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3rd STAGE/海を越えねばならぬのです。
209.現状⑮
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“人型岩石”が、それなりに砕けたところで、消滅していきます。
空中では、翼を有している者たちが争っていました。
既にエネミーの殆どが亡くなったみたいで、現在は“天使・仏・鳥と蛇が合体した感じの生物”が一体ずつとなっております。
ちなみに、“蛇みたいな人外”は、両翼を後ろから前に〝ブォンッ!!〟と動かして、最大幅30㎝×長さ3Mくらいで三日月状の【風の刃】を放っていました。
「あの位置は、オレとカズ兄ちゃんじゃ届きそうにないね。」
陽斗くんの呟きに、〝うん〟と頷いた壱紀くんが、
「琴晴ちゃん達に任せるよ。」
このように述べたのです。
「分かった。」
「琴音と月媛ちゃんは、魔法を使って。」
そう指示した私は、[エンジェルボーイ]を射撃しました。
これが左腹部にヒットして、痛がった天使に、仏が【火炎】を浴びせ掛けたのです。
そのタイミングで、琴音が【ライト・ボール】を、月媛ちゃんは【エクスプロージョン・ボール】を、飛ばします。
これらに、他の[遠隔型]の人々も続いた事によって、三体とも倒せたのでした。
補足として、【機工士】はピストルなどを発砲する毎に〝魔力を消費する〟といった仕組みになっています。
ご参考までに。
さて。
「これからどうしようか? 琴晴ちゃん。」
「周辺をパトロールしてみる??」
壱紀くんに提案されて、
「んー。」
「危なそうだったら結界が張られている建物に避難すれば大丈夫、かな?」
「……、よし、そうしよう!」
と、返した私です。
今まで[勇者さんパーティー]と行動していたからでしょう、もはや巡回がルーティーン化してしまっている我々でした☆
至る所でバトルになった私たちは、いささか苦戦を強いられてしまったのです。
それでも、いろんな方々と協力した結果、およそ30分後には人外を殲滅できました。
なお、私・月媛ちゃん・陽斗くんは2コずつ、琴音・壱紀くんは1コずつ、レベルがアップしております♪
いずれにしろ。
ホテルに戻って、ロビーで[私服モード]へとチェンジした我ら一同に、
「あ!!」
「お客様でしたか!」
“受け付け”で慌てた様子の男性スタッフが、
「戦わせてしまって申し訳ありません。」
「こちらに宿泊なさっている間は、どうぞ、ごゆっくりと、お過ごしくださいませ。」
穏やかに会釈したのです。
この流れで、左隣に佇んでいる女性が、
「装備品が破損なさっていたようですので、こちらで一旦お預かりして、修理いたしましょうか?」
「“裁縫師”と“錬金術師”が勤務していまして…、明朝までには直せるかと思います。」
「これは当ホテルのサービスとなっておりますので、料金は発生いたしません。」
「……、如何なさいます??」
こう尋ねてきたのでした。
「ま、あれから全員の武器と防具が割とボロボロになったから、そうしてもらえると助かるけど…。」
壱紀くんが視線を送ってきたことによって、
「ん、そうだね。」
「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおう。」
そのように決断した私です。
お風呂を済ませた我々は、お部屋で各自のんびりした後に、眠りに就きました☽
翌朝――。
私達は、バイキング形式で食事を摂っています。
時刻は7時半頃です。
「昨日、寝る前に、ハルと一緒に幾つかのことを調べたんだけど……。」
ふと口を開いた壱紀くんが、いろいろな情報を伝えてくれました。
まぁ、主に、〝サードステージのエネミーに関して〟ですが…。
それによると、まず、仏は[迦楼羅]との話しでした。
更に、猪が[オーク]で、ハイエナは[ノール]との事です。
【雷】を扱う黒馬は[バイコーン]といった名称であり、デカブツ岩石は[ゴーレム]でした。
サボテンは[サボテンマン]だそうでして……、なんだかネーミングに捻りがありません。
キノコは[マイコニド]であり、日本では“マタンゴ”として有名らしいです。
蠍が[ギルタブリル]で、蜂は[キラービー]とのことでした。
蛙は[大蝦蟇]であり、蛇みたいな人外が[以津真天]というらしく、これらは“ぬらりひょん”と同じ妖怪なのだそうです。
「あとは…、エネミーの出現が〝三時間おき〟に変わったみたいだよ。」
そう教えてくれたのは、陽斗くんであります。
「あぁー、やっぱり、また縮まった訳ね。」
「予想はしてたけど……。」
私が納得していたら、
「それと、もう一つ。」
「この所為で、バスと電車の“ダイヤグラム”に乱れが生じているらしいんだ。」
「なので、高千穂にはスムーズに到着しないかも。」
このように喋る壱紀くんの表情が少なからず険しくなりました。
「え?!」
「それじゃ…、〝タクシーを利用する〟って事になるのかな?」
首を軽く傾げた私に、
「いや、とりあえず、駅に行ってみて、詳細を確認したがいいんじゃない??」
「バスや電車が問題なく走っているんだったら、そっちのほうがタクシーよりも料金が安いしね。」
陽斗くんが告げたのです。
〝ふむ〟と承知して、
「だとすれば…、8時ごろに向かおうか。」
そう纏めた私によって、直近の方針が固まったのでした―。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
現時点でのモガミーズ
【機工士】の琴晴 = LV.17
【巫女】の琴音 = LV.25
【戦士】の壱紀 = LV.24
【魔女】の月媛 = LV.21
【剣士】の陽斗 = LV.19
空中では、翼を有している者たちが争っていました。
既にエネミーの殆どが亡くなったみたいで、現在は“天使・仏・鳥と蛇が合体した感じの生物”が一体ずつとなっております。
ちなみに、“蛇みたいな人外”は、両翼を後ろから前に〝ブォンッ!!〟と動かして、最大幅30㎝×長さ3Mくらいで三日月状の【風の刃】を放っていました。
「あの位置は、オレとカズ兄ちゃんじゃ届きそうにないね。」
陽斗くんの呟きに、〝うん〟と頷いた壱紀くんが、
「琴晴ちゃん達に任せるよ。」
このように述べたのです。
「分かった。」
「琴音と月媛ちゃんは、魔法を使って。」
そう指示した私は、[エンジェルボーイ]を射撃しました。
これが左腹部にヒットして、痛がった天使に、仏が【火炎】を浴びせ掛けたのです。
そのタイミングで、琴音が【ライト・ボール】を、月媛ちゃんは【エクスプロージョン・ボール】を、飛ばします。
これらに、他の[遠隔型]の人々も続いた事によって、三体とも倒せたのでした。
補足として、【機工士】はピストルなどを発砲する毎に〝魔力を消費する〟といった仕組みになっています。
ご参考までに。
さて。
「これからどうしようか? 琴晴ちゃん。」
「周辺をパトロールしてみる??」
壱紀くんに提案されて、
「んー。」
「危なそうだったら結界が張られている建物に避難すれば大丈夫、かな?」
「……、よし、そうしよう!」
と、返した私です。
今まで[勇者さんパーティー]と行動していたからでしょう、もはや巡回がルーティーン化してしまっている我々でした☆
至る所でバトルになった私たちは、いささか苦戦を強いられてしまったのです。
それでも、いろんな方々と協力した結果、およそ30分後には人外を殲滅できました。
なお、私・月媛ちゃん・陽斗くんは2コずつ、琴音・壱紀くんは1コずつ、レベルがアップしております♪
いずれにしろ。
ホテルに戻って、ロビーで[私服モード]へとチェンジした我ら一同に、
「あ!!」
「お客様でしたか!」
“受け付け”で慌てた様子の男性スタッフが、
「戦わせてしまって申し訳ありません。」
「こちらに宿泊なさっている間は、どうぞ、ごゆっくりと、お過ごしくださいませ。」
穏やかに会釈したのです。
この流れで、左隣に佇んでいる女性が、
「装備品が破損なさっていたようですので、こちらで一旦お預かりして、修理いたしましょうか?」
「“裁縫師”と“錬金術師”が勤務していまして…、明朝までには直せるかと思います。」
「これは当ホテルのサービスとなっておりますので、料金は発生いたしません。」
「……、如何なさいます??」
こう尋ねてきたのでした。
「ま、あれから全員の武器と防具が割とボロボロになったから、そうしてもらえると助かるけど…。」
壱紀くんが視線を送ってきたことによって、
「ん、そうだね。」
「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおう。」
そのように決断した私です。
お風呂を済ませた我々は、お部屋で各自のんびりした後に、眠りに就きました☽
翌朝――。
私達は、バイキング形式で食事を摂っています。
時刻は7時半頃です。
「昨日、寝る前に、ハルと一緒に幾つかのことを調べたんだけど……。」
ふと口を開いた壱紀くんが、いろいろな情報を伝えてくれました。
まぁ、主に、〝サードステージのエネミーに関して〟ですが…。
それによると、まず、仏は[迦楼羅]との話しでした。
更に、猪が[オーク]で、ハイエナは[ノール]との事です。
【雷】を扱う黒馬は[バイコーン]といった名称であり、デカブツ岩石は[ゴーレム]でした。
サボテンは[サボテンマン]だそうでして……、なんだかネーミングに捻りがありません。
キノコは[マイコニド]であり、日本では“マタンゴ”として有名らしいです。
蠍が[ギルタブリル]で、蜂は[キラービー]とのことでした。
蛙は[大蝦蟇]であり、蛇みたいな人外が[以津真天]というらしく、これらは“ぬらりひょん”と同じ妖怪なのだそうです。
「あとは…、エネミーの出現が〝三時間おき〟に変わったみたいだよ。」
そう教えてくれたのは、陽斗くんであります。
「あぁー、やっぱり、また縮まった訳ね。」
「予想はしてたけど……。」
私が納得していたら、
「それと、もう一つ。」
「この所為で、バスと電車の“ダイヤグラム”に乱れが生じているらしいんだ。」
「なので、高千穂にはスムーズに到着しないかも。」
このように喋る壱紀くんの表情が少なからず険しくなりました。
「え?!」
「それじゃ…、〝タクシーを利用する〟って事になるのかな?」
首を軽く傾げた私に、
「いや、とりあえず、駅に行ってみて、詳細を確認したがいいんじゃない??」
「バスや電車が問題なく走っているんだったら、そっちのほうがタクシーよりも料金が安いしね。」
陽斗くんが告げたのです。
〝ふむ〟と承知して、
「だとすれば…、8時ごろに向かおうか。」
そう纏めた私によって、直近の方針が固まったのでした―。
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現時点でのモガミーズ
【機工士】の琴晴 = LV.17
【巫女】の琴音 = LV.25
【戦士】の壱紀 = LV.24
【魔女】の月媛 = LV.21
【剣士】の陽斗 = LV.19
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