JK LOOPER

ネコのうた

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3rd STAGE/海を越えねばならぬのです。

218.高千穂神社奪還戦⑥

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膝立ちのボスキャラが、[ラージソード]を大きく振りかぶりました。

しかしながら、月姫ひかりちゃんによる【サンダー】が未だ影響しているのか、少なからず痙攣して、動きが止まったのです。

それでも、

「ぬがッ!」

根性で武器を叩き付けてきました。

この範囲に居た人々はもとより、天使たちも、既に離れています。

よって、くうを切った[大剣]は、地面に〝ドシュッ!!〟と当たり、またしても砂利が飛び散ったのです。

琴音ことねなどが改めて【恩恵】を施していき、親玉が体制を整え直そうとするなか、

影分身かげぶんしん!」

2人になった忍者さんが、

雷遁らいとんの術!!」

“直径10㎝×長さ無限”といった感じのスキルを発動しました。

腰あたりに“二つの雷”がヒットしたボスは、新たに感電して、自身の右側へと崩れ落ちます。

私達の戦法をパク、いえ、真似するとは…、〝ナイス判断〟の忍者さんです。

あー、我々こそ“二番煎じ”でしたね。

……、いやいや、そういう考えはやめておきましょう、この際。

重要なのは〝協力し合う事〟だと思うので☆

さて。

ボスキャラに追加の攻撃を仕掛けようとした忍者さんを、数体のエンジェルソルジャーが阻みました。

これをきっかけに、敷地内で再びの乱闘が繰り広げられていきます。

あと少しで総大将を倒せるはずなのに、天使兵たちに邪魔ばかりされて、なかなか届きません。

エンジェルソルジャー達のほうが人間よりも数が多く、完全に翻弄されており、もどかしい限りです。

そうしたなかで、1人の状態に戻っていた忍者さんが、

「騎士は“挑発”を!」

周囲に声をかけました。

これによって〝ハッ〟としたらしい男女4名が、各自で出現させた[盾]を掴んでいきます。

その流れで能力を用いて、天使兵たちを引きつけたのです。

四つのグループに分かれていくエンジェルソルジャー達を見つつ、

「へぇー、そういうのが可能なんだ。」

聡真そうまくんが感心しました。

宮崎の方々が天使兵を標的としていく最中さなか、後ろを振り向いた陽斗はるとくんが、

「ソウくん!!」
「オレらも参加していいんだよね!?」

念の為に確認してきます。

これに対して、

「あぁー、うん。」
「…、いや。」
「僕たちは、ボスを攻略しよう。」
「ゲームであれば、とどめを刺したプレイヤーか、そのパーティーが、貴重なアイテムを獲得すしやすいから。」
「もし、この世界を変えた黒幕が、そういったのを導入しているのであれば、外国へ渡る方法をゲットできるはず。」

そのように聡真くんが分析したのです。

「成程。」

理解を示した壱紀かずきくんが、

「それじゃあ……。」

親玉に視線を送りました。

同じタイミングで、敵は、横になったまま、左手から闇雲に【ビーム】を放ってきたのです。

これ・・が、〝ズバッオウ!!〟と、我が妹に直撃します。

「琴音!」

私が焦るなか、

「がはッ!!」

血を吐いた妹は、[薙刀]を杖代わりにしながら、〝すぅ― はぁ―〟と深呼吸したのです。

私を始め、親族が安堵していたところで、

「ふぅ――ッ、ぬうぅ~ッ。」

総大将が立ち上がりました。

「かみなりぃーッ!」

月姫ちゃんが発射するも、それを読んでいたらしいボスキャラは、先に空中へと浮いて、逃れたのです。

「何度も同じ手をくらう訳がなかろう。」

こう述べた親玉が、左のてのひらを突きだします。

どうやら、月姫ちゃんを“ロックオン”した模様です。

そこへ、

「ライトビーム!!」

ボスよりも早く【灯火あかりの光線】を飛ばす琴音でした。

これ・・を、ただでさえ負傷している“左すね”に当てられた総大将が、

「ぐッ!」

バランスを崩すも、持ちこたえます。

「しぶといな…。」
「カズくんとハルト以外は、翼を狙って、あいつを墜とそう!!」

そう指示した聡真くんが、[二丁拳銃]を発砲しだしたのです。

彼に続いて、私は矢をり、琴音が【ライト・ビーム】を扱いました。

体を捻って躱すボスキャラに、

「ばくはつの玉ぁ!」

月姫ちゃんが“直径2M”になっている【エクスプロージョン・ボール】を放ちます。

反応したものの、けきれなかった敵は、左下の翼を〝ボォオ――ンッ!!〟と爆破されたのです。

この影響で着地したボスが、

「ぎッ!」

痛がりました。

何せ、両足を怪我していますからね。

特に左脛の傷は深いようです♪

ふらつく親玉めがけて駆けるは、陽斗くんであります。

そのままの勢いで、

刺突しとつ!!」

またしても右脛にダメージを負わせました。

「うッ!」

低く呻いたボスキャラが、右下から[ソード]を斬り上げようとするも、モーションが雑になっていたので、

「身かわし!!」

陽斗くんはバックステップで軽々と逃れたのです。

もう一度、間合いを詰めようとする陽斗くんへ、総大将が武器を払います。

これをも回避した陽斗くんに、

猪口才ちょこざいなッ!」

苛ついたボスが、【ビーム】を用いるべく構えました。

しかし。

親玉が陽斗くんに気を取られていた隙に、近づいていた壱紀くんが、

「デストロイ!!」

左脛へと[バトルアックス戦斧]をフルスイングしたのです。

「がぁあッ!」

ボスキャラは、堪らず、自分の左へ〝ドォン!!〟と横転しました。

そこに、

「カミナリ――ッ!」

すかさず【雷撃】をヒットさせる月姫ちゃんであります。

旅に出る前に比べて、容赦ない性格になったものです。

人は、これを、成長と呼ぶのでしょうか?

無意識のうちに“遠い目”となった私は、

「さぁ、仕留めよう。」

聡真くんに促されて、我に返ったのでした―。
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