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3rd STAGE/海を越えねばならぬのです。
204.宮崎にて
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壱紀くんから、
「次の駅で、一回、地元に戻る??」
「家や車に“結界”を張り直すために。」
こう聞かれた私は、
「んー、……。」
「いや、琴音のレベルが未だ30に達していないから、それは不可能だと思う。」
「きっと、穂乃歌さんも同じなんじゃないかな?」
そのように述べたのです。
「…………。」
暫し考え込んだ壱紀くんが、
「じゃあ、このまま進むとして…。」
「結局、宮崎県の何処を目指せばいいの??」
新たに質問してきました。
「あ!」
「言われてみれば。」
今ごろ気付いた私は、
「とりあえず……、メッセージで尋ねてみるよ、お母さんに。」
「“謎の手紙”が届いているかもしれないから。」
こう答えて、スマホを取り出したのです…。
母によれば〝送られてきてないわよ〟との事でした。
致し方なく、続報を待つしかない我々です。
PM17:15あたりに到着したるは、[延岡駅]であります。
“改札口”を通過したところで、私の電話が鳴りました。
相手は母親です。
「もしもし?」
『あ、琴晴ちゃん??』
『来たわよ、お手紙。』
「読んでもらっていい?」
『ん。』
『ちょっと待ってね。』
『…………。』
『えぇ~っと、〝赴くべきは高千穂である〟〝そこで成果を上げれば次へと繋がろうぞ〟て書いてあるわよ。』
「わかった。」
「ありがとう。」
通話を終えた私は、全員に内容を伝えたのでした……。
駅から徒歩1分のホテルに足を運んだ一同であります。
それは全国的に展開している有名な施設です。
壱紀くんの事前リサーチによると、この企業は〝セカンドステージ以降、未成年だけでの宿泊も認めている〟とのことでした。
チェックインしようとしたところ、30代半ばくらいであろう“受付の女性”から、
「避難目的で、お間違えないでしょうか??」
そのように訊かれたのです。
「いいえ。」
「違いますけど?」
首を傾げた私に、
「さようでございますか。」
「当ホテルの系列は、社長の方針で、現在、避難者の方々に、お部屋を無料で御提供いたしております。」
「お客様がたは10代のようでしたので、〝身寄りを亡くし、ここを頼ったのではないか〟と勝手に判断してしまいました。」
「大変、申し訳ございません。」
状況を説明した女性が、お辞儀しました。
この流れで、
「ちなみに、宿泊でございますと、ご利用価格は通常の半額となっております。」
“ホテリエ”さんが知らせてくださったのです。
「なぁんだ。」
「それだったら、避難する人たちのほうが得じゃん。」
陽斗くんが誰に喋るともなく独り呟いたところ、
「ハル!!」
「冗談でも、そういう事を言っちゃダメだよ!」
「僕らには帰れる場所があるけど、そうではない人たちにとっては失礼だからね。」
壱紀くんが厳しくも優しく諭しました。
「あ、うん。」
「そんなつもりじゃなかったんだけど…、オレが悪かったよ。」
「ごめん。」
素直に謝った陽斗くんに、
「ん。」
「だったらOK。」
壱紀くんが微笑みます。
彼らの側で、
(あっぶなー。)
(私もハルくんと似たようなこと考えてた。)
(うっかり口にしなくて良かったぁ。)
内心ヒヤヒヤするのと共に、公衆の面前で叱られるのを回避できて〝ホッ〟とする私です。
その後、自分の性格について深く反省したというのは、内緒にしておいてください―。
「次の駅で、一回、地元に戻る??」
「家や車に“結界”を張り直すために。」
こう聞かれた私は、
「んー、……。」
「いや、琴音のレベルが未だ30に達していないから、それは不可能だと思う。」
「きっと、穂乃歌さんも同じなんじゃないかな?」
そのように述べたのです。
「…………。」
暫し考え込んだ壱紀くんが、
「じゃあ、このまま進むとして…。」
「結局、宮崎県の何処を目指せばいいの??」
新たに質問してきました。
「あ!」
「言われてみれば。」
今ごろ気付いた私は、
「とりあえず……、メッセージで尋ねてみるよ、お母さんに。」
「“謎の手紙”が届いているかもしれないから。」
こう答えて、スマホを取り出したのです…。
母によれば〝送られてきてないわよ〟との事でした。
致し方なく、続報を待つしかない我々です。
PM17:15あたりに到着したるは、[延岡駅]であります。
“改札口”を通過したところで、私の電話が鳴りました。
相手は母親です。
「もしもし?」
『あ、琴晴ちゃん??』
『来たわよ、お手紙。』
「読んでもらっていい?」
『ん。』
『ちょっと待ってね。』
『…………。』
『えぇ~っと、〝赴くべきは高千穂である〟〝そこで成果を上げれば次へと繋がろうぞ〟て書いてあるわよ。』
「わかった。」
「ありがとう。」
通話を終えた私は、全員に内容を伝えたのでした……。
駅から徒歩1分のホテルに足を運んだ一同であります。
それは全国的に展開している有名な施設です。
壱紀くんの事前リサーチによると、この企業は〝セカンドステージ以降、未成年だけでの宿泊も認めている〟とのことでした。
チェックインしようとしたところ、30代半ばくらいであろう“受付の女性”から、
「避難目的で、お間違えないでしょうか??」
そのように訊かれたのです。
「いいえ。」
「違いますけど?」
首を傾げた私に、
「さようでございますか。」
「当ホテルの系列は、社長の方針で、現在、避難者の方々に、お部屋を無料で御提供いたしております。」
「お客様がたは10代のようでしたので、〝身寄りを亡くし、ここを頼ったのではないか〟と勝手に判断してしまいました。」
「大変、申し訳ございません。」
状況を説明した女性が、お辞儀しました。
この流れで、
「ちなみに、宿泊でございますと、ご利用価格は通常の半額となっております。」
“ホテリエ”さんが知らせてくださったのです。
「なぁんだ。」
「それだったら、避難する人たちのほうが得じゃん。」
陽斗くんが誰に喋るともなく独り呟いたところ、
「ハル!!」
「冗談でも、そういう事を言っちゃダメだよ!」
「僕らには帰れる場所があるけど、そうではない人たちにとっては失礼だからね。」
壱紀くんが厳しくも優しく諭しました。
「あ、うん。」
「そんなつもりじゃなかったんだけど…、オレが悪かったよ。」
「ごめん。」
素直に謝った陽斗くんに、
「ん。」
「だったらOK。」
壱紀くんが微笑みます。
彼らの側で、
(あっぶなー。)
(私もハルくんと似たようなこと考えてた。)
(うっかり口にしなくて良かったぁ。)
内心ヒヤヒヤするのと共に、公衆の面前で叱られるのを回避できて〝ホッ〟とする私です。
その後、自分の性格について深く反省したというのは、内緒にしておいてください―。
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