JK LOOPER

猫乃麗雅

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3rd STAGE/海を越えねばならぬのです。

196.厳島神社での攻防戦➄

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三又銛みつまたもり”で[討伐隊]を刺そうかという構えになったボスサハギン半魚人に、

「暫く静かにしてろ!」
「ストラァ――ッシュ!!」

アケミさんが剣を突き出して【白雷びゃくらい】を発射したのです。

これ・・に、左太腿ふとももを〝ズブシュッ!〟と貫かれた[6M級のサハギン]が、

ドォオンッ!!

仰向けで倒れました。

痙攣しているボスの姿に、雑兵達がフリーズしたなかで、

「よし!」
「今のうちに、他の半魚人どもを倒してしまおう!!」

勇者さんが周囲に指示を出します。

[東京組]を始め、その場に居合わせた誰もが、

「おっしゃ!」

「了解!!」

といった具合に応じて、攻撃を再開したのでした…。


[サハギン家臣団]を殲滅し終えた我々が、ボスキャラへと視線を送ったところ、“平舞台ひらぶたい”から消えていたのです。

「え!?」
「何処に??」

戸惑う私の近くで、

「あそこ!」

琴音ことねが“鳥居”の方を指差します。

見れば、ボス半魚人が、泳いで退却していたのです。

海から頭だけを出した状態で。

「ここで取り逃がしてしまうと、数日後に部下を増やしてから戻って来るのでは?」

【神官】たるカズヒコさんの指摘に、〝ハッ!!〟として、

「そうはさせるか!」

走りだそうとしたアケミさんを、

「待って!!」
「追う必要はないわ。」

即座に止めたハルカさんが、

「挑発!」

【騎士】のスキルを発動しました。

それによって、“敵の親玉”がUターンしたのです。

「あれ以上、遠くに行かれてたなら、効果なかったわね。」
「ギリ範囲内で、良かった。」

こう言いながらハルカさんが最前へと進みます。

そのタイミングで、

「恩恵!!」

カズヒコさんがステータスを倍増させました。

これに我が妹などが続いた事によって、あちらこちらで「おんけい!」と聞こえてきたのです。

その間に、改めて舞台に上がったボスが、ハルカさんへとダッシュします。

速度を落とさず距離を詰めたボスキャラは、勢いのままに武器を叩き付けました。

激しい一打を、ハルカさんが盾で〝ガシィンッ!!〟と防ぐも、力負けしてしまい、右膝を床に着いてしまったのです。

体勢を整え直そうとするハルカさんに、ボスサハギンが銛を横へと払います。

ここへ、魔法/矢/弾丸が至る場所より放たれました。

それらのことごとくが上半身にヒットした“親玉”がバランスを崩し、武器がくうを斬ったのです。

「皆、よくやってくれた。」
「お陰で時間を稼げたよ。」

こう述べながら、ハルカさんの右隣に並んだ勇者さんのソードが〝バチ、バチバチッ、バチィッ!〟と音を立てています。

新たに銛でハルカさんを狙おうとする“ボス半魚人”に、左足を〝ダンッ!!〟と踏み込んだアケミさんが、

「ストラーッシュ!」

剣を振り下ろして、幅20㎝×長さ5Mくらいの“白い雷”を[三日月状]に飛ばしました。

左肩から左足に掛けてが〝ズバァア――シュッ!!!!〟と切れたボスが、

ビリビリビリビリィ~ッ!!

またしても感電し、うつ伏せになったのです。

ボスキャラが麻痺しているなか、後ろを振り返って、

「さぁ、仕留めよう!」

〝ニカッ〟と笑顔になる勇者さんでした―。
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