168 / 283
3rd STAGE/海を越えねばならぬのです。
168.大阪城奪還戦②
しおりを挟む
昔のインドだか中国だかの甲冑姿であり、背丈は2Mといったところで、それぞれに剣・槍・鉾・薙刀・戦斧・弓を装備している“仏の集団”と、乱闘になっていきます。
敵の数は35体といったところで、こちらは合計29人です。
琴音や、カズヒコさんに、“虎超乱”の巫女さんが、【閃光】と【恩恵】を立て続けに発動しました。
おかげで、戦いは私達の有利になっています。
なかでもアケミさんのパーティーは目覚ましい働きです。
我が妹と、壱紀くんも、遜色ありません。
女性の暴走族、[レディース]と言うのらしいですが…、その方々は私と同じくらいの強さみたいなので、LV.9前後でしょう。
いずれにしろ。
主に、勇者さんグループと、我が親族たちによって、エネミーは殲滅されました。
男性のみのチームである“強虎嵐武”の40名も、敵を倒しきっています。
余談かもしれませんが、あちらの仏も35数だったようです……。
私達は、北へと歩き、[極楽橋]に到着しました。
“黒髪セミロングソバージュの男性”が、
「“京橋口”の連中は、まだみたいやな。」
「手こずっとんのか?」
軽く首を傾げます。
「どないするん??」
「合流して来んの、待つ?」
“ライトブラウンロングパーマの女性”が尋ねたら、
「んんー、……、ま、東京の人らもおるし、このまま進んでも大丈夫やろ。」
金髪リーゼントさんが、このように判断したのです。
その意見に、
「うむ!」
「ボクたちが協力すれば、なんとかなるだろう。」
「だから、ドーンと、いこう!!」
アケミさんが賛成した事によって、我々だけで[本丸]へと向かったのでした…。
あと少しで[天守]に差し掛かろうかという所で、建物の反対側から80数の仏が走ってきたのです。
足を止めた全員が構える流れで、【神官】と【巫女】らが再びスキルを施します。
「返り討ちにしたらぁあッ!」
金髪リーゼントさんを先頭に、接近戦を得意とする“近距離型”の人々が突撃していきました。
私のような[魔法職]と、【機工士】に【弓使い】は、後方支援です。
敵の“長距離型”も仲間を援護しています。
こちらの優位に勝利を確信するなかで、上空から〝ヒュゥ――――ッ!!〟という風を切る音が聞こえてきたのです。
(ん??)
そちらを〝フ〟と見た私の目に映ったのは、6Mはあろうかという仏でした。
しかも、顔が三つあります。
他の仏達みたいな鎧兜を装備していますが、全体的に黒色です。
この人外は、天衣を着けており、[巨大な両口ハンマー]の“長い柄”を両手で握りしめていました。
そんな仏が、かなりの速度で降りてきます。
「あかん!」
「逃げぇい!!」
神官である黒髪ソバージュさんが前方へと声をかけるも、まさかの状況に多くの人たちが唖然として動けずにいました。
ここに、スピードにのっている敵が、直径2Mはありそうなハンマーの片面を、
ズドォオンッ!!!!!
勢いよく叩き付けたのです。
その結果、地面の四方八方に大小さまざまな亀裂が生じました。
また、ハンマーの下敷きとなって、残念ながら絶命してしまった方々もいるみたいです。
おそらく、レベルが低めの人々は衝撃に耐えきれず、助からなかったのでしょう。
誰もが未だ驚いているなか、
「コイツめっ!」
ご自身の剣に幅10㎝の“白雷”を纏わせた勇者さんが、必殺技である【ストラッシュ】を、宙に浮いている6M級の仏に対して放とうとします。
しかし、これよりも早く、敵は“正面の顔”の両目から紫色の【ビーム】を発射したのです。
その一つが、アケミさんの喉を貫通しました。
もう一本は、勇者さんの右側に居たサトシさんの左鎖骨にヒットしたようです。
「がはッ!!」
口から血を吐いたアケミさんが、うつ伏せで倒れていきます。
「このッ!」
敵の左側面に、直径25㎝の【光の玉】を当てたのは、琴音です。
これに反応した仏が、妹へと飛来しつつ、向かって左にハンマーを振り被りました。
「せん光!!」
琴音によって“正面の顔”が目を瞑ったものの、構わず突進してくるではありませんか。
どうやら“左右の顔”は平気だったみたいなので、それらで周囲を把握しているのでしょう。
「え?!」
妹は理解できていないらしく、固まってしまいました。
「危ない!!」
咄嗟にダッシュした私は、左の掌で、琴音の背中を押したのです。
バランスを崩しながらも、私へと視線を送った琴音が、
「お姉ちゃん!」
左手を伸ばしてきます。
我ら姉妹と敵を挟んだ右斜め前からは、壱紀くんが慌てた様子で駆けてきていました。
ですが、これらは間に合いそうになく、左からハンマーが迫るなか、私は、死を覚悟したのです―。
敵の数は35体といったところで、こちらは合計29人です。
琴音や、カズヒコさんに、“虎超乱”の巫女さんが、【閃光】と【恩恵】を立て続けに発動しました。
おかげで、戦いは私達の有利になっています。
なかでもアケミさんのパーティーは目覚ましい働きです。
我が妹と、壱紀くんも、遜色ありません。
女性の暴走族、[レディース]と言うのらしいですが…、その方々は私と同じくらいの強さみたいなので、LV.9前後でしょう。
いずれにしろ。
主に、勇者さんグループと、我が親族たちによって、エネミーは殲滅されました。
男性のみのチームである“強虎嵐武”の40名も、敵を倒しきっています。
余談かもしれませんが、あちらの仏も35数だったようです……。
私達は、北へと歩き、[極楽橋]に到着しました。
“黒髪セミロングソバージュの男性”が、
「“京橋口”の連中は、まだみたいやな。」
「手こずっとんのか?」
軽く首を傾げます。
「どないするん??」
「合流して来んの、待つ?」
“ライトブラウンロングパーマの女性”が尋ねたら、
「んんー、……、ま、東京の人らもおるし、このまま進んでも大丈夫やろ。」
金髪リーゼントさんが、このように判断したのです。
その意見に、
「うむ!」
「ボクたちが協力すれば、なんとかなるだろう。」
「だから、ドーンと、いこう!!」
アケミさんが賛成した事によって、我々だけで[本丸]へと向かったのでした…。
あと少しで[天守]に差し掛かろうかという所で、建物の反対側から80数の仏が走ってきたのです。
足を止めた全員が構える流れで、【神官】と【巫女】らが再びスキルを施します。
「返り討ちにしたらぁあッ!」
金髪リーゼントさんを先頭に、接近戦を得意とする“近距離型”の人々が突撃していきました。
私のような[魔法職]と、【機工士】に【弓使い】は、後方支援です。
敵の“長距離型”も仲間を援護しています。
こちらの優位に勝利を確信するなかで、上空から〝ヒュゥ――――ッ!!〟という風を切る音が聞こえてきたのです。
(ん??)
そちらを〝フ〟と見た私の目に映ったのは、6Mはあろうかという仏でした。
しかも、顔が三つあります。
他の仏達みたいな鎧兜を装備していますが、全体的に黒色です。
この人外は、天衣を着けており、[巨大な両口ハンマー]の“長い柄”を両手で握りしめていました。
そんな仏が、かなりの速度で降りてきます。
「あかん!」
「逃げぇい!!」
神官である黒髪ソバージュさんが前方へと声をかけるも、まさかの状況に多くの人たちが唖然として動けずにいました。
ここに、スピードにのっている敵が、直径2Mはありそうなハンマーの片面を、
ズドォオンッ!!!!!
勢いよく叩き付けたのです。
その結果、地面の四方八方に大小さまざまな亀裂が生じました。
また、ハンマーの下敷きとなって、残念ながら絶命してしまった方々もいるみたいです。
おそらく、レベルが低めの人々は衝撃に耐えきれず、助からなかったのでしょう。
誰もが未だ驚いているなか、
「コイツめっ!」
ご自身の剣に幅10㎝の“白雷”を纏わせた勇者さんが、必殺技である【ストラッシュ】を、宙に浮いている6M級の仏に対して放とうとします。
しかし、これよりも早く、敵は“正面の顔”の両目から紫色の【ビーム】を発射したのです。
その一つが、アケミさんの喉を貫通しました。
もう一本は、勇者さんの右側に居たサトシさんの左鎖骨にヒットしたようです。
「がはッ!!」
口から血を吐いたアケミさんが、うつ伏せで倒れていきます。
「このッ!」
敵の左側面に、直径25㎝の【光の玉】を当てたのは、琴音です。
これに反応した仏が、妹へと飛来しつつ、向かって左にハンマーを振り被りました。
「せん光!!」
琴音によって“正面の顔”が目を瞑ったものの、構わず突進してくるではありませんか。
どうやら“左右の顔”は平気だったみたいなので、それらで周囲を把握しているのでしょう。
「え?!」
妹は理解できていないらしく、固まってしまいました。
「危ない!!」
咄嗟にダッシュした私は、左の掌で、琴音の背中を押したのです。
バランスを崩しながらも、私へと視線を送った琴音が、
「お姉ちゃん!」
左手を伸ばしてきます。
我ら姉妹と敵を挟んだ右斜め前からは、壱紀くんが慌てた様子で駆けてきていました。
ですが、これらは間に合いそうになく、左からハンマーが迫るなか、私は、死を覚悟したのです―。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
亡国の系譜と神の婚約者
仁藤欣太郎
ファンタジー
二十年前に起こった世界戦争の傷跡も癒え、世界はかつてない平和を享受していた。
最果ての島イールに暮らす漁師の息子ジャンは、外の世界への好奇心から幼馴染のニコラ、シェリーを巻き込んで自分探しの旅に出る。
ジャンは旅の中で多くの出会いを経て大人へと成長していく。そして渦巻く陰謀、社会の暗部、知られざる両親の過去……。彼は自らの意思と無関係に大きな運命に巻き込まれていく。
☆本作は小説家になろう、マグネットでも公開しています。
☆挿絵はみずきさん(ツイッター: @Mizuki_hana93)にお願いしています。
☆ノベルアッププラスで最新の改稿版の投稿をはじめました。間違いの修正なども多かったので、気になる方はノベプラ版をご覧ください。こちらもプロの挿絵付き。
【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
「お前のような奴はパーティーに必要ない」と追放された錬金術師は自由に生きる~ポーション作ってたらいつの間にか最強になってました~
平山和人
ファンタジー
錬金術師のカイトは役立たずを理由にパーティーから追放されてしまう。自由を手に入れたカイトは世界中を気ままに旅することにした。
しかし、カイトは気づいていなかった。彼の作るポーションはどんな病気をも治す万能薬であることを。
カイトは旅をしていくうちに、薬神として崇められることになるのだが、彼は今日も無自覚に人々を救うのであった。
一方、カイトを追放したパーティーはカイトを失ったことで没落の道を歩むことになるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる