171 / 291
3rd STAGE/海を越えねばならぬのです。
171.現状⑫
しおりを挟む
「じゃあ、私は、新しいジョブを選ぶとするよ。」
[画面]を開いて、決定したるは、【剣士】であります。
[新・京都見廻組]に所属している“お団子ヘアー&細長インテリメガネさん”の戦闘を目撃した際に、興味を抱いていたので☆
宙には、レイピア/サーベル/ロングソードが、出現しました。
少し悩んだ私は、[レイピア]を手に取ったのです。
「“剣士”か…。」
呟いた父が、
「こないだ利勇が考えてくれたデザインを応用すればいいか。」
母に視線を送りました。
「ん?」
意味が分からない私が首を傾げたら、
「あー、……、穂積くんたちのお陰で、注文してくれる人が増えてきたからな。」
「いろいろと製作するようになったんだ。」
「商売として。」
父親が説明してくれました。
「俺らは、最神さん達が作ってくださった防具を着て戦っているだけなんで、たいしたことはしていませんよ。」
「それが、いい宣伝になっているみたいなんだがら、うちとしては有り難い限りだよ。」
「いえいえ、こちらこそタダで提供していただいて、感謝しています。」
父と穂積さんが謙遜し合っていたところ、
「ねぇ、おじさん!」
「私も欲しいんだけど、頼める?」
「クレリック用の装備品!!」
穂乃歌さんが期待を込めて尋ねたのです。
「ああ、勿論だ。」
「生き返った祝いに、無料でプレゼントしてあげよう。」
微笑んだ父に、
「おおー、ありがとうございます!」
穂乃歌さんが頭を下げます。
そのタイミングで、
「おはよう。」
暁斗くんが居間へと入ってきたのです。
「どうしたの??」
「何か用事?」
私が疑問を投げかけたら、
「暁斗と葵月は、いつも八時前に、ここに訪れて、夕方の五時まで一緒に働いてくれているんだよ。」
「ちなみに、給料は“日払い”だ。」
父親が教えてくれました。
「へぇー。」
理解を示した私は、〝ハッ〟として、
「今って何時?!」
和室の柱に掛けられている“振り子時計”を確認したのです。
エネミーの登場まで、あと4分ぐらいとなっております。
「やばい!!」
「月媛ちゃんに、魔法の使い方を教えとかなきゃ!」
慌てて立ち上がった私は、
「取り敢えず、お庭に行こう!!」
このように促したのでした…。
紗凪さんたちを含めた計8名で外に出た我々は、[戦闘モード]に変更したのです。
その流れで、月媛ちゃんに、[魔法の杖]を上に向けてもらい、
「ファイア・ボール!」
と、発射してもらいました。
なお、タイムループしたことによって、【魔女】の職種は“LV.8”に戻っています。
「“ファイア・ボール”って、“火の玉”だよね?」
月媛ちゃんに聞かれて、
「うん、そうだよ。」
私が答えたところ、
「……。」
何やら考え始めたのです。
「月媛ちゃん??」
私が声をかけたのと殆ど同じタイミングで、
「火の玉ぁ――ッ!!」
魔法を空へと飛ばしました。
「え!?」
「日本語にも対応してるの?」
目を丸くした私の側で、
「へぇー、これは新発見だね。」
「子供は頭が柔らかいから、〝ならでは〟ってとこかな。」
感心した真守さんが、
「けど、まぁ、“閃光”や“恩恵”とかは、国によって呼び方が異なるだろうし…。」
「いや、“神官”と“巫女”は、日本にしか存在していないのかな??」
「あ、でも、“シャーマン”がいるかも?」
といった具合に分析しています。
なにはともあれ。
(母国語がOKなんだったら、先に報せておいてほしかったんですけど。)
(“エクスプロージョン”あたりは、何度か途中で噛んだ事あるし。)
(“爆発”って言えてたら、どんだけ楽だったことか。)
世界規模のデスゲームを開催した神だか魔王だか科学者だかのずさんさに、改めて呆れる私でした―。
[画面]を開いて、決定したるは、【剣士】であります。
[新・京都見廻組]に所属している“お団子ヘアー&細長インテリメガネさん”の戦闘を目撃した際に、興味を抱いていたので☆
宙には、レイピア/サーベル/ロングソードが、出現しました。
少し悩んだ私は、[レイピア]を手に取ったのです。
「“剣士”か…。」
呟いた父が、
「こないだ利勇が考えてくれたデザインを応用すればいいか。」
母に視線を送りました。
「ん?」
意味が分からない私が首を傾げたら、
「あー、……、穂積くんたちのお陰で、注文してくれる人が増えてきたからな。」
「いろいろと製作するようになったんだ。」
「商売として。」
父親が説明してくれました。
「俺らは、最神さん達が作ってくださった防具を着て戦っているだけなんで、たいしたことはしていませんよ。」
「それが、いい宣伝になっているみたいなんだがら、うちとしては有り難い限りだよ。」
「いえいえ、こちらこそタダで提供していただいて、感謝しています。」
父と穂積さんが謙遜し合っていたところ、
「ねぇ、おじさん!」
「私も欲しいんだけど、頼める?」
「クレリック用の装備品!!」
穂乃歌さんが期待を込めて尋ねたのです。
「ああ、勿論だ。」
「生き返った祝いに、無料でプレゼントしてあげよう。」
微笑んだ父に、
「おおー、ありがとうございます!」
穂乃歌さんが頭を下げます。
そのタイミングで、
「おはよう。」
暁斗くんが居間へと入ってきたのです。
「どうしたの??」
「何か用事?」
私が疑問を投げかけたら、
「暁斗と葵月は、いつも八時前に、ここに訪れて、夕方の五時まで一緒に働いてくれているんだよ。」
「ちなみに、給料は“日払い”だ。」
父親が教えてくれました。
「へぇー。」
理解を示した私は、〝ハッ〟として、
「今って何時?!」
和室の柱に掛けられている“振り子時計”を確認したのです。
エネミーの登場まで、あと4分ぐらいとなっております。
「やばい!!」
「月媛ちゃんに、魔法の使い方を教えとかなきゃ!」
慌てて立ち上がった私は、
「取り敢えず、お庭に行こう!!」
このように促したのでした…。
紗凪さんたちを含めた計8名で外に出た我々は、[戦闘モード]に変更したのです。
その流れで、月媛ちゃんに、[魔法の杖]を上に向けてもらい、
「ファイア・ボール!」
と、発射してもらいました。
なお、タイムループしたことによって、【魔女】の職種は“LV.8”に戻っています。
「“ファイア・ボール”って、“火の玉”だよね?」
月媛ちゃんに聞かれて、
「うん、そうだよ。」
私が答えたところ、
「……。」
何やら考え始めたのです。
「月媛ちゃん??」
私が声をかけたのと殆ど同じタイミングで、
「火の玉ぁ――ッ!!」
魔法を空へと飛ばしました。
「え!?」
「日本語にも対応してるの?」
目を丸くした私の側で、
「へぇー、これは新発見だね。」
「子供は頭が柔らかいから、〝ならでは〟ってとこかな。」
感心した真守さんが、
「けど、まぁ、“閃光”や“恩恵”とかは、国によって呼び方が異なるだろうし…。」
「いや、“神官”と“巫女”は、日本にしか存在していないのかな??」
「あ、でも、“シャーマン”がいるかも?」
といった具合に分析しています。
なにはともあれ。
(母国語がOKなんだったら、先に報せておいてほしかったんですけど。)
(“エクスプロージョン”あたりは、何度か途中で噛んだ事あるし。)
(“爆発”って言えてたら、どんだけ楽だったことか。)
世界規模のデスゲームを開催した神だか魔王だか科学者だかのずさんさに、改めて呆れる私でした―。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説

収納大魔導士と呼ばれたい少年
カタナヅキ
ファンタジー
収納魔術師は異空間に繋がる出入口を作り出し、あらゆる物体を取り込むことができる。但し、他の魔術師と違って彼等が扱える魔法は一つに限られ、戦闘面での活躍は期待できない――それが一般常識だった。だが、一人の少年が収納魔法を極めた事で常識は覆される。
「収納魔術師だって戦えるんだよ」
戦闘には不向きと思われていた収納魔法を利用し、少年は世間の収納魔術師の常識を一変させる伝説を次々と作り出す――

やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
少年神官系勇者―異世界から帰還する―
mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる?
別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨
この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行)
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。
この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。
この作品は「pixiv」にも掲載しています。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

初めての異世界転生
藤井 サトル
ファンタジー
その日、幸村 大地(ゆきむら だいち)は女神に選ばれた。
女神とのやり取りの末、大地は女神の手によって異世界へと転生する。その身には女神にいくつもの能力を授かって。
まさにファンタジーの世界へ来た大地は聖女を始めにいろんな人に出会い、出会い金を稼いだり、稼いだ金が直ぐに消えたり、路上で寝たり、チート能力を振るったりと、たぶん楽しく世界を謳歌する。
このお話は【転生者】大地と【聖女】リリア。そこに女神成分をひとつまみが合わさった異世界騒動物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる