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3rd STAGE/海を越えねばならぬのです。
185.現状⑬
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日が替わり、我々は、ご飯を済ませました。
AM08:00になったところで、例の如く、旅館の周辺に登場した人外を殲滅したのです。
本日の天候は“曇り”であります。
AM08:35あたりでチェックアウトした私たちは、マイクロバスへと乗り込みました。
すっかり忘れがちになっているコーディネートに関しては……、長くなるので、やめておきましょう。
ま、各自、ラフな恰好です。
かなり簡略化してしまいましたが、決して披露するのがメンドーなわけじゃありませんよ?
絶対に!
いえ…、多分、きっと??
…………。
コホン。
なにはともあれ。
サトシさんが何度となく車のキーを回すも、すぐに止まってしまいます。
ちなみに、そのカギは、リモコン式の物ではございません。
「んー、ダメだな。」
呟いたサトシさんが、後ろを向いて、
「完全にエンストしちまってるみたいだから…、頼めるか?」
こう尋ねたところ、
「もちろん。」
ユウジさんが座席から立ち上がり、車から降りていったのです。
ほんの1~2分で戻ってきたユウジさんが、
「動くと思うよ。」
サトシさんに、そう伝えました。
「え?!」
「もうですか??」
〝割と時間を要するのだろう〟との予想に反して、意外にも早く済んだため、驚いてしまった私に、
「まぁ、“機工士のスキル”の一つだからね。」
ユウジさんが返します。
この流れで、
「お!!」
「掛かった!」
「ありがとな。」
サトシさんが述べ、
「ん。」
軽く頷いたユウジさんが、シートに座りました。
マイクロバスが駐車場から出発するなか、
「“修復士”みたいなものでしょうか?」
私が質問してみたら、
「あー、……、あっちは家具や建物を直す能力で、こっちは機械系を修理できるんだ。」
ユウジさんが、そう教えてくださったのです。
疑問が生じたらしい壱紀くんが、
「修復士は“一般職”ですよね。」
「機工士との違いって、どういうものなんですか??」
このように伺ったところ、
「僕の場合は“ユニーク職”だからね。」
「拳銃などを使う事が可能なんだ。」
「だから、戦いに参加しているんだよ。」
「能力はフル活用しないと勿体ないからね。」
ユウジさんが説明してくれました。
それらを知った私は、
(何かと便利だな、機工士)
秘かに感心したのです…。
あれから順調に進み、廿日市駅に到着しました。
時刻はAM10:15頃です。
ドアを開けて、顔を出した勇者さんが、
「こっちだ!!」
誰かしらに手を振ります。
小走りで駆けて来て、乗車したのは、黒髪サラサラショートで、インテリメガネの、男性でした。
「久しぶりだね。」
微笑んだ“サラサラショートさん”が、〝おや?〟といった表情になり、
「〝初めまして〟の人達が居る。」
我ら[最神イトコーズ]に視線を送りました。
「彼女たちは、訳あって、一緒に旅することになった東京の人々でね。」
「大分まで連れて行ってあげる約束になっているんだよ。」
アケミさんのザックリとした紹介に、〝へぇー〟と納得した様子の男性が、
「そこら辺の話しは、あとで余裕があるときにでも聞かせてもらうとして……。」
「取り敢えず、宮島口駅の方を目指してもらえないかな?」
「フェリーに乗って、宮島に赴きたいんだ。」
こう告げたのです。
「何かあるのか??」
訊ねたのは、ジュンヤさんであります。
それを受けて、
「なんでも、厳島神社をボスキャラ達が占拠しているらしいんだよ。」
「そこで、行政が、討伐隊を派遣するために、メンバーを募集しているみたいでね…。」
「宮島には親戚が住んでいるから、どうしても参加したいんだ。」
「少しでも助けになりたくて。」
状況を報せた“インテリメガネさん”が、
「……、協力、してもらえるかな?」
皆さんを窺ったのです。
これに、
「当り前じゃないかぁッ!」
と、いつも通り応じる勇者さんでした―。
AM08:00になったところで、例の如く、旅館の周辺に登場した人外を殲滅したのです。
本日の天候は“曇り”であります。
AM08:35あたりでチェックアウトした私たちは、マイクロバスへと乗り込みました。
すっかり忘れがちになっているコーディネートに関しては……、長くなるので、やめておきましょう。
ま、各自、ラフな恰好です。
かなり簡略化してしまいましたが、決して披露するのがメンドーなわけじゃありませんよ?
絶対に!
いえ…、多分、きっと??
…………。
コホン。
なにはともあれ。
サトシさんが何度となく車のキーを回すも、すぐに止まってしまいます。
ちなみに、そのカギは、リモコン式の物ではございません。
「んー、ダメだな。」
呟いたサトシさんが、後ろを向いて、
「完全にエンストしちまってるみたいだから…、頼めるか?」
こう尋ねたところ、
「もちろん。」
ユウジさんが座席から立ち上がり、車から降りていったのです。
ほんの1~2分で戻ってきたユウジさんが、
「動くと思うよ。」
サトシさんに、そう伝えました。
「え?!」
「もうですか??」
〝割と時間を要するのだろう〟との予想に反して、意外にも早く済んだため、驚いてしまった私に、
「まぁ、“機工士のスキル”の一つだからね。」
ユウジさんが返します。
この流れで、
「お!!」
「掛かった!」
「ありがとな。」
サトシさんが述べ、
「ん。」
軽く頷いたユウジさんが、シートに座りました。
マイクロバスが駐車場から出発するなか、
「“修復士”みたいなものでしょうか?」
私が質問してみたら、
「あー、……、あっちは家具や建物を直す能力で、こっちは機械系を修理できるんだ。」
ユウジさんが、そう教えてくださったのです。
疑問が生じたらしい壱紀くんが、
「修復士は“一般職”ですよね。」
「機工士との違いって、どういうものなんですか??」
このように伺ったところ、
「僕の場合は“ユニーク職”だからね。」
「拳銃などを使う事が可能なんだ。」
「だから、戦いに参加しているんだよ。」
「能力はフル活用しないと勿体ないからね。」
ユウジさんが説明してくれました。
それらを知った私は、
(何かと便利だな、機工士)
秘かに感心したのです…。
あれから順調に進み、廿日市駅に到着しました。
時刻はAM10:15頃です。
ドアを開けて、顔を出した勇者さんが、
「こっちだ!!」
誰かしらに手を振ります。
小走りで駆けて来て、乗車したのは、黒髪サラサラショートで、インテリメガネの、男性でした。
「久しぶりだね。」
微笑んだ“サラサラショートさん”が、〝おや?〟といった表情になり、
「〝初めまして〟の人達が居る。」
我ら[最神イトコーズ]に視線を送りました。
「彼女たちは、訳あって、一緒に旅することになった東京の人々でね。」
「大分まで連れて行ってあげる約束になっているんだよ。」
アケミさんのザックリとした紹介に、〝へぇー〟と納得した様子の男性が、
「そこら辺の話しは、あとで余裕があるときにでも聞かせてもらうとして……。」
「取り敢えず、宮島口駅の方を目指してもらえないかな?」
「フェリーに乗って、宮島に赴きたいんだ。」
こう告げたのです。
「何かあるのか??」
訊ねたのは、ジュンヤさんであります。
それを受けて、
「なんでも、厳島神社をボスキャラ達が占拠しているらしいんだよ。」
「そこで、行政が、討伐隊を派遣するために、メンバーを募集しているみたいでね…。」
「宮島には親戚が住んでいるから、どうしても参加したいんだ。」
「少しでも助けになりたくて。」
状況を報せた“インテリメガネさん”が、
「……、協力、してもらえるかな?」
皆さんを窺ったのです。
これに、
「当り前じゃないかぁッ!」
と、いつも通り応じる勇者さんでした―。
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