JK LOOPER

猫乃麗雅

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4th STAGE/国を渡ってゆかねばならぬのです。

242.稀なジョブ①

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〝偽りを口にした2人・・〟という言葉に、〝ギクッ!!〟とさせられる私です。

まぁ、1人は“黒髪ロングさん”で決まりだとして…、

(ループに関して黙っていたのがバレた??)

私は、心臓が〝バクバク〟するのと共に、冷や汗を掻いております。

こうした状況で、“行政の小柄な女性”が、

「そこの、髪が長くて黒い女の人と……。」
「ツーブロック坊主頭の男性。」

指を差しました。

私だとばかり思っていたので、

「えッ?!」

つい声に出してしまった次第です。

周囲の注目を集めるなかで、

「何か??」

いつの間にやら瞳が黒くなっていた“行政の女性”に訊かれ、

「あ…、いえ、なんでもありません。」

恥ずかしさから俯いてしまう私でした。

「……。」

ひと呼吸置いた“小柄な女性”が、

「あなた方は、“ボスキャラの手下”ですね。」

“黒髪ロングさん”と“ツーブロック坊主さん”に話しかけたのです。

それに対して、

「は?」
「なんの事かしら??」

黒髪ロングさんと、

「冗談きついぜ。」

ツーブロック坊主さんが、しらを切ります。

「トボケても無駄ですよ…。」
「先日、ある町中で騒動が起きました。」
「〝男女六人組の加害者側と、男女四人組の被害者側で、言い分が異なる〟とのことで、警察に協力を要請された私が調査したのです。」
「さっき披露した“真実を見抜く目”で。」
「その結果、加害者達が“ボスの配下”であり〝勧誘を断った人々を殺そうとしていた〟という事が判明しました。」
「また、〝他にも同じように活動している人々がいる〟とも白状したのです。」
「それによって、我々は〝ボスキャラ討伐の邪魔をしに来る者がいるだろう〟と考え、待ち構えていたのですよ。」

このように“行政の女性”が述べたところ、

「くッ。」

“ツーブロック坊主さん”が切羽詰まったかのように、

「チェンジ、戦闘モード!」

装備を変更したのです。

それに、彼のパーティーメンバーや、黒髪ロングさんなどが、続きます。

誰もが戸惑うなか、“小柄な女性”は、軽く〝はぁー〟と溜息をきながら、〝やれやれ〟といった感じで肩をすくめて首を左右に振りました。

この流れで、

「拘束。」

“行政の女性”が唱えるなり、たちの両手首と両足首に[リング輪っか]が現れ、それぞれが威力の強い磁石かのように〝ぐいんッ!!〟と引かれ合ったのです。

……、えーっと。

私のつたない説明でどこまで伝わるか分かりませんが…。

まず、[リング]は、幅5㎝といったところで、丸みを帯びており、青白く光っています。

なんか、個人的には、近未来的というか……、SFみたいな印象でした。

こうした[リング]が、手と手で〝バチィン!〟足と足でも〝バチィン!〟とくっついたのです。

それによって、バランスを崩した人たちが、横倒れになったり、尻餅を着きます。

ちなみに、“ツーブロック坊主さん”のパーティーは、男性だけの5人組のようです。

ともあれ。

「こ、これは?」

驚きを隠せない“黒髪ロングさん”に、

「私のスキルです。」
「“ジャッジメント審判者”の、ね。」

“小柄な女性”が表情を変えずに告げました。

「噂に聞いたことがある…。」
「“激レアSS級”か。」

“ツーブロック坊主さん”が眉間にシワを寄せたところ、

「ええ、そのとおりです。」

頷いて肯定した“ジャッジメントさん”が、

「お願いします。」

警察の“お偉いさん”に視線を送ったのです。

これによって、仰向けにされた黒髪ロングさん達は、1人につき数人がかりで持ち上げられ、連行されます。

そうしたなかで、“黒色短髪といった行政の男性”が、

「では、討伐について、詳しくお話しさせていただきます。」

残っている参加者に声をかけたのでした―。
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