JK LOOPER

猫乃麗雅

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3rd STAGE/海を越えねばならぬのです。

198.忙しなく・こうへん

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PM12:00となり、人外どもが出現しました。

その殆どは、8体ずつの天使・仏・わいら・おとろし&1体のトロルといった、お馴染みの面子です。

なかには初見のモンスターも含まれています。

一種は、全長1.5Mくらいで、緑色のカニ×10匹でした。

これを[カルキノス]と呼ぶらしいです。

もう一種は、上半身が翼を有した人間の女性で、下半身が鳥の、魔物であり、数は10羽いました。

なんでも[セイレーン]という名称とのことです。

背丈が170㎝前後のセイレーンたちは、西洋風で銀の軽鎧けいがいと、サークレットを、装備しています。

手にはムチを握っているようです。

いつもどおり、エネミーらの半数が内輪で揉めるなか、我が妹やカズヒコさんなどが【恩恵】を施します。

ちなみに、敵は、合計で53体です。

そのうちの10数ほどが向かって来たので、誰もが構えました。

琴音ことね達が【閃光】を発動しようとしたものの、これより先に、宙に浮かんでいるセイレーンのなかでも4体ほどが同時に歌いだしたのです。

それ・・によって、かなりの眩暈めまいが発生してしまい、視界が歪んでいきます。

この流れで、[モガミーズ]と[討伐隊]が、しゃがみ込んだり、膝を着いてしまったのです。

一方、[勇者さんパーティー]は、各自、両手で耳を塞いで、平然と立っていました。

リョウさんは別として。

なお、天使と仏も同じ症状に苦しんでいるみたいです。

ちなみに、“エンジェルチーム”は空中でフラついています。

妖怪&魔物は、セイレーンと同類という扱いなのか、まったくもって効いておりません。

なにはともあれ。

歌い終えた“セイレーン×4”が、急降下するのと共に、鞭を振るおうとします。

私も含めて、未だ気分が優れない人々は、身動きが取れず、対応できそうにありません。

我々がピンチを迎えるなか、ユウジさんがライフルで射撃し、一体の右肩にヒットさせました。

痛みでストップした敵の腹部めがけて、

ライト・ビーム灯火の光線!!」

カズヒコさんが、左のてのひらから直径35cmの[白いビーム]を放ちます。

なんでも、“ボスサハギン半魚人”を倒して、レベルが25に達した際に得たスキルなのだそうです。

更には、

「風斬!」

ハルカさんが、最大幅36㎝×長さ3.6Mで三日月状といった[風の刃]を飛ばした事によって、横並びになっていた“セイレーン×2”の首が切れました。

アケミさんは、

「ファイアーッ!!」

左手による直径20㎝×長さ5Mの[火炎魔法]を、残りの一体の顔面に浴びせ掛けたのです。

それらの攻撃で墜ちたモンスターらを、サトシさんとジュンヤが仕留めていきます。

この間に、

「すまない!」
「セイレーンの能力に関して教えておくのを、うっかり忘れていた!!」
「“異常回復”のポーションや魔法で解消できるから、すぐに使用してくれたまえ!」

勇者さんが周囲に伝えました。

私たちは、個々に出現させたアイテムを飲み干していきます。

討伐隊のなかには【クレリック】もいたようで、

「ディスオーダー・リカバリー!!」

と、聞こえてきたのです。

そうこうしているうちに、“セイレーン×6”が、5体の天使を倒していました。

正常に戻ったリョウさんが起立して、宙へとった矢が、19本・・・に分裂します。

リョウさんもレベルアップしているので、これに伴い、矢の数が増えたようです。

とかく。

三体のセイレーンには躱されてしまったものの、他のエネミー達には確実に刺さっております。

「また歌われると厄介だから、“遠隔戦”が可能なジョブは、セイレーンを狙おう。」
「それ以外の人たちは、平舞台ひらぶたいの敵どもを、よろしく!」

リョウさんの指示によって、〝バタバタ〟しだす我々でした―。


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現時点での勇者パーティー

【勇者】のアケミ = LV.29

【騎士】のハルカ = LV.26

【武闘家】のサトシ = LV.26

【神官】のカズヒコ = LV.25

【侍】のジュンヤ = LV.27

【機工士】のユウジ = LV.24

【弓使い】のリョウ = LV.19
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