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2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
159.現状⑩
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「じゃあねぇー。」
「バイバーイ。」
穂乃歌さん&琴音を筆頭に全員が手を振るなか、紗凪さんが扱った[転移の宝玉]にて“テレポーテーション”したのです。
“神里町”の方々が地元に帰ったのを見届けたところで、
「ボク達は、これから周囲を散歩して、八時になったらエネミーどもを倒していく予定だが…。」
「君たちも一緒にどうだい?」
アケミさんに声を掛けられました。
「私達は構いませんけど……。」
横浜中華街の人々に視線を送ったら、
「全然OKだよ。」
マサさんが承諾し、
「俺もだ。」
ヒデさんが頷いたのです。
「それじゃあ、“一般職”には留守番しといてもらうとして…、ブラッと巡ろうか。」
勇者さんに促されて、我々は敷地の外へと向かいます。
時刻はAM07:40あたりでした……。
小一時間が経ち、ホテルに戻って来た私たちは、暫く解散する事になりました。
なお、今回のバトルでは誰もレベルアップしておりません。
それは置いといて。
各ルームでくつろいでいた一同が、午前10時を目途にロビーへと集まってきます。
ちなみに、私と妹は二人部屋で、壱紀くんは一人用でした。
何はともあれ。
AM09:57頃にミサさんが、数十秒後にはハルカさんが、帰還したのです。
更に1分ほどが経ち、[護衛隊]の隊長さん&副隊長さんが訪れました…。
まず、黒髪ボブのナガハマさんによれば、昨夜から今朝に掛けて、病院を占拠していた人々が自供したそうです。
余談かもしれませんが、【ネクロマンサー】の少年は、幽霊を出現させられないように、電気で照らされた独房室に入れられているとの情報でした。
また、彼のレベルが“6”というのも判明したのです。
さて。
警察によると、あのメンバーの半数くらいは、[死霊使い]の友人達を介して集まっていたそうで、蘇生術士さんが得ていた大金を狙っていたのと話しでした。
“ぶべぇーッ番長”たち[旧ミツル一派]のような面子をスカウトして、仲間を増やした少年は、遂に計画を実行したみたいです。
彩さんを誘拐しようかとも企んだみたいですが、[護衛隊]が守りを固めているので、殺害に変更したとのことでした。
怒りに駆られた関係者が復讐しようとするだろうから、建物に侵入してきたところを倒していく手筈だったようです。
そうやって、[新・京都見廻組]などを殲滅していき、生き残った人に、お金の在りかを聞き出す予定だったとか……。
「ガキの発想だな。」
吐き捨てたのは、【武闘家】のサトシさんです。
「まぁ、ネクロマンサーあたりは、まだ14歳らしいんで。」
ナガハマさんの説明を受けて、
「同い年でも、大人っぽい子供達も世の中にいるでしょうから、やはり、考えや精神が幼いのでしょう。」
【神官】のカズヒコさんが述べました。
この意見に誰もが納得するなか、
「で??」
「君たちは、今後どうするんだ?」
【侍】のジュンヤさんが訊ねます。
それに、オシャレ坊主のサカイダさんが、
「現在、うちらの仲間が、清水寺に赴いた人々に事情を伝えて、理解を求めとります。」
「また、SNSでも、この件を広めていっとる最中です。」
「我々は、落ち着いたら、護衛隊を解散させよう思とります。」
と、答えたのです。
「え?!」
「何故です??」
私が伺ったら、
「“蘇生術士”を護衛しきらんかった責任を取るためです。」
ナガハマさんが、悔しさと悲しさが入り混じったかのような表情で、口を開きました。
「“見廻組”も、そうするの?」
【機工士】であるユウジさんの問いに、
「いや、そっちは、数ヶ月は続けていけるでしょうな…。」
「彩さんが遺した財を活用して。」
「専属の経理係が二人おって、彼女らに計算してもろとる最中なんで、詳しいことは未だ不明ですが……。」
「お金を使い切ったあとは、京都の行政に支援してもらえれば、こっから先も変わりないでしょう。」
サカイダさんが解説します。
「なんだか申し訳ないわね。」
「あの場に居たのにも関わらず、みすみす“蘇生術士”の人を死なせてしまった挙句、それが、あなた達が解散する原因になってしまうなんて…。」
ハルカさんの発言によって、私までが心苦しくなるも、
「ああいうのを防ぐんが私らの仕事やったんに、それが出来んかったんは、自分たちが悪いんです。」
「皆さんの所為ではないんで、ご自身を責めんとってください。」
「大丈夫。」
「うちらは前向きにやっていくさかい。」
優しく微笑むナガハマさんによって、救われた気持ちになったのでした―。
「バイバーイ。」
穂乃歌さん&琴音を筆頭に全員が手を振るなか、紗凪さんが扱った[転移の宝玉]にて“テレポーテーション”したのです。
“神里町”の方々が地元に帰ったのを見届けたところで、
「ボク達は、これから周囲を散歩して、八時になったらエネミーどもを倒していく予定だが…。」
「君たちも一緒にどうだい?」
アケミさんに声を掛けられました。
「私達は構いませんけど……。」
横浜中華街の人々に視線を送ったら、
「全然OKだよ。」
マサさんが承諾し、
「俺もだ。」
ヒデさんが頷いたのです。
「それじゃあ、“一般職”には留守番しといてもらうとして…、ブラッと巡ろうか。」
勇者さんに促されて、我々は敷地の外へと向かいます。
時刻はAM07:40あたりでした……。
小一時間が経ち、ホテルに戻って来た私たちは、暫く解散する事になりました。
なお、今回のバトルでは誰もレベルアップしておりません。
それは置いといて。
各ルームでくつろいでいた一同が、午前10時を目途にロビーへと集まってきます。
ちなみに、私と妹は二人部屋で、壱紀くんは一人用でした。
何はともあれ。
AM09:57頃にミサさんが、数十秒後にはハルカさんが、帰還したのです。
更に1分ほどが経ち、[護衛隊]の隊長さん&副隊長さんが訪れました…。
まず、黒髪ボブのナガハマさんによれば、昨夜から今朝に掛けて、病院を占拠していた人々が自供したそうです。
余談かもしれませんが、【ネクロマンサー】の少年は、幽霊を出現させられないように、電気で照らされた独房室に入れられているとの情報でした。
また、彼のレベルが“6”というのも判明したのです。
さて。
警察によると、あのメンバーの半数くらいは、[死霊使い]の友人達を介して集まっていたそうで、蘇生術士さんが得ていた大金を狙っていたのと話しでした。
“ぶべぇーッ番長”たち[旧ミツル一派]のような面子をスカウトして、仲間を増やした少年は、遂に計画を実行したみたいです。
彩さんを誘拐しようかとも企んだみたいですが、[護衛隊]が守りを固めているので、殺害に変更したとのことでした。
怒りに駆られた関係者が復讐しようとするだろうから、建物に侵入してきたところを倒していく手筈だったようです。
そうやって、[新・京都見廻組]などを殲滅していき、生き残った人に、お金の在りかを聞き出す予定だったとか……。
「ガキの発想だな。」
吐き捨てたのは、【武闘家】のサトシさんです。
「まぁ、ネクロマンサーあたりは、まだ14歳らしいんで。」
ナガハマさんの説明を受けて、
「同い年でも、大人っぽい子供達も世の中にいるでしょうから、やはり、考えや精神が幼いのでしょう。」
【神官】のカズヒコさんが述べました。
この意見に誰もが納得するなか、
「で??」
「君たちは、今後どうするんだ?」
【侍】のジュンヤさんが訊ねます。
それに、オシャレ坊主のサカイダさんが、
「現在、うちらの仲間が、清水寺に赴いた人々に事情を伝えて、理解を求めとります。」
「また、SNSでも、この件を広めていっとる最中です。」
「我々は、落ち着いたら、護衛隊を解散させよう思とります。」
と、答えたのです。
「え?!」
「何故です??」
私が伺ったら、
「“蘇生術士”を護衛しきらんかった責任を取るためです。」
ナガハマさんが、悔しさと悲しさが入り混じったかのような表情で、口を開きました。
「“見廻組”も、そうするの?」
【機工士】であるユウジさんの問いに、
「いや、そっちは、数ヶ月は続けていけるでしょうな…。」
「彩さんが遺した財を活用して。」
「専属の経理係が二人おって、彼女らに計算してもろとる最中なんで、詳しいことは未だ不明ですが……。」
「お金を使い切ったあとは、京都の行政に支援してもらえれば、こっから先も変わりないでしょう。」
サカイダさんが解説します。
「なんだか申し訳ないわね。」
「あの場に居たのにも関わらず、みすみす“蘇生術士”の人を死なせてしまった挙句、それが、あなた達が解散する原因になってしまうなんて…。」
ハルカさんの発言によって、私までが心苦しくなるも、
「ああいうのを防ぐんが私らの仕事やったんに、それが出来んかったんは、自分たちが悪いんです。」
「皆さんの所為ではないんで、ご自身を責めんとってください。」
「大丈夫。」
「うちらは前向きにやっていくさかい。」
優しく微笑むナガハマさんによって、救われた気持ちになったのでした―。
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