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4th STAGE/国を渡ってゆかねばならぬのです。
231.相容れないもの・ぜんぺん
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〝護身用に〟との理由で左腰に[ダガー]を帯びていらっしゃる黒髪ロングさんに連れられて、割と幅が狭い“路地裏”を歩いています。
「あのぉー、……。」
「どちらまで?」
1Mぐらい前を進む黒髪ロングさんに尋ねてみたところ、
「ん。」
「ここら辺で、いいか。」
ふと足を止めました。
“回れ右”して、私のほうへと体の向きを変えた黒髪ロングさんが、
「実はね…。」
「私たち、サードステージの“ボスキャラ”に従っているの。」
こう告げてきたのです。
あまりの事に私が〝は??〟と目を丸くしたら、
「まぁ、そういうリアクションになるわよね……。」
「とりあえず、聞いてもらっていいかしら?」
そのように窺ってきました。
私が少なからず警戒するなか、
「こないだ、幾つかのパーティーと連合を組んで、ボスに挑戦したんだけど、殆ど歯が立たず、過半数が亡くなってしまったの。」
「そして…、生き残った人達を〝我が配下となれば命を奪わないでやろう〟ってボスキャラが勧誘してきたのよ。」
「〝比較的レベルが高い者がいれば仲間に引き込むこと〟〝もし相手が断ったならば殺せ〟という条件で。」
黒髪ロングさんが語ったのです。
「それを承諾してしまったんですか??」
眉間にシワを寄せる私に、
「仕方ないでしょ。」
「誰も死にたくなかったんだから。」
黒髪ロングさんが、どこか諦めともとれる感じで開き直ります。
「……、あれ?」
「でも、先ほどエネミーを倒していましたよね??」
「コンビニ付近で。」
こうした質問を投げかけたところ、
「あぁー。」
「確かにね。」
「けれども、私たちが攻撃していたのは“天使”と“仏”だけよ。」
「“魔物”と“妖怪”は、我々とは互いに危害を及ぼさない約束になっているから。」
そう答えたのです。
イマイチよく分からない私は〝んん~?〟と首を傾げます。
「つまり、私達のボスが“妖魔の類”ってことよ。」
「あと…、〝それらのモンスターが殲滅されそうになっていたとしても救わなくていい〟といった話しにもなっているの。」
「だって、助けようものなら、こっちが周りに疑われるでしょ。」
「私たちの任務は“スカウト”と“抹殺”なんだから。」
「人外とのバトルは、あくまで“カモフラージュ”よ。」
このように教えられ、
「成程。」
一応に納得した私です。
許容はしていませんけどね!
「もうひとつ、いいですか?」
新たに伺ったら、
「……、ま、ついでに、どうぞ。」
黒髪ロングさんが、軽く肩をすくめました。
「では…。」
「何故、私達を選んだのでしょうか??」
「あの場には、他にも強い方々がいらっしゃったのでは?」
「やはり、〝日本人に興味を抱いた〟とか??」
そう訊ねてみたところ、
「んー、それもあるけど……。」
「私のジョブ“アサシン”は、〝生命体を探知する能力〟を持っているのよ。」
「で。」
「“LV.20”になったときに、このスキルが進化したの。」
「〝対象者たちのレベルが表示される〟といった具合にね。」
「それで見た結果、さっきの戦闘では〝あなた達が最も優れていた〟という訳よ。」
との説明を受けたのです。
私などの地元の“神岳穂積さん”も【アサシン】ですが、ここのところお会いしていないので、その情報は初耳であります。
とかく。
〝ふむ〟と頷いた私に、
「それで?」
「どうする?? コトハちゃん。」
「加入してもらえるのかしら?」
こう問い掛けてくる“黒髪ロングさん”でした―。
「あのぉー、……。」
「どちらまで?」
1Mぐらい前を進む黒髪ロングさんに尋ねてみたところ、
「ん。」
「ここら辺で、いいか。」
ふと足を止めました。
“回れ右”して、私のほうへと体の向きを変えた黒髪ロングさんが、
「実はね…。」
「私たち、サードステージの“ボスキャラ”に従っているの。」
こう告げてきたのです。
あまりの事に私が〝は??〟と目を丸くしたら、
「まぁ、そういうリアクションになるわよね……。」
「とりあえず、聞いてもらっていいかしら?」
そのように窺ってきました。
私が少なからず警戒するなか、
「こないだ、幾つかのパーティーと連合を組んで、ボスに挑戦したんだけど、殆ど歯が立たず、過半数が亡くなってしまったの。」
「そして…、生き残った人達を〝我が配下となれば命を奪わないでやろう〟ってボスキャラが勧誘してきたのよ。」
「〝比較的レベルが高い者がいれば仲間に引き込むこと〟〝もし相手が断ったならば殺せ〟という条件で。」
黒髪ロングさんが語ったのです。
「それを承諾してしまったんですか??」
眉間にシワを寄せる私に、
「仕方ないでしょ。」
「誰も死にたくなかったんだから。」
黒髪ロングさんが、どこか諦めともとれる感じで開き直ります。
「……、あれ?」
「でも、先ほどエネミーを倒していましたよね??」
「コンビニ付近で。」
こうした質問を投げかけたところ、
「あぁー。」
「確かにね。」
「けれども、私たちが攻撃していたのは“天使”と“仏”だけよ。」
「“魔物”と“妖怪”は、我々とは互いに危害を及ぼさない約束になっているから。」
そう答えたのです。
イマイチよく分からない私は〝んん~?〟と首を傾げます。
「つまり、私達のボスが“妖魔の類”ってことよ。」
「あと…、〝それらのモンスターが殲滅されそうになっていたとしても救わなくていい〟といった話しにもなっているの。」
「だって、助けようものなら、こっちが周りに疑われるでしょ。」
「私たちの任務は“スカウト”と“抹殺”なんだから。」
「人外とのバトルは、あくまで“カモフラージュ”よ。」
このように教えられ、
「成程。」
一応に納得した私です。
許容はしていませんけどね!
「もうひとつ、いいですか?」
新たに伺ったら、
「……、ま、ついでに、どうぞ。」
黒髪ロングさんが、軽く肩をすくめました。
「では…。」
「何故、私達を選んだのでしょうか??」
「あの場には、他にも強い方々がいらっしゃったのでは?」
「やはり、〝日本人に興味を抱いた〟とか??」
そう訊ねてみたところ、
「んー、それもあるけど……。」
「私のジョブ“アサシン”は、〝生命体を探知する能力〟を持っているのよ。」
「で。」
「“LV.20”になったときに、このスキルが進化したの。」
「〝対象者たちのレベルが表示される〟といった具合にね。」
「それで見た結果、さっきの戦闘では〝あなた達が最も優れていた〟という訳よ。」
との説明を受けたのです。
私などの地元の“神岳穂積さん”も【アサシン】ですが、ここのところお会いしていないので、その情報は初耳であります。
とかく。
〝ふむ〟と頷いた私に、
「それで?」
「どうする?? コトハちゃん。」
「加入してもらえるのかしら?」
こう問い掛けてくる“黒髪ロングさん”でした―。
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