211 / 291
3rd STAGE/海を越えねばならぬのです。
211.高千穂神社奪還戦②
しおりを挟む
天使たちが宙に浮いているなか、ボスキャラだけが着地しました。
そうして、
「さぁ、どうするか、聞かせよ。」
我々を見下ろしてきたのです。
多勢に無勢のため勝てそうになく、弱腰になった私が、
(ここは、従うフリして、逃げたほうがいいかも?)
このように思ったところ、
「断る!!」
陽斗くんと、
「言いなりにはならない!」
壱紀くんが、あっさり拒否しました(汗)
「ならば、死ね。」
[9M級のボス]が冷酷に告げるなり、エンジェル達が武器を手にしたのです。
すかさず、
「せん光!!」
「おんけい!」
琴音がスキルを用います。
天使たちは目が眩んだようですが、なかでも4割ぐらいが一斉に指から【光線】を飛ばしてきました。
その殆どは外れたものの、【身かわし】が間に合わなかった陽斗くんも含めて、全員が負傷し、膝を屈してしまったのです。
苦しそうにしながら後ろを振り返った琴音が、“左の掌”を出して、
「治ゆ。」
月媛ちゃんを回復してあげます。
最年少さんを優先するとは、できた妹です♪
こう感心するなか、壱紀くん&陽斗くんが出現させた[体力回復ポーション]を摂取していきます。
私も二人に倣い、琴音は自身に【治癒魔法】を施しました。
皆が立ち上がっていく流れで、
「地走り!!」
壱紀くんが[バトルアックス]の刃を用いて、地面を段々に隆起させたのです。
それがボスキャラの“左脛当て”に罅を生じさせたのを皮切りに、
「こおりーッ!!」
月媛ちゃんが【氷撃】を、
「ライト・ビーム!」
我が妹は【灯火の光線】を、ほぼ同時に放ちました。
これらが、私が発砲した弾丸と一緒に、[神下九部衆]とやらの両足にヒットします。
また、既に距離を詰めていた陽斗くんは、
「刺突!!」
右の脛を防具ごと貫いたのです。
「ぐぅ~ッ。」
[総大将]は少なからず痛がったものの、
「成程。」
「威勢がいいだけあって、それなりに強いな。」
冷静に述べて、鞘から抜いた“大剣”を振り被りました。
あくまで私の印象ではありますが、“柄の長さ1.5M×剣身4M×元幅50㎝”といったところです。
そんな“ソード”を、
「むんッ!」
おもいっきり叩き付けてきます。
しかしながら、ボスも視力を奪われているらしく、誰にも直撃しませんでした。
とはいえ。
〝ズドォオンッ!!〟という地響きが鳴るなかで、小石が飛び散り、砂が舞いました。
この所為で、私も瞳を閉じてしまったのです。
驚きのあまりに委縮してしまいながらも、瞼を開けてみたら、[総大将]が左手で【光線】を扱ったところでした。
直径1Mはありそうな【ビーム】が、〝ズバォウッ!〟と琴音にヒットします。
装備品の半分ほどが砕けたり破れたりしていくなか、
「がはッ!!」
血を吐いた妹は、うつ伏せに崩れたのです。
「琴音!」
私が焦って駆けだそうとしたら、エンジェルソルジャー達までもが【ビーム】を放ってきたのでした。
それらが再び我々にダメージを負わせ、横転させます。
ふと視界に入った月媛ちゃんが、痙攣した後に、〝ピタッ〟と止まりました。
(まさか!?)
嫌な予感がして、四つん這いで近づいてみたところ、息をしている気配がなかったのです。
〝ペタン〟と正座した私が、
「カズくん。」
「ヒカリちゃんが…。」
脱力するのと共に伝えたら、
「……、嘘だろ。」
ほふく前進しつつ、
「月媛。」
「月媛ぃーッ!!」
壱紀くんが愕然とします。
この最中に、
「コトハ姉ちゃん!」
慌てた様子で陽斗くんが声をかけてきたのです。
その方角に顔を向けたところ、琴音の側で、陽斗くんが膝立ちしていました。
私と目が合うなり、陽斗くんが首を左右に振ります。
妹が亡くなった事を察した私は、
「う、うう…、うわぁあああ――ッ!!!!」
ボスキャラに対して、怒り任せで“ピストルグレネードランチャー”のトリガーを引いたのです。
これが右脛に当たり、
「ぐぬッ!!」
呻いた敵が、
「……、ふむ。」
「屠れたのは二人だけか。」
「まぁ、よい。」
「これより、お前たちもソヤツらの所に届けてやるから、悲観するな。」
そのように喋りました。
おそらく、ステータスが正常化したのでしょう。
「このッ!」
ダッシュした陽斗くんが、
「刺と」
能力を発するよりも速く、
「ふんッ。」
総大将が剣を払います。
喉元が斬れてしまったらしい陽斗くんは、血を噴射しながら、左へと倒れたのです。
こういった光景に、私の思考回路はストップしかけていました。
言葉も出ない私を、
「次は、“銃使い”をラクにしてやろう。」
ボスが左手で“ロックオン”します。
【光線】が迫るなか、私の眼前に〝ふらふら〟と歩いてきた壱紀くんが、
「あとは、よろしく。」
そう呟いて、身代わりになったのです。
仰向けとなる壱紀くんに、私が放心していたところ、
「順番が変わってしまったが、ま、問題はない。」
「お前も、すぐに、冥界へと送ってやる故。」
ボスキャラが宣告してきました。
一人だけ生き残った私には、為す術などありません。
〝ピストルで自ら命を絶って時を戻す〟という方法が脳裏に過ぎりましたが、これは和歌山県の或る島を舞台にタイムループする男子高校生のパクリになりかねないので、止めておくことにしました。
そもそも、ああいう類の度胸は、私には皆無です。
いささか頭が働くようにはなったものの、私の戦意は喪失したままとなっています。
「殺れ。」
総大将の命令にて、子分らの6割くらいが、指から【ビーム】を飛ばしてきました。
ただ睨み付けるしかできない私は、これらによって“蜂の巣”にされてしまったのです―。
そうして、
「さぁ、どうするか、聞かせよ。」
我々を見下ろしてきたのです。
多勢に無勢のため勝てそうになく、弱腰になった私が、
(ここは、従うフリして、逃げたほうがいいかも?)
このように思ったところ、
「断る!!」
陽斗くんと、
「言いなりにはならない!」
壱紀くんが、あっさり拒否しました(汗)
「ならば、死ね。」
[9M級のボス]が冷酷に告げるなり、エンジェル達が武器を手にしたのです。
すかさず、
「せん光!!」
「おんけい!」
琴音がスキルを用います。
天使たちは目が眩んだようですが、なかでも4割ぐらいが一斉に指から【光線】を飛ばしてきました。
その殆どは外れたものの、【身かわし】が間に合わなかった陽斗くんも含めて、全員が負傷し、膝を屈してしまったのです。
苦しそうにしながら後ろを振り返った琴音が、“左の掌”を出して、
「治ゆ。」
月媛ちゃんを回復してあげます。
最年少さんを優先するとは、できた妹です♪
こう感心するなか、壱紀くん&陽斗くんが出現させた[体力回復ポーション]を摂取していきます。
私も二人に倣い、琴音は自身に【治癒魔法】を施しました。
皆が立ち上がっていく流れで、
「地走り!!」
壱紀くんが[バトルアックス]の刃を用いて、地面を段々に隆起させたのです。
それがボスキャラの“左脛当て”に罅を生じさせたのを皮切りに、
「こおりーッ!!」
月媛ちゃんが【氷撃】を、
「ライト・ビーム!」
我が妹は【灯火の光線】を、ほぼ同時に放ちました。
これらが、私が発砲した弾丸と一緒に、[神下九部衆]とやらの両足にヒットします。
また、既に距離を詰めていた陽斗くんは、
「刺突!!」
右の脛を防具ごと貫いたのです。
「ぐぅ~ッ。」
[総大将]は少なからず痛がったものの、
「成程。」
「威勢がいいだけあって、それなりに強いな。」
冷静に述べて、鞘から抜いた“大剣”を振り被りました。
あくまで私の印象ではありますが、“柄の長さ1.5M×剣身4M×元幅50㎝”といったところです。
そんな“ソード”を、
「むんッ!」
おもいっきり叩き付けてきます。
しかしながら、ボスも視力を奪われているらしく、誰にも直撃しませんでした。
とはいえ。
〝ズドォオンッ!!〟という地響きが鳴るなかで、小石が飛び散り、砂が舞いました。
この所為で、私も瞳を閉じてしまったのです。
驚きのあまりに委縮してしまいながらも、瞼を開けてみたら、[総大将]が左手で【光線】を扱ったところでした。
直径1Mはありそうな【ビーム】が、〝ズバォウッ!〟と琴音にヒットします。
装備品の半分ほどが砕けたり破れたりしていくなか、
「がはッ!!」
血を吐いた妹は、うつ伏せに崩れたのです。
「琴音!」
私が焦って駆けだそうとしたら、エンジェルソルジャー達までもが【ビーム】を放ってきたのでした。
それらが再び我々にダメージを負わせ、横転させます。
ふと視界に入った月媛ちゃんが、痙攣した後に、〝ピタッ〟と止まりました。
(まさか!?)
嫌な予感がして、四つん這いで近づいてみたところ、息をしている気配がなかったのです。
〝ペタン〟と正座した私が、
「カズくん。」
「ヒカリちゃんが…。」
脱力するのと共に伝えたら、
「……、嘘だろ。」
ほふく前進しつつ、
「月媛。」
「月媛ぃーッ!!」
壱紀くんが愕然とします。
この最中に、
「コトハ姉ちゃん!」
慌てた様子で陽斗くんが声をかけてきたのです。
その方角に顔を向けたところ、琴音の側で、陽斗くんが膝立ちしていました。
私と目が合うなり、陽斗くんが首を左右に振ります。
妹が亡くなった事を察した私は、
「う、うう…、うわぁあああ――ッ!!!!」
ボスキャラに対して、怒り任せで“ピストルグレネードランチャー”のトリガーを引いたのです。
これが右脛に当たり、
「ぐぬッ!!」
呻いた敵が、
「……、ふむ。」
「屠れたのは二人だけか。」
「まぁ、よい。」
「これより、お前たちもソヤツらの所に届けてやるから、悲観するな。」
そのように喋りました。
おそらく、ステータスが正常化したのでしょう。
「このッ!」
ダッシュした陽斗くんが、
「刺と」
能力を発するよりも速く、
「ふんッ。」
総大将が剣を払います。
喉元が斬れてしまったらしい陽斗くんは、血を噴射しながら、左へと倒れたのです。
こういった光景に、私の思考回路はストップしかけていました。
言葉も出ない私を、
「次は、“銃使い”をラクにしてやろう。」
ボスが左手で“ロックオン”します。
【光線】が迫るなか、私の眼前に〝ふらふら〟と歩いてきた壱紀くんが、
「あとは、よろしく。」
そう呟いて、身代わりになったのです。
仰向けとなる壱紀くんに、私が放心していたところ、
「順番が変わってしまったが、ま、問題はない。」
「お前も、すぐに、冥界へと送ってやる故。」
ボスキャラが宣告してきました。
一人だけ生き残った私には、為す術などありません。
〝ピストルで自ら命を絶って時を戻す〟という方法が脳裏に過ぎりましたが、これは和歌山県の或る島を舞台にタイムループする男子高校生のパクリになりかねないので、止めておくことにしました。
そもそも、ああいう類の度胸は、私には皆無です。
いささか頭が働くようにはなったものの、私の戦意は喪失したままとなっています。
「殺れ。」
総大将の命令にて、子分らの6割くらいが、指から【ビーム】を飛ばしてきました。
ただ睨み付けるしかできない私は、これらによって“蜂の巣”にされてしまったのです―。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説

収納大魔導士と呼ばれたい少年
カタナヅキ
ファンタジー
収納魔術師は異空間に繋がる出入口を作り出し、あらゆる物体を取り込むことができる。但し、他の魔術師と違って彼等が扱える魔法は一つに限られ、戦闘面での活躍は期待できない――それが一般常識だった。だが、一人の少年が収納魔法を極めた事で常識は覆される。
「収納魔術師だって戦えるんだよ」
戦闘には不向きと思われていた収納魔法を利用し、少年は世間の収納魔術師の常識を一変させる伝説を次々と作り出す――

やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
少年神官系勇者―異世界から帰還する―
mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる?
別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行)
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。
この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。
この作品は「pixiv」にも掲載しています。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

初めての異世界転生
藤井 サトル
ファンタジー
その日、幸村 大地(ゆきむら だいち)は女神に選ばれた。
女神とのやり取りの末、大地は女神の手によって異世界へと転生する。その身には女神にいくつもの能力を授かって。
まさにファンタジーの世界へ来た大地は聖女を始めにいろんな人に出会い、出会い金を稼いだり、稼いだ金が直ぐに消えたり、路上で寝たり、チート能力を振るったりと、たぶん楽しく世界を謳歌する。
このお話は【転生者】大地と【聖女】リリア。そこに女神成分をひとつまみが合わさった異世界騒動物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる