JK LOOPER

ネコのうた

文字の大きさ
上 下
148 / 283
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。

148.現状⑧

しおりを挟む
ロビーの出入り口から、

「ほな、俺らは。」

「うん。」
「よろしくね。」

との声が聞こえてきた後に、黒髪ボブの女性と、オシャレ坊主さんが、私達の所へと歩いてきました。

「どうかしたんですか??」

私の質問を察した黒髪ボブさんが、

「あと5分くらいでエネミーが現れる時間になるさかい、護衛隊の八人は、ホテルの“戦闘職”と“ユニーク職”の従業員らと一緒に、対応してもらいます。」

このように答え、

「その間に、俺たちは、いろいろと話しをしていきたいんで、よろしゅうお頼申たのもうします。」

オシャレ坊主さんが続いたのです。

「紹介がおそなりましたが…、私は護衛隊の隊長で“ナガハマ”いいます。」
「こちらは、副隊長の“サカイダ”です。」

黒髪ボブのナガハマさんが会釈して、坊主頭のサカイダさんがならいました。

「まず、蘇生術士のあやさんは、清水寺に安置させてもろとります。」
「ご遺族が斎場を選んではる最中なんで、今日中には運ばれるでしょう。」

ナガハマさんが、そう述べました。

「……で?」
「あの小僧どもの行方は??」

団長さんが訊ねたところ、

「今、“新・京都見廻組みまわりぐみ”が血眼ちまなこになって探しとるさかい、じきに連絡が入るでしょう。」

サカイダさんが伝えてくれたのです。

「しかし、お化けを操るとは…、あれ・・がどういうジョブなのかは分かるのかい?」

勇者さんの問いに、

「こっちで調べてみたとこ、“ネクロマンサー”とかいうらしく、日本語に翻訳すると“死霊使い”や“屍術師”などになるそうです。」

サカイダさんが説明しました。

「それで、彼は、なぜ、彩さんを襲撃したのでしょう??」

私が伺ってみたら、

「ネットによれば、世界中で似たような事件が起きとるみたいなんです。」
「ネクロマンサーは、亡くなった人間と動物の霊を扱うため、これらが復活すると手駒・・を失っていき、自分が不利になるんで、蘇生術士を狙っとるとか……。」
「ま、全てのネクロマンサーが、そうとは限らんようですが。」

ナガハマさんが教えてくださったのです。

その流れで、青髪ウィッグのカズヒコさんが、

「ん??」
「あの少年が出現させたのは、“乱世の武士”とかいう一体だけでしたよね?」
「〝他にも呼び寄せることが出来る〟のでしょうか??」
「数に際限なく。」

首を傾げました。

「ま、〝限りは有る〟みたいなんやけど…。」
「あの鎧武者は、アイツが手始めにもろうた幽霊やないんかと思われます。」
「例えば、ヨーロッパ各国のネクロマンサーらは“中世の騎士”を使つこおとるみたいやさかい。」
「“戦闘職”あたりに置き換えると、“最初の武器”ゆうたとこでしょう。」
つるぎとか、槍であったり、薙刀みたいな。」
「で。」
「ネクロマンサー達は、レベルがアップしていけば、操作できるコマ・・が増えるらしく……、それら・・・は“現代の死霊”みたいです。」

こう解説したのはサカイダさんです。

紗凪さなさんが、

「それじゃあ、あの男の子は〝武士以外にも幾つかの霊をストックしている可能性が高い〟という事ね?」
「彼が〝LV.1ではない〟と想定した場合。」

そのように尋ねたところ、

「おそらくは。」

ナガハマさんと、

「十中八九。」

サカイダさんが、ほぼ同時に頷きました―。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

誰も要らないなら僕が貰いますが、よろしいでしょうか?

伊東 丘多
ファンタジー
ジャストキルでしか、手に入らないレアな石を取るために冒険します 小さな少年が、独自の方法でスキルアップをして強くなっていく。 そして、田舎の町から王都へ向かいます 登場人物の名前と色 グラン デディーリエ(義母の名字) 8才 若草色の髪 ブルーグリーンの目 アルフ 実父 アダマス 母 エンジュ ミライト 13才 グランの義理姉 桃色の髪 ブルーの瞳 ユーディア ミライト 17才 グランの義理姉 濃い赤紫の髪 ブルーの瞳 コンティ ミライト 7才 グランの義理の弟 フォンシル コンドーラル ベージュ 11才皇太子 ピーター サイマルト 近衛兵 皇太子付き アダマゼイン 魔王 目が透明 ガーゼル 魔王の側近 女の子 ジャスパー フロー  食堂宿の人 宝石の名前関係をもじってます。 色とかもあわせて。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

亡国の系譜と神の婚約者

仁藤欣太郎
ファンタジー
二十年前に起こった世界戦争の傷跡も癒え、世界はかつてない平和を享受していた。 最果ての島イールに暮らす漁師の息子ジャンは、外の世界への好奇心から幼馴染のニコラ、シェリーを巻き込んで自分探しの旅に出る。 ジャンは旅の中で多くの出会いを経て大人へと成長していく。そして渦巻く陰謀、社会の暗部、知られざる両親の過去……。彼は自らの意思と無関係に大きな運命に巻き込まれていく。 ☆本作は小説家になろう、マグネットでも公開しています。 ☆挿絵はみずきさん(ツイッター: @Mizuki_hana93)にお願いしています。 ☆ノベルアッププラスで最新の改稿版の投稿をはじめました。間違いの修正なども多かったので、気になる方はノベプラ版をご覧ください。こちらもプロの挿絵付き。

スナッチ ボクに魔力はありません 王都学院の異端児

hakusuya
ファンタジー
 コーネル家唯一の男子として生まれたロアルドには生まれつき魔法の才がなかった。使える魔法なし、魔力ゼロ。あるのは意味不明の特性「スナッチ」。その卑怯なチートスキルは温厚で聡明なロアルドだから許されたものだった。  十二歳になったロアルドは父のコネで、三人の優秀な姉が通う王都学院に進学する。 「どろぼうだなんて、ちょっと借りるだけです」  そんなセリフを何度も口にすることになろうとは思いもしなかった。

見よう見まねで生産チート

立風人(りふと)
ファンタジー
(※サムネの武器が登場します) ある日、死神のミスにより死んでしまった青年。 神からのお詫びと救済を兼ねて剣と魔法の世界へ行けることに。 もの作りが好きな彼は生産チートをもらい異世界へ 楽しくも忙しく過ごす冒険者 兼 職人 兼 〇〇な主人公とその愉快な仲間たちのお話。 ※基本的に主人公視点で進んでいきます。 ※趣味作品ですので不定期投稿となります。 コメント、評価、誤字報告の方をよろしくお願いします。

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜

霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……? 生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。 これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。 (小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)

処理中です...