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2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
140.決勝戦です・カトル
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穂積さんが戻ってきます。
「やった! やったぁー!!」
〝ぴょんぴょん〟飛び跳ねて喜びを表現しているのはミサさんです。
その右隣にて、琴音が両手で軽く〝うっしッ!〟とガッツポーズしております。
紗凪さんと真守さんは、同時に、穂積さんとハイタッチしました。
むこうでは、
「ドンマイ、ドンマーイ!!」
「まだまだこれからだ!」
「切り替えていこぉうッ!!」
“赤髪の勇者さん”が、お仲間を盛り上げています。
どちらの様子も窺っていた審判さんが、
「良ければ、副将戦にしまーす!」
このように促しました。
「それじゃあ行ってくるわ。」
“清水の舞台”に向かおうとする紗凪さんに、
「勝てよ、姉貴。」
真守さんが声を掛けます。
「当然。」
「穂乃歌を生き返らせるためにね!!」
気合十分で答える紗凪さんでした……。
対するは、【騎士】のハルカさんです。
右手には[木剣]を持っています。
紗凪さんは、相変わらず“素手”です。
ルールを説明した黒髪ボブさんが、
「始めッ!」
と、合図しました。
一気に間合いを詰めた紗凪さんが、パンチとキックを、ハルカさんの胸元や腹部に、次々とヒットさせていきます。
ちなみに、ハルカさんは[薄鉄の甲冑]を装備中です。
一方の紗凪さんは、薄鉄による胸当て・肩当て・肘当て・籠手・膝当て・脛当て、といった格好であります。
なお、足も薄鉄で覆われており、それは“脛当てと一体化しているタイプ”の物です。
「くッ!!」
眉間にシワを寄せたハルカさんが、武器を〝ズォッ!〟と突き出します。
これを、紗凪さんは左へのサイドステップで躱したのです。
二人は、呼吸を整えつつ、〝スッ〟と構えました。
互いに隙を与えまいとするなか、
「さっきのラッシュを耐えるなんて…、結構、強いんじゃない?」
「あの騎士。」
カナさんが分析したのです。
「んー、まぁ、騎士は、他のジョブよりも防御力が高いみたいだからな。」
「だが、ノーダメージってことはないだろう。」
「体の内側には、確実に蓄積されている筈だ。」
そのように述べたのは、団長さんであります。
誰もが固唾を呑んで見守っていたところ、ハルカさんが剣を上から振り下ろしたのです。
後方へと逃れた紗凪さんに、今度はハルカさんが猛攻を仕掛けていきます。
紗凪さんは、左右に避けたり、籠手で受けたりと、冷静に捌いていました。
数十秒後。
上半身ばかりに攻撃を集中させていたハルカさんが、不意に、紗凪さんの右太腿へと、木剣を横に払ったのです。
紗凪さんの意識が疎かになっているであろう下半身を狙ったのでしょう。
おそらく、作戦だったに違いありません。
これには反応できないだろうと思われた紗凪さんでしたが、ジャンプするなり、ハルカさんの左顔を、右足で〝ガゴンッ!!〟と蹴りました。
ハルカさんは頭から頬にかけて[兜]で守られているとは言え、かなり強烈だったみたいで、仰向けで〝ドサッ!〟と倒れたのです。
ま、“薄鉄”なので、そんなに頑丈ではありませんしね。
何はともあれ。
「ぐぅ~ッ。」
体を起こそうとするハルカさんに、すかさず紗凪さんが馬乗りになります。
流れるように、ハルカさんの首下(鎖骨)あたりを左の掌で押さえた紗凪さんが、右の拳を顔面にお見舞いしようとしたら、
「そこまで!!」
「勝者、紗凪選手!」
審判さんが告げたので、〝ピタッ〟と止ました。
このジャッジに、
「ぅぉぉおおっしゃ――ッ!!」
ミサさんが大きく万歳したのです。
更には、我が妹も同じポーズを取っています。
かくして、決着は大将戦に持ち越されるのでした―。
「やった! やったぁー!!」
〝ぴょんぴょん〟飛び跳ねて喜びを表現しているのはミサさんです。
その右隣にて、琴音が両手で軽く〝うっしッ!〟とガッツポーズしております。
紗凪さんと真守さんは、同時に、穂積さんとハイタッチしました。
むこうでは、
「ドンマイ、ドンマーイ!!」
「まだまだこれからだ!」
「切り替えていこぉうッ!!」
“赤髪の勇者さん”が、お仲間を盛り上げています。
どちらの様子も窺っていた審判さんが、
「良ければ、副将戦にしまーす!」
このように促しました。
「それじゃあ行ってくるわ。」
“清水の舞台”に向かおうとする紗凪さんに、
「勝てよ、姉貴。」
真守さんが声を掛けます。
「当然。」
「穂乃歌を生き返らせるためにね!!」
気合十分で答える紗凪さんでした……。
対するは、【騎士】のハルカさんです。
右手には[木剣]を持っています。
紗凪さんは、相変わらず“素手”です。
ルールを説明した黒髪ボブさんが、
「始めッ!」
と、合図しました。
一気に間合いを詰めた紗凪さんが、パンチとキックを、ハルカさんの胸元や腹部に、次々とヒットさせていきます。
ちなみに、ハルカさんは[薄鉄の甲冑]を装備中です。
一方の紗凪さんは、薄鉄による胸当て・肩当て・肘当て・籠手・膝当て・脛当て、といった格好であります。
なお、足も薄鉄で覆われており、それは“脛当てと一体化しているタイプ”の物です。
「くッ!!」
眉間にシワを寄せたハルカさんが、武器を〝ズォッ!〟と突き出します。
これを、紗凪さんは左へのサイドステップで躱したのです。
二人は、呼吸を整えつつ、〝スッ〟と構えました。
互いに隙を与えまいとするなか、
「さっきのラッシュを耐えるなんて…、結構、強いんじゃない?」
「あの騎士。」
カナさんが分析したのです。
「んー、まぁ、騎士は、他のジョブよりも防御力が高いみたいだからな。」
「だが、ノーダメージってことはないだろう。」
「体の内側には、確実に蓄積されている筈だ。」
そのように述べたのは、団長さんであります。
誰もが固唾を呑んで見守っていたところ、ハルカさんが剣を上から振り下ろしたのです。
後方へと逃れた紗凪さんに、今度はハルカさんが猛攻を仕掛けていきます。
紗凪さんは、左右に避けたり、籠手で受けたりと、冷静に捌いていました。
数十秒後。
上半身ばかりに攻撃を集中させていたハルカさんが、不意に、紗凪さんの右太腿へと、木剣を横に払ったのです。
紗凪さんの意識が疎かになっているであろう下半身を狙ったのでしょう。
おそらく、作戦だったに違いありません。
これには反応できないだろうと思われた紗凪さんでしたが、ジャンプするなり、ハルカさんの左顔を、右足で〝ガゴンッ!!〟と蹴りました。
ハルカさんは頭から頬にかけて[兜]で守られているとは言え、かなり強烈だったみたいで、仰向けで〝ドサッ!〟と倒れたのです。
ま、“薄鉄”なので、そんなに頑丈ではありませんしね。
何はともあれ。
「ぐぅ~ッ。」
体を起こそうとするハルカさんに、すかさず紗凪さんが馬乗りになります。
流れるように、ハルカさんの首下(鎖骨)あたりを左の掌で押さえた紗凪さんが、右の拳を顔面にお見舞いしようとしたら、
「そこまで!!」
「勝者、紗凪選手!」
審判さんが告げたので、〝ピタッ〟と止ました。
このジャッジに、
「ぅぉぉおおっしゃ――ッ!!」
ミサさんが大きく万歳したのです。
更には、我が妹も同じポーズを取っています。
かくして、決着は大将戦に持ち越されるのでした―。
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