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3rd STAGE/海を越えねばならぬのです。
210.高千穂神社奪還戦①
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延岡駅の[窓口]で確認したところ、電車は一昔前に“廃線”となっていることが判明しました。
ただし、バスは運行しているらしく、AM08:20に出発するそうです。
ひとまず安心した我ら[最神家イトコーズ]は、構内の“観光物産ステーション”で何かしらの商品を買ってから、ターミナルへと足を運んだのでした…。
車内にて。
「そういえば、壱紀くん。」
「“地走り”だっけ?」
「あれって、なんで、厳島神社では扱わなかったの??」
私が素朴な疑問を投げかけたところ、
「あぁー。」
「あのスキルは……、例えば、道路とかであれば〝地層の深さ〟によって、それなりに隆起できるみたいなんだよね。」
「でも、厳島神社は“板張り”だから、殆ど効果がないんだ。」
「他には、床であれば、一階は真下が地面だけど、二階以上だと〝厚み次第〟になるらしい。」
そう説明してくれたのです。
〝ふ…む?〟と理解しようとしていた私に、
「あと……、使用後は、地面も床も〝ボコボコ〟になるみたいだね。」
こう補足する壱紀くんでした。
「あー、確かに。」
昨夜の事を回想した私は、
「だけど…、今朝は元に戻ってなかった??」
ふと気づいて、新たに尋ねてみたのです。
それに対して、
「多分、“修復士”の人が直してくれたんじゃないかな?」
「無償なのか有料なのかまでは知らないけど。」
軽く首を傾げた壱紀くんであります。
と、まぁ、こんな感じで、なんだかんだと雑談を交わしていく我々でした……。
およそ1時間40分後に到着したるは、[高千穂バスセンター]です。
運転手さんによれば〝高千穂神社をボスキャラ達が占拠しているらしい〟とのことでした。
通常であれば、神社の側に在る[停車場]をバスが行き来していたそうなのですが、〝サードステージになってからは様子を窺っている〟との話しです。
理由としては〝結界をグレードアップできていないから〟といったものでした。
また、タクシーも同じ状況らしく、〝乗客を護りきれないので、あの方面は断っている〟のだとか…。
いささか困った私達ではありましたが、〝歩いて10分ぐらいの距離〟という情報をゲットしたので、とりあえず向かう事にしたのです。
陽斗くんの〝ボスが居るって、それっぽいよね〟との考えを採用して。
おそらく、“手紙の送り主”が言わんとしていたのは〝ボスキャラを倒せば次に繋がる〟という意味合いだったのでしょう。
このように解釈していたところ、AM10:00となり、人外らが現れました。
詳細は割愛しますが、付近の[戦闘職]に[ユニーク職]の方々と協力した結果、20分ほどで殲滅できたのであります。
そうして、目的地へと赴く私たちでした……。
AM10:30過ぎ――。
鳥居をくぐって、砂利を踏みしめながら、幾つもの木々が生えている境内を進んでいる最中に、
「あ、敵だ。」
こう呟いたのは、陽斗くんです。
前方を見たところ、石段の上より“180㎝クラスの天使”が数十体も飛んで来ていたのです。
なお、男女ともに【剣士】みたいな格好をしております。
「琴晴ちゃん、陣形を整えよう!」
壱紀くんに促され、
「りょーかいッ。」
「皆、よろしく!!」
そのように伝えた事によって、誰もが速やかに動きました。
ちなみに、フォーメーションは、昨日と一緒です。
先頭が陽斗くん&壱紀くんで、中盤は琴音であり、最後尾は私と月媛ちゃんになっています。
何はともあれ。
「せん光!」
「おんけい!!」
我が妹が立て続けにスキルを発動しました。
これらの補助で有利に展開していこうとするも、セカンドステージとは異なって、エンジェル達が人差し指で【ビーム】を撃ってきたのです。
瞼を閉じているので、闇雲ではありましたが…。
それでも負傷してしまった私たちは、[治癒魔法]や[ポーション]で回復しつつ、バトルを繰り広げていったのでした。
現状として、レベルが20を超えた月媛ちゃんの[攻撃魔法]は、いつぞやの勇者さんみたいに、爆発以外は球体ではなくなっております。
火/風/氷/雷は“最小直径21㎝×最大直径50㎝×長さ2.1M”といったサイズ感です。
【エクスプロージョン・ボール】は“直径2M”になっていました。
琴音に関しては、“直径35㎝×長さ無限”の[ライト・ビーム]こと【灯火の光線】を取得しています。
さて。
どうにかエネミー達を倒しきり、全員が〝ふぅ―〟と息を吐いていたところに、“第二陣”が訪れたのです。
たいして休む間もなく2ラウンド目に突入した我々は、再び、怪我しながらも、勝利を収めたのでした……。
[体力]と[魔力]を癒してから、階段を上がっていたところで、
「マジか…。」
陽斗くんが唖然とします。
何故ならば、沢山の天使が、空中から下降してきていたのです。
「400体はいるんじゃない??」
こう述べたのは、壱紀くんでした。
しかも、それらだけでなく、より高い位置に“ひときわ大きなエンジェル”が浮いているではありませんか。
きっと“親分”に違いないこの天使は、身長9Mといった印象です。
背には〝左右二枚ずつ = 計四枚〟の翼を有しております。
“銀の甲冑”は【騎士】みたいでした。
また、左腰には[大剣]を帯びているようです。
途中で〝ピタッ〟と止まった[ボス天使]が、
「我は、神下九部衆の一柱である。」
そのように名乗ったのであります。
声からして“男性”みたいです。
更には、
「人間どもよ、こちらに従属すれば、命は保障してやろう。」
「だが。」
「逆らえば殺す!」
こう宣告してきたのでした―。
ただし、バスは運行しているらしく、AM08:20に出発するそうです。
ひとまず安心した我ら[最神家イトコーズ]は、構内の“観光物産ステーション”で何かしらの商品を買ってから、ターミナルへと足を運んだのでした…。
車内にて。
「そういえば、壱紀くん。」
「“地走り”だっけ?」
「あれって、なんで、厳島神社では扱わなかったの??」
私が素朴な疑問を投げかけたところ、
「あぁー。」
「あのスキルは……、例えば、道路とかであれば〝地層の深さ〟によって、それなりに隆起できるみたいなんだよね。」
「でも、厳島神社は“板張り”だから、殆ど効果がないんだ。」
「他には、床であれば、一階は真下が地面だけど、二階以上だと〝厚み次第〟になるらしい。」
そう説明してくれたのです。
〝ふ…む?〟と理解しようとしていた私に、
「あと……、使用後は、地面も床も〝ボコボコ〟になるみたいだね。」
こう補足する壱紀くんでした。
「あー、確かに。」
昨夜の事を回想した私は、
「だけど…、今朝は元に戻ってなかった??」
ふと気づいて、新たに尋ねてみたのです。
それに対して、
「多分、“修復士”の人が直してくれたんじゃないかな?」
「無償なのか有料なのかまでは知らないけど。」
軽く首を傾げた壱紀くんであります。
と、まぁ、こんな感じで、なんだかんだと雑談を交わしていく我々でした……。
およそ1時間40分後に到着したるは、[高千穂バスセンター]です。
運転手さんによれば〝高千穂神社をボスキャラ達が占拠しているらしい〟とのことでした。
通常であれば、神社の側に在る[停車場]をバスが行き来していたそうなのですが、〝サードステージになってからは様子を窺っている〟との話しです。
理由としては〝結界をグレードアップできていないから〟といったものでした。
また、タクシーも同じ状況らしく、〝乗客を護りきれないので、あの方面は断っている〟のだとか…。
いささか困った私達ではありましたが、〝歩いて10分ぐらいの距離〟という情報をゲットしたので、とりあえず向かう事にしたのです。
陽斗くんの〝ボスが居るって、それっぽいよね〟との考えを採用して。
おそらく、“手紙の送り主”が言わんとしていたのは〝ボスキャラを倒せば次に繋がる〟という意味合いだったのでしょう。
このように解釈していたところ、AM10:00となり、人外らが現れました。
詳細は割愛しますが、付近の[戦闘職]に[ユニーク職]の方々と協力した結果、20分ほどで殲滅できたのであります。
そうして、目的地へと赴く私たちでした……。
AM10:30過ぎ――。
鳥居をくぐって、砂利を踏みしめながら、幾つもの木々が生えている境内を進んでいる最中に、
「あ、敵だ。」
こう呟いたのは、陽斗くんです。
前方を見たところ、石段の上より“180㎝クラスの天使”が数十体も飛んで来ていたのです。
なお、男女ともに【剣士】みたいな格好をしております。
「琴晴ちゃん、陣形を整えよう!」
壱紀くんに促され、
「りょーかいッ。」
「皆、よろしく!!」
そのように伝えた事によって、誰もが速やかに動きました。
ちなみに、フォーメーションは、昨日と一緒です。
先頭が陽斗くん&壱紀くんで、中盤は琴音であり、最後尾は私と月媛ちゃんになっています。
何はともあれ。
「せん光!」
「おんけい!!」
我が妹が立て続けにスキルを発動しました。
これらの補助で有利に展開していこうとするも、セカンドステージとは異なって、エンジェル達が人差し指で【ビーム】を撃ってきたのです。
瞼を閉じているので、闇雲ではありましたが…。
それでも負傷してしまった私たちは、[治癒魔法]や[ポーション]で回復しつつ、バトルを繰り広げていったのでした。
現状として、レベルが20を超えた月媛ちゃんの[攻撃魔法]は、いつぞやの勇者さんみたいに、爆発以外は球体ではなくなっております。
火/風/氷/雷は“最小直径21㎝×最大直径50㎝×長さ2.1M”といったサイズ感です。
【エクスプロージョン・ボール】は“直径2M”になっていました。
琴音に関しては、“直径35㎝×長さ無限”の[ライト・ビーム]こと【灯火の光線】を取得しています。
さて。
どうにかエネミー達を倒しきり、全員が〝ふぅ―〟と息を吐いていたところに、“第二陣”が訪れたのです。
たいして休む間もなく2ラウンド目に突入した我々は、再び、怪我しながらも、勝利を収めたのでした……。
[体力]と[魔力]を癒してから、階段を上がっていたところで、
「マジか…。」
陽斗くんが唖然とします。
何故ならば、沢山の天使が、空中から下降してきていたのです。
「400体はいるんじゃない??」
こう述べたのは、壱紀くんでした。
しかも、それらだけでなく、より高い位置に“ひときわ大きなエンジェル”が浮いているではありませんか。
きっと“親分”に違いないこの天使は、身長9Mといった印象です。
背には〝左右二枚ずつ = 計四枚〟の翼を有しております。
“銀の甲冑”は【騎士】みたいでした。
また、左腰には[大剣]を帯びているようです。
途中で〝ピタッ〟と止まった[ボス天使]が、
「我は、神下九部衆の一柱である。」
そのように名乗ったのであります。
声からして“男性”みたいです。
更には、
「人間どもよ、こちらに従属すれば、命は保障してやろう。」
「だが。」
「逆らえば殺す!」
こう宣告してきたのでした―。
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