JK LOOPER

猫乃麗雅

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3rd STAGE/海を越えねばならぬのです。

216.高千穂神社奪還戦④

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琴音ことね!」
「とりあえず“恩恵”を!!」

私の呼びかけにて、右斜め前に居る妹が、

「おんけい!」

すぐに反応してくれました。

これに〝ハッ!!〟としたらしい他の[巫女]と[神官]の方々も“ステータス倍増”のスキルを扱っていきます。

その流れで、先頭集団の男性が【閃光】も発動したのです。

ちなみに、琴音を除くと、巫女と神官は2人ずつの計4名のため、皆に【恩恵】が施された訳ではありません。

また、“天使兵”の三割ぐらいは、閃光の範囲外だったらしく、目が眩んでいないようでした。

こうした状況で、

「突撃ぃーッ!」

走りだした忍者さんに、誰もが続いていきます。

そこへ、およそ400数の“エンジェルソルジャー”が、一斉に指先から【ビーム】を放ったのです。

これらの殆どは、おもいっきり逸れております。

天使たちの多くが見えていないので。

他にも、何人かは、上手く躱したり、スキルや攻撃魔法をブツケて、回避していました。

ただ、半分くらいの人々は、肩や腹部を貫かれたみたいで、倒れてしまったのです。

最後尾の[最神家もがみけイトコーズ]には【光線】が当たらなかったので、全員が無傷であります。

しは別として。

ともあれ。

影分身かげぶんしん!!」

二人になった忍者さんが、

火遁かとんの術!」

左のてのひらより“最小直径5㎝×最大直径29㎝×長さ2M”といった感じの【炎の渦】を、分身と同時に・・・・・・飛ばしたのです。

我ら[モガミーズ]が再び〝おお―!!〟と瞳を輝かせるなか、負傷している方々がポーションや魔法で癒していきます。

ちなみに、忍者さんによる二つの【火炎】は、ボスエンジェルの両すねにヒットするなり〝ボォウッ!〟と燃えて、消えました。

「おのれッ。」

いかり気味になった[9M級の天使]が、鞘から抜いた“大剣”を振り被ります。

どうやら、ボスは、目を瞑っているようです。

その親玉が“ラージソード”を叩き付けてくるよりも早く、

水遁すいとんの術!!」

忍者さんが、“直径5㎝で、先端が尖っており、長さ2M”といった【水の杭】を、やはり分身と共に発射して、ボスキャラの足に直撃させました。

こういった光景に、またしても〝ぅお―ッ!〟とテンションが上がってしまった我々親族一同であります。

バトルの最中だというのにも関わらず、お恥ずかしい限りです。

なお、忍者さんは、分身がタイムリミットを迎えたみたいで、一人になっています。

そうしたタイミングで、各パーティーが逆襲に転じました。

神官や巫女はもとより、騎士/戦士/剣士/侍/武闘家/魔法使い/弓使い/アサシン/機工士/盗賊シーフ罠士トラッパーと、男女問わず様々です。

ただし、[忍者]は“ツンツン黒髪で華奢な男性”のみなので、レアな職種なのかもしれません。

まぁ、こちらとしても会った事のなかったジョブなので、可能性は高いでしょう。

多分、きっと。

……、話しを戻して。

奮闘する宮崎の人々に、エンジェルソルジャー達が【ビーム】を新たに用いました。

それらによってダメージを負った約30名が、地面に膝を着いていきます。

すぐさま、

「治癒!!」

「体力回復ポーション!」

といった声が幾つも聞こえてくるなか、

「僕たちも参戦しよう。」
「予定どおり、カズくんとハルトはボスを、残りの4人は兵隊を、それぞれに狙って。」

聡真そうまくんの指示を受け、壱紀かずきくん&陽斗はるとくんが前線へと駆けてゆきました。

更には、

「ライトビィームッ!!」

琴音が“直径35㎝×長さ無限”の【灯火あかりの光線】を、

「かぜぇー!」

月媛ひかりちゃんは“最小直径21㎝×最大直径50㎝×長さ2.1M”といった【風撃】を、放ったのです。

この二人に合わせるかのように、聡真くんが[二丁拳銃]を、私は[ピストルクロスボウ]を、っていきます。

一方、走り抜けた壱紀くんと陽斗くんが、そのままの勢いで、

「デストロイ!!」

刺突しとつ!」

スキルを扱い、親玉の“左右の脛当て”に大きく亀裂を生じさせました。

「ぐあッ?!!」

派手に血飛沫ちしぶきが舞った[神下九部衆しんかきゅうぶしゅう一柱ひとはしら]は、〝ズドォオンッ!〟と尻餅を着いたのです。

ここに至るまで、おニューな武器の威力は“サードステージのエネミー達”との戦闘で理解していましたが、私は驚きを隠せずにいます。

タイムループする前の段階に比べて、かなり効いているのが明らかなので。

それはさておき。

ボスキャラへと改めてスキルを発動しようとする壱紀くん&陽斗くんコンビに、天使兵の40体ほどが襲い掛かりました。

“剣”で斬り付けようとしていることからして、視力が正常化したのでしょう。

壱紀くんは【破壊】にて薙ぎ払い、陽斗くんは【身かわし】でけまくっています。

この間に、360体ぐらいのエンジェルソルジャーも、それぞれに得物を定めたらしく、急降下を始めたのです。

各自が対応していたところ、立ち上がった“親玉”が、

「離れよ。」

配下の天使たちに命令しました。

エンジェル軍団が散らばっていくなか、

ね。」

ボスが左手を壱紀くんへと突き出します。

(やばい!!)
あれ・・を放つ気だ!)

ループ以前の惨劇が脳裏にぎった私は、

「逃げて!!」

急ぎ促したものの、少し遅かったようです。

総大将による“直径1Mあたり”といった【ビーム】の犠牲になる従兄妹いとこに、全細胞が〝ゾワッ!〟とする私でした―。
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