231 / 291
4th STAGE/国を渡ってゆかねばならぬのです。
231.相容れないもの・ぜんぺん
しおりを挟む
〝護身用に〟との理由で左腰に[ダガー]を帯びていらっしゃる黒髪ロングさんに連れられて、割と幅が狭い“路地裏”を歩いています。
「あのぉー、……。」
「どちらまで?」
1Mぐらい前を進む黒髪ロングさんに尋ねてみたところ、
「ん。」
「ここら辺で、いいか。」
ふと足を止めました。
“回れ右”して、私のほうへと体の向きを変えた黒髪ロングさんが、
「実はね…。」
「私たち、サードステージの“ボスキャラ”に従っているの。」
こう告げてきたのです。
あまりの事に私が〝は??〟と目を丸くしたら、
「まぁ、そういうリアクションになるわよね……。」
「とりあえず、聞いてもらっていいかしら?」
そのように窺ってきました。
私が少なからず警戒するなか、
「こないだ、幾つかのパーティーと連合を組んで、ボスに挑戦したんだけど、殆ど歯が立たず、過半数が亡くなってしまったの。」
「そして…、生き残った人達を〝我が配下となれば命を奪わないでやろう〟ってボスキャラが勧誘してきたのよ。」
「〝比較的レベルが高い者がいれば仲間に引き込むこと〟〝もし相手が断ったならば殺せ〟という条件で。」
黒髪ロングさんが語ったのです。
「それを承諾してしまったんですか??」
眉間にシワを寄せる私に、
「仕方ないでしょ。」
「誰も死にたくなかったんだから。」
黒髪ロングさんが、どこか諦めともとれる感じで開き直ります。
「……、あれ?」
「でも、先ほどエネミーを倒していましたよね??」
「コンビニ付近で。」
こうした質問を投げかけたところ、
「あぁー。」
「確かにね。」
「けれども、私たちが攻撃していたのは“天使”と“仏”だけよ。」
「“魔物”と“妖怪”は、我々とは互いに危害を及ぼさない約束になっているから。」
そう答えたのです。
イマイチよく分からない私は〝んん~?〟と首を傾げます。
「つまり、私達のボスが“妖魔の類”ってことよ。」
「あと…、〝それらのモンスターが殲滅されそうになっていたとしても救わなくていい〟といった話しにもなっているの。」
「だって、助けようものなら、こっちが周りに疑われるでしょ。」
「私たちの任務は“スカウト”と“抹殺”なんだから。」
「人外とのバトルは、あくまで“カモフラージュ”よ。」
このように教えられ、
「成程。」
一応に納得した私です。
許容はしていませんけどね!
「もうひとつ、いいですか?」
新たに伺ったら、
「……、ま、ついでに、どうぞ。」
黒髪ロングさんが、軽く肩をすくめました。
「では…。」
「何故、私達を選んだのでしょうか??」
「あの場には、他にも強い方々がいらっしゃったのでは?」
「やはり、〝日本人に興味を抱いた〟とか??」
そう訊ねてみたところ、
「んー、それもあるけど……。」
「私のジョブ“アサシン”は、〝生命体を探知する能力〟を持っているのよ。」
「で。」
「“LV.20”になったときに、このスキルが進化したの。」
「〝対象者たちのレベルが表示される〟といった具合にね。」
「それで見た結果、さっきの戦闘では〝あなた達が最も優れていた〟という訳よ。」
との説明を受けたのです。
私などの地元の“神岳穂積さん”も【アサシン】ですが、ここのところお会いしていないので、その情報は初耳であります。
とかく。
〝ふむ〟と頷いた私に、
「それで?」
「どうする?? コトハちゃん。」
「加入してもらえるのかしら?」
こう問い掛けてくる“黒髪ロングさん”でした―。
「あのぉー、……。」
「どちらまで?」
1Mぐらい前を進む黒髪ロングさんに尋ねてみたところ、
「ん。」
「ここら辺で、いいか。」
ふと足を止めました。
“回れ右”して、私のほうへと体の向きを変えた黒髪ロングさんが、
「実はね…。」
「私たち、サードステージの“ボスキャラ”に従っているの。」
こう告げてきたのです。
あまりの事に私が〝は??〟と目を丸くしたら、
「まぁ、そういうリアクションになるわよね……。」
「とりあえず、聞いてもらっていいかしら?」
そのように窺ってきました。
私が少なからず警戒するなか、
「こないだ、幾つかのパーティーと連合を組んで、ボスに挑戦したんだけど、殆ど歯が立たず、過半数が亡くなってしまったの。」
「そして…、生き残った人達を〝我が配下となれば命を奪わないでやろう〟ってボスキャラが勧誘してきたのよ。」
「〝比較的レベルが高い者がいれば仲間に引き込むこと〟〝もし相手が断ったならば殺せ〟という条件で。」
黒髪ロングさんが語ったのです。
「それを承諾してしまったんですか??」
眉間にシワを寄せる私に、
「仕方ないでしょ。」
「誰も死にたくなかったんだから。」
黒髪ロングさんが、どこか諦めともとれる感じで開き直ります。
「……、あれ?」
「でも、先ほどエネミーを倒していましたよね??」
「コンビニ付近で。」
こうした質問を投げかけたところ、
「あぁー。」
「確かにね。」
「けれども、私たちが攻撃していたのは“天使”と“仏”だけよ。」
「“魔物”と“妖怪”は、我々とは互いに危害を及ぼさない約束になっているから。」
そう答えたのです。
イマイチよく分からない私は〝んん~?〟と首を傾げます。
「つまり、私達のボスが“妖魔の類”ってことよ。」
「あと…、〝それらのモンスターが殲滅されそうになっていたとしても救わなくていい〟といった話しにもなっているの。」
「だって、助けようものなら、こっちが周りに疑われるでしょ。」
「私たちの任務は“スカウト”と“抹殺”なんだから。」
「人外とのバトルは、あくまで“カモフラージュ”よ。」
このように教えられ、
「成程。」
一応に納得した私です。
許容はしていませんけどね!
「もうひとつ、いいですか?」
新たに伺ったら、
「……、ま、ついでに、どうぞ。」
黒髪ロングさんが、軽く肩をすくめました。
「では…。」
「何故、私達を選んだのでしょうか??」
「あの場には、他にも強い方々がいらっしゃったのでは?」
「やはり、〝日本人に興味を抱いた〟とか??」
そう訊ねてみたところ、
「んー、それもあるけど……。」
「私のジョブ“アサシン”は、〝生命体を探知する能力〟を持っているのよ。」
「で。」
「“LV.20”になったときに、このスキルが進化したの。」
「〝対象者たちのレベルが表示される〟といった具合にね。」
「それで見た結果、さっきの戦闘では〝あなた達が最も優れていた〟という訳よ。」
との説明を受けたのです。
私などの地元の“神岳穂積さん”も【アサシン】ですが、ここのところお会いしていないので、その情報は初耳であります。
とかく。
〝ふむ〟と頷いた私に、
「それで?」
「どうする?? コトハちゃん。」
「加入してもらえるのかしら?」
こう問い掛けてくる“黒髪ロングさん”でした―。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のルナリス伯爵家にミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

友人Aの俺は女主人公を助けたらハーレムを築いていた
山田空
ファンタジー
絶対に報われない鬱ゲーというキャッチコピーで売り出されていたゲームを買った俺はそのゲームの主人公に惚れてしまう。
ゲームの女主人公が報われてほしいそう思う。
だがもちろん報われることはなく友人は死ぬし助けてくれて恋人になったやつに裏切られていじめを受ける。
そしてようやく努力が報われたかと思ったら最後は主人公が車にひかれて死ぬ。
……1ミリも報われてねえどころかゲームをする前の方が報われてたんじゃ。
そう考えてしまうほど報われない鬱ゲーの友人キャラに俺は転生してしまった。
俺が転生した山田啓介は第1章のラストで殺される不幸の始まりとされるキャラクターだ。
最初はまだ楽しそうな雰囲気があったが山田啓介が死んだことで雰囲気が変わり鬱ゲーらしくなる。
そんな友人Aに転生した俺は半年を筋トレに費やす。
俺は女主人公を影で助ける。
そしたらいつのまにか俺の周りにはハーレムが築かれていて

クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。
目覚めると彼は真っ白な空間にいた。
動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。
神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。
龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。
六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。
神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。
気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる