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2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
137.決勝戦です・アン
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PM19:00となるタイミングに合わせて、
「それでは、先鋒戦…、始めッ!!」
“黒髪ボブ”の審判さんが告げました。
これを聞くなり、ヒデさんが一気に間合いを詰めていきます。
なかなかのスピードに、対戦者のカズヒコさんが〝お!〟と少なからず驚いたようです。
相手の懐に入ったヒデさんが[木短剣]を突き出します。
胸元を狙う一撃に、
「くッ!!」
カズヒコさんが眉間にシワを寄せながら、両手で掴んだ[木製の薙刀]を横にして、
ガツッ!
と、防ぎました。
ヒデさんは、〝休む暇を与えまい〟といった感じで、武器を縦横無尽に振るいだしたのです。
それを、カズヒコさんが、躱そうとしたり、[木薙刀]で受けようとしています。
しかし、ヒデさんの速度に完全には対応できていないようで、顔/肩/腕/太腿などに軽くではあるものの攻撃がヒットしていきました。
状況を観察しているマサさんが、
「ダメージは浅いみたいだね。」
「シーフの“素早さ”で崩されないという事は……、あの“青髪の人”はヒデ君よりも割とレベルが上なんだろうね、きっと。」
このように述べたのです。
「ああー。」
「確かに、“盗賊”って、スピードがありましたねぇ。」
横浜中華街の[玄武門]あたりでヒデさん達とバトルになったのを思い出しつつ、
「他にも、そういうジョブってあるんですか??」
私が誰ともなく尋ねてみたところ、
「そうだな…。」
「基本的に、シーフ・アサシン・忍者は、他の職種よりも“素早さ”が高いみたいだ。」
「ステータスが数値化されていないから、どれくらいのものかは分からんが。」
穂積さんが答えてくれました。
「まぁ、でも、このままイケイケで、“ヒデっち”が勝ちそうだね♪」
機嫌を良くするミサさんに対して、
「いや、どうでしょう?」
「そう簡単には倒せなさそうですが……。」
慎重な見解を示したのは壱紀くんです。
「確かにな。」
頷いた団長さんが、
「現に、向こうは遅れずに反応できるようになってきたし……。」
「やはり、レベルに差があるんだろうよ。」
「こいつぁ、不利かもしんねぇぜ。」
表情を曇らせます。
不安に駆られつつ、闘いに視線を戻してみたら、さっきまで防戦一方だったカズヒコさんが、[木製の薙刀]を右から左へと払って、反撃していました。
「むッ!?」
それを、しゃがんで逃れたヒデさんは、屈伸のバネを利用して立ち上がるのと同時に、[短剣]を顎に当てようとします。
が。
これよりも先に、カズヒコさんが武器を縦方向に〝ぐるん!!〟と半回転させた勢いで、叩き付けてきたのです。
「ぬぉッ!」
咄嗟に左へと避けたヒデさんが、ややバランスを崩します。
カズヒコさんは、この隙を逃さず、[木製の薙刀]の切っ先を、ヒデさんの喉元に〝ピトッ〟と付けました。
結果、
「そこまで!!」
「勝者、カズヒコ選手!」
審判さんが試合を終わらせたのです。
前もって説明されていた〝実戦であれば命を落としてもおかしくない攻撃を許してしまった場合は負けとする〟とのルール規定に基づいて―。
「それでは、先鋒戦…、始めッ!!」
“黒髪ボブ”の審判さんが告げました。
これを聞くなり、ヒデさんが一気に間合いを詰めていきます。
なかなかのスピードに、対戦者のカズヒコさんが〝お!〟と少なからず驚いたようです。
相手の懐に入ったヒデさんが[木短剣]を突き出します。
胸元を狙う一撃に、
「くッ!!」
カズヒコさんが眉間にシワを寄せながら、両手で掴んだ[木製の薙刀]を横にして、
ガツッ!
と、防ぎました。
ヒデさんは、〝休む暇を与えまい〟といった感じで、武器を縦横無尽に振るいだしたのです。
それを、カズヒコさんが、躱そうとしたり、[木薙刀]で受けようとしています。
しかし、ヒデさんの速度に完全には対応できていないようで、顔/肩/腕/太腿などに軽くではあるものの攻撃がヒットしていきました。
状況を観察しているマサさんが、
「ダメージは浅いみたいだね。」
「シーフの“素早さ”で崩されないという事は……、あの“青髪の人”はヒデ君よりも割とレベルが上なんだろうね、きっと。」
このように述べたのです。
「ああー。」
「確かに、“盗賊”って、スピードがありましたねぇ。」
横浜中華街の[玄武門]あたりでヒデさん達とバトルになったのを思い出しつつ、
「他にも、そういうジョブってあるんですか??」
私が誰ともなく尋ねてみたところ、
「そうだな…。」
「基本的に、シーフ・アサシン・忍者は、他の職種よりも“素早さ”が高いみたいだ。」
「ステータスが数値化されていないから、どれくらいのものかは分からんが。」
穂積さんが答えてくれました。
「まぁ、でも、このままイケイケで、“ヒデっち”が勝ちそうだね♪」
機嫌を良くするミサさんに対して、
「いや、どうでしょう?」
「そう簡単には倒せなさそうですが……。」
慎重な見解を示したのは壱紀くんです。
「確かにな。」
頷いた団長さんが、
「現に、向こうは遅れずに反応できるようになってきたし……。」
「やはり、レベルに差があるんだろうよ。」
「こいつぁ、不利かもしんねぇぜ。」
表情を曇らせます。
不安に駆られつつ、闘いに視線を戻してみたら、さっきまで防戦一方だったカズヒコさんが、[木製の薙刀]を右から左へと払って、反撃していました。
「むッ!?」
それを、しゃがんで逃れたヒデさんは、屈伸のバネを利用して立ち上がるのと同時に、[短剣]を顎に当てようとします。
が。
これよりも先に、カズヒコさんが武器を縦方向に〝ぐるん!!〟と半回転させた勢いで、叩き付けてきたのです。
「ぬぉッ!」
咄嗟に左へと避けたヒデさんが、ややバランスを崩します。
カズヒコさんは、この隙を逃さず、[木製の薙刀]の切っ先を、ヒデさんの喉元に〝ピトッ〟と付けました。
結果、
「そこまで!!」
「勝者、カズヒコ選手!」
審判さんが試合を終わらせたのです。
前もって説明されていた〝実戦であれば命を落としてもおかしくない攻撃を許してしまった場合は負けとする〟とのルール規定に基づいて―。
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