JK LOOPER

ネコのうた

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3rd STAGE/海を越えねばならぬのです。

168.大阪城奪還戦②

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昔のインドだか中国だかの甲冑姿であり、背丈は2Mといったところで、それぞれに剣・槍・ほこ・薙刀・戦斧バトルアックス・弓を装備している“仏の集団”と、乱闘になっていきます。

敵の数は35体といったところで、こちらは合計29人です。

琴音ことねや、カズヒコさんに、“虎超乱こちょうらん”の巫女さんが、【閃光】と【恩恵】を立て続けに発動しました。

おかげで、戦いは私達の有利になっています。

なかでもアケミさんのパーティーは目覚ましい働きです。

我が妹と、壱紀かずきくんも、遜色ありません。

女性の暴走族、[レディース]と言うのらしいですが…、その方々は私と同じくらいの強さみたいなので、LV.9前後でしょう。

いずれにしろ。

主に、勇者さんグループと、我が親族たちによって、エネミーは殲滅されました。

男性のみのチームである“強虎嵐武きょうこらんぶ”の40名も、敵を倒しきっています。

余談かもしれませんが、あちらの仏も35数だったようです……。


私達は、北へと歩き、[極楽橋]に到着しました。

“黒髪セミロングソバージュの男性”が、

「“京橋口”の連中は、まだみたいやな。」
「手こずっとんのか?」

軽く首を傾げます。

「どないするん??」
「合流して来んの、待つ?」

ライトブラウン茶髪ロングパーマの女性”が尋ねたら、

「んんー、……、ま、東京の人らもおるし、このまま進んでも大丈夫やろ。」

金髪リーゼントさんが、このように判断したのです。

その意見に、

「うむ!」
「ボクたちが協力すれば、なんとかなるだろう。」
「だから、ドーンと、いこう!!」

アケミさんが賛成した事によって、我々だけで[本丸]へと向かったのでした…。


あと少しで[天守]に差し掛かろうかという所で、建物の反対側から80数の仏が走ってきたのです。

足を止めた全員が構える流れで、【神官】と【巫女】らが再びスキルを施します。

「返り討ちにしたらぁあッ!」

金髪リーゼントさんを先頭に、接近戦を得意とする“近距離型”の人々が突撃していきました。

私のような[魔法職]と、【機工士】に【弓使い】は、後方支援です。

敵の“長距離型”も仲間を援護しています。

こちらの優位に勝利を確信するなかで、上空から〝ヒュゥ――――ッ!!〟という風を切る音が聞こえてきたのです。

(ん??)

そちらを〝フ〟と見た私の目に映ったのは、6Mはあろうかという仏でした。

しかも、顔が三つあります。

他の仏達みたいな鎧兜を装備していますが、全体的に黒色です。

この人外は、天衣てんえを着けており、[巨大な両口ハンマー]の“長い柄”を両手で握りしめていました。

そんな仏が、かなりの速度で降りてきます。

「あかん!」
「逃げぇい!!」

神官である黒髪ソバージュさんが前方へと声をかけるも、まさかの状況に多くの人たちが唖然として動けずにいました。

ここ・・に、スピードにのっている敵が、直径2Mはありそうなハンマーの片面を、

ズドォオンッ!!!!!

勢いよく叩き付けたのです。

その結果、地面の四方八方に大小さまざまな亀裂が生じました。

また、ハンマーの下敷きとなって、残念ながら絶命してしまった方々もいるみたいです。

おそらく、レベルが低めの人々は衝撃に耐えきれず、助からなかったのでしょう。

誰もがいまだ驚いているなか、

「コイツめっ!」

ご自身の剣に幅10㎝の“白雷びゃくらい”を纏わせた勇者さんが、必殺技である【ストラッシュ】を、宙に浮いている6M級の仏に対して放とうとします。

しかし、これよりも早く、敵は“正面の顔”の両目から紫色の【ビーム】を発射したのです。

その一つが、アケミさんの喉を貫通しました。

もう一本は、勇者さんの右側に居たサトシさんの左鎖骨にヒットしたようです。

「がはッ!!」

口から血を吐いたアケミさんが、うつ伏せで倒れていきます。

「このッ!」

敵の左側面に、直径25㎝の【光の玉】を当てたのは、琴音です。

これに反応した仏が、妹へと飛来しつつ、向かって左にハンマーを振り被りました。

「せん光!!」

琴音によって“正面の顔”が目をつぶったものの、構わず突進してくるではありませんか。

どうやら“左右の顔”は平気だったみたいなので、それらで周囲を把握しているのでしょう。

「え?!」

妹は理解できていないらしく、固まってしまいました。

「危ない!!」

咄嗟にダッシュした私は、左のてのひらで、琴音の背中を押したのです。

バランスを崩しながらも、私へと視線を送った琴音が、

「お姉ちゃん!」

左手を伸ばしてきます。

我ら姉妹と敵を挟んだ右斜め前からは、壱紀くんが慌てた様子で駆けてきていました。

ですが、これらは間に合いそうになく、左からハンマーが迫るなか、私は、死を覚悟したのです―。
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