JK LOOPER

ネコのうた

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3rd STAGE/海を越えねばならぬのです。

207.夜風のなかで・転じて

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ゆ!!」

我が妹による【ヒール】にて、癒された陽斗はるとくんが立ち上がります。

そのタイミングで、琴音ことねが敵と味方に施していた能力の効果が切れました。

ちなみに、現在の妹の【閃光】と【恩恵】のタイムリミットは、どちらも34秒です。

とかく。

エネミー達の視力が戻ります。

この流れで、着物に草履ぞうりといった格好の“ぬらりひょん”が〝つばの無い刀〟を抜きました。

ちなみに、鞘も柄も“木製”みたいです。

琴音が「せん」と言いかけたところで、ぬらりひょんが〝スッ〟と消えました。

「は?!」

誰もが驚くなか、壱紀かずきくんが左肩から右腰あたりにかけてを武器で〝ズカギッシュ!〟と斬られた模様です。

「お兄ちゃん!?」

月姫ひかりちゃんが焦り、

「くッ!」

壱紀くんが一歩だけ後退するなか、姿を現した“ぬらりひょん”が、刀を突き出します。

咄嗟ながらも壱紀くんは[バトルアックス戦斧]で〝ガキィンッ!!〟と左に弾きました。

そうして、斧を反対へと払い、がら空きになっている右腹部に〝ドシュッ!〟とヒットさせたのです。

「カズ兄ちゃん、大丈夫?」

陽斗くんが心配したところ、

「うん。」
「防具のお陰で、傷は浅くて済んだみたい。」

このように壱紀くんが述べました。

とりあえず〝ほッ〟とした私の左肩を、天使が“右の人差し指”から発射した直径8㎝ぐらいの【ビーム】が、〝ズボシュ!!〟と貫きます。

「ぃぎッ!」

表情を歪めた私に、

「お姉ちゃん!!」

今度は琴音が慌てだしました。

「こっちはいいから、二つのスキルを早く扱って!」

私が急ぎ伝えことによって、

「分かった!!」

前を向き直した妹が、

「せんこう!」
「おんけい!!」

能力を続けざまに用いたのです。

人外らが再び目を閉じるなか、私と壱紀くんは各自で出現させた[体力回復ポーション]を摂取していきます。

そこへ、先程の“男性エンジェル”が、またしても【ビーム】を放ってきたではありませんか。

顔の左側へとハズレたので怪我こそなかったものの、

「え??!」

思わずフリーズしてしまった私です。

もしや、サードステージのエネミーは、最低でも二度はスキルを発動できるのでしょうか?

だとするならば、割と厄介そうであります。

全体的に強くなっている印象も受けますし……。

これは、倒しきるのに手こずるかもしれません。

私が、そのよう事を考えていたところ、二足歩行の“猪”が、ハンマーの尖ったほう・・・・・で道路を擦り上げたのです。

それによって、アスファルトが、10㎝、15㎝、20㎝、25㎝、…、と結構な速度で段々に隆起して、壱紀くんに迫ります。

「!」

本人はビックリしながらも、

「デストロイ!!」

バトルアックスを上から下に叩き付けて、1.5Mくらいの大きさになっていた“いびつな円柱”を〝ドゴォンッ!〟と破壊しました。

〝ふぅ――〟と息を吐いた壱紀くんが、

「まさか“地走ちばしり”を使うなんて……。」

いささか戸惑っています。

この左隣では、

「身かわし!!」

ハイエナが縦横無尽に振るう[ダガー短剣]を、陽斗くんがけまくっていました。

敵は、さっきよりも“素早さ”が増しているみたいなので、おそらくはアサシンの【俊足】によるものでしょう。

それでも、陽斗くんには攻撃をヒットさせられずにいました。

ハイエナのスピードが通常になったところで、

刺突しとつ!」

陽斗くんが[サーベル]で〝ズシュッ!!〟と首にダメージを負わせたのです。

「グゥ~ッ。」

低く唸った敵に、

「これでも消滅しないのかよ。」

陽斗くんが唖然とします。

こういった状況で、内輪での争いを制したらしい“別の天使と仏”による二体ずつが、まぶたつぶっている魔物&妖怪を襲い始めたのです。

その光景によって、

琴晴ことはちゃん!」

私に視線を送った壱紀くんが、

「これってチャンスかも。」

と、告げたのです。

「あ、確かに。」

意味を理解した私は、

「よぉーし。」
「さきに、まだ何も見えてない人外を殲滅しよう!!」

こう皆に指示しました。


宙からは二体ずつの“天使と仏”が、地上では我ら[モガミーズ]が、波状攻撃を仕掛けていきます。

魔物&妖怪は翻弄されながらも対応してきました。

私たち5人組は、二度ほど負傷しては回復しながら、敵を倒したのです。

ま、天使と仏は残っていますが…。

再び妹のスキルの効果が切れたところで、

「せん光!」
「おんけい!!」

改めて施してくれました。

私・琴音・月媛ちゃんが、空中のエネミー達に的を搾っていきます。

このタイミングで、左右より別の人外らが迫って来たのです。

おそらく、それぞれに内輪もめを制して、私たちの事を新たな標的と定めたのでしょう。


まずは、左側のメンバーのご紹介となります☆

最初に目についたのは、身長120㎝ほどで二足歩行の“キノコ”です。

すぐ近くに、背丈180㎝くらいで、これまた二足歩行の“サボテン”がおります。

飛んでいるのは、全長5Mあたりの蛇で、顔とくちばしに翼を有している、“緑色の生物”でした。

続きまして、右側のご案内です♢

〝ブゥ――ン〟と羽を鳴らしているのは、1M大の“はち”であります。

ほぼ真下を歩きたるは、全長2.5Mといった感じの“サソリ”です。

これらの後ろに居たのは、背丈4Mぐらいで、大小さまざまな岩石が組み合わさった“人型”でした―。
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