JK LOOPER

猫乃麗雅

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4th STAGE/国を渡ってゆかねばならぬのです。

245.艋舺公園での攻防戦・承けつぎ

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[9M級のボスキャラ]が、立ち上がります。

一方で、全身を燃やされていた約30人の【炎】が消えていきました。

普通は髪や肌などが焼けそうですが、そこら辺は不思議なことに大丈夫のようです。

まぁ、熱さやダメージはあるみたいですが……。

さて。

「邪魔だな。」

こう呟いたボスが、“ジャッジメント審判者さん”へと【火炎】を吐きます。

そこへ、審判者さんの側にいる“お役所の男性”が棒状の[モーニングスター]を擦り上げるのと共に、

地走ちばしり!」

【スキル】を使いました。

これによって、地面が一直線に段々となっていきます。

2Mぐらいの高さになったところで、【ほのお】に当たりました。

ある程度の範囲は防げたようですが、上部と左右を【炎】が通過していったのです。

巻き込まれそうになった人々は、慌てながらも速やかにかわしています。

そうしたなか、先ほどの【閃光】で両目を瞑っている以津真天いつまで達へと攻撃を仕掛けてゆく[討伐チーム]です。

ちなみに、私は、[ファルシオン鎌形刀剣]を払って【風斬ふうざん】を発動しております。

なんだかんだで、全員が確実に妖怪たちを討ち取っていたら、

退け。」

 [火鳥かちょう]が命令しました。

これによって、配下らは視界を奪われたまま[討伐チーム]から離れだしたのです。

〝また火炎を扱うつもりでは?〟と誰もが身構えるなか、ボスキャラが悠々と両翼を広げます。

皆が〝ん??〟と軽く首を傾げたところへ、ボスが低空飛行で〝ビュオッ!!〟と突進してきたのです。

それを、琴音ことね月媛ひかりちゃんは素早くしゃがんで回避します。

大多数は、反応が遅れてしまった事で、弾かれてしまいました。

まるで“ボーリングのピン・・”みたいに…。

各自が顔を歪めながら起きようとするなか、

5Mくらい上昇して、右回りで反転した火鳥が、〝ピタッ〟と止まるなり、【炎】を放ってきたのです。

ただし、狙いは、あくまでジャッジメントさんでした。

彼女を中心に、過半数が犠牲となっていきます。

なお、[最上家もがみけイトコーズ]は範囲外だったので、難を逃れました。

こうした我々が立ったタイミングで、ボスキャラが再び“体当たり”すべく、急下降しかけたのです。

ほぼ同時に、

「ライト・ビーム!」

琴音が【灯火あかりの光線】を用います。

それ・・が、ボスの“右の翼”を貫通しました。

直径40㎝といった感じの穴が開いた火鳥は、バランスを崩して落下し、左側面を叩き付けたのです。

この近くにいた“男性道士さん”が、すかさず【閃光】を使います。

目を閉じたボスキャラを、いろんな人が攻めようとするも、後ろの空から“以津真天の群れ”が三日月状の【風の刃】を一斉に発射して阻んできました。

どうやら、配下達は視力が戻っていたみたいです。

いずれにしろ。

全員が負傷するなか、【焔】が消えたらしい“行政の男性”が、

「大体でいいので、二手に分かれましょう!!」

周囲に指示を出します。

それによって、私たち親族は“ボスキャラと戦うグループ”になりました。

この流れで、誰もが【治癒】や[体力回復ポーション]を用いったのです―。
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