JK LOOPER

猫乃麗雅

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4th STAGE/国を渡ってゆかねばならぬのです。

229.遭逢①

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お外に出た私たちは、コンビニで購入しておいた品々を各自の[アイテムボックス]に転送しました。

その流れで[戦闘モード]にチェンジしていったのです。

あちらこちらには少なからず武装している方々が見受けられます。

それらに気づいたタイミングで時間となったようで、エネミー集団が現れました。

このため、速やかにバトルを開始していく我々です……。


およそ40分後に人外を殲滅し終え、既に日没となっているなかで[私服]へと変えていきます。

そこへ、

「ねぇ、さっき、あなた達が使っていた言葉って、日本語で間違いないよね??」

ある女性が声をかけてきました。

身長は165㎝くらいでしょうか?

黒髪ロングで、スレンダーな体型をしております。

この背後には7人の女性が佇んでいました。

ヘアスタイルは、“茶髪ハーフアップ/茶髪セミロング/金髪セミロング/金髪ショートパーマ/黒髪ベリーショート/赤髪ツインテール”と、さまざまです。

「もしかして、そっちも日本人??」

そう尋ねたのは聡真そうまくんであります。

これに、あちらの半数がザワつきました。

「どうしたの?」

茶髪セミロングさんの質問に、

「実は…。」

金髪ショートパーマさんが答えていきます。

その数十秒後に、私たちも理由を教えてもらったのです……。


[8人組の女性]は日本人と台湾人が半分ずつのグループでした。

“日本の4人”は〝ニ年ほど前に移住してきた〟のだそうです。

こちらの8人は〝共通のビジネスや趣味で知り合い友達になった〟〝その御縁ごえんでパーティ―を組んだ〟との話しであります。

なお、“台湾の4人”は〝もともと日本に興味があり語学を学んでいた〟とのことでした。

その人たちが、先ほど脳内で[自動通訳]が起こり〝驚いた〟のだと説明してくださったのです。

これに〝あぁー成程ぉ〟と納得する私でした。

「ところで。」
「子供しかいないみたいだけど、大人は一緒じゃないの??」

リーダーらしき“日本人の黒髪ロングさん”に訊ねられ、聡真くんが事情を伝えてくれます…。


「“蘇生術士”ねぇ……。」
「ここら辺りに来てたっけ?」

後ろを振り向いて確認した黒髪ロングさんに、他のメンバーが〝さぁ??〟といった感じで首を傾げました。

「じゃあ〝別の場所に行った〟てこと?」

そのような疑問を口にしたのは、陽斗はるとくんです。

「まだそうと決まったわけではないだろうから、この地域を探してみる??」

壱紀かずきくんに窺われ、

「うん、それがいいかもね。」

同意した私は、

「問題あるかな?」

念のため聡真くんに確認してみました。

なにせ、彼は、[最神家もがみけイトコーズ]の“頭脳”ですから!

「まぁ、“台湾の蘇生術士”に関して殆ど分からないなかで、闇雲に探し回っても無駄骨になるだけだろうし。」
「取り敢えず九份カウフンで情報を集めよう。」

聡真くんが賛成してくれたところで、

「お姉ちゃん、おなかいたぁ。」

脱力しながら告げてきた琴音ことねであります。

この右隣で、

「あたしもぉー。」

月媛ひかりちゃんが続いたのです。

そうした様子に、

「だったら、飲食店に案内してあげようか??」
「今の日本の状況について聞きたいし…、良ければ一緒に食事しない?」

優しく微笑みながら提案してくる“黒髪ロングさん”でした―。
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