JK LOOPER

4th STAGE／国を渡ってゆかねばならぬのです。

228.サーチ①

PM15:50発のバスに揺られて、およそ10分後に降り立ちたるは“西門町シーメンディン”であります。

その風景に、

「日本で言うところの原宿とか渋谷かな？」

ふと呟いたのは、壱紀かずきくんです。

「まぁ、そんな感じだね。」

こう返した聡真そうまくんが、

「それにしても、“蘇生術士”の情報を得たいのに、手掛かりがなさすぎだなぁ。」

〝うぅ～む〟と考え込みました。

そんなタイミングで、

「あれって警察じゃない？？」
「とりあえず聞いてみる？」

陽斗はるとくんが提案します。

彼の視線を辿ってみたところ、少し離れた場所を二人組の婦警さんがパトロールしていたのです。

なんとも都合よく……。


全員が小走りで駆け寄りました。

こうした流れで、

「ちょっと、いいですか？？」

声をかけたのは、聡真くんです。

基本的に人見知りな私にしてみれば非常に助かります。

それはさて置き。

婦警さん達が目を丸くしていました。

おそらくは例の“自動通訳”に驚いたのでしょう。

これを意に介さず、[台湾の蘇生術士]について尋ねる聡真くんでした…。


黒髪セミロングの婦警さんが、

「確か……、数日前まではこの町に滞在していたけれど、九份カウフンあたりに移動したんじゃなかったかしら？」

そう喋るのと共に、首を傾げます。

「あぁー、同僚が噂していたわねぇ。」

このように補足したのは、黒髪ショートの婦警さんです。

〝ふむ〟と頷いた聡真くんが、

「カウフンに向かうには、電車とバスどっちが便利ですか？？」

改めて質問しました。

「ここからであれば高速バスが出ているから、それが一番いいわよ。」

黒髪セミロングさんが教えてくださったことによって、お礼を述べた我々は、時刻や料金を調べに赴いたのです…。


まず、片道90元というのが判明しました。

日本に換算すると“約330円”なのだそうです。

かなりの安さに耳を疑った私であります……。


発車まで30分程あったので、喫茶店を探す事にしました。

〝さっきワクドナルドに行ったのに？〟と指摘した聡真くんを説得して☆彡

そんなこんなで、あるカフェを見付けたのです。

“フルーツたっぷりのスムージー”が人気らしく、それぞれに好みの品を注文しました。

値段は、どれも500円以内で収まっています。

日本…、特に東京だと倍の価格はしそうなので、少なからずビックリしたのでした。


PM17:50過ぎに、到着したるは、[九份老街ラオジエ]というバス停です。

「で？？」
「ここからは？」
「もうすぐ人外が出現する時間だけど、どうするの？？」

壱紀くんに訊ねられ、

「近くのコンビニに入ってみようか。」
「店員と話せば何か分かるかも？」

このように返した聡真くんです……。


[蘇生術士]に関して伺ってみたものの、全くもって不明でした。

そのまま去っても構わなかったのでしょうが、一つでも商品を買わないと気が引けてしまう小心者な私であります☆

いえ、人として当然の礼儀である筈です！

なんだか自己正当化している感じは否めませんが…。

ともあれ。

割と上機嫌で、お菓子を幾つか手に取っていきます。

この後ピンチに陥るとは思いもよらずに―。