人につき十万円を貰って余裕あるし。」

聡真くんの意見に賛成し、琴音ことね月媛ひかりちゃん以外が、“アイテムボックス”を操作します。

こうして、リーダーである私が、

「すみません、お願いします。」

まとめて“日本の紙幣”を差し出しました。

すると、受け付けの男性が、ビックリしたのです。

私が〝んん??〟と首を傾げたところ、

「あぁ、僕らの“特殊スキル”です。」
「“自動通訳”という。」

すかさず聡真くんが説明してくれます。

……、うっかり忘れておりました。

(鳥頭か!? 私は!!)

自分にツッコんでいたら、

「へぇー。」
「そういうのもあるのかぁ。」

理解を示した“受付の人”が、

「ちなみに、君らだけ??」
「親とか…、大人は一緒じゃないの?」

そのように訊ねてきたのです。

どう説明すればよいのか困ってしまう私の右隣で、

「これから合流するんです。」
「えぇ~っと……。」

[メモ帳]をチェックしつつ、

「“ワット・サケット”で。」
「ただ…、“タイの通貨”を持ち合わせていないことに気づき、急いで立ち寄ったんです。」

聡真くんが平然と嘘をきました★

これを、

「成程な。」
「そういう事情か。」

あっさり納得する男性です☆

「けど……。」
「あの寺院は、世界がこういった状況になって観光客こそ減ったものの、蘇生術士が拠点を構えているから割と人が多いぞ。」
「あ!」
「もしかして、君達もそれ・・目当てか??」

そのような疑問を投げかけられた聡真くんが、

「はい。」

穏やかに肯定します。

「勿論〝知ってた〟ってことだよね?」

私が尋ねたところ、

「SNSに投稿している人たちが結構いたから。」

ニッコリ微笑む聡真くんでした―。
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