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2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
135.それぞれの意図
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本堂には、総勢8名の人々が待っていました。
そのうちの7人は男女問わずスーツ姿なので、きっと[護衛隊]に違いありません。
唯一、和服である女性が、【蘇生術士】なのでしょう。
着物は白色で、帯が青色であり、どちらも銀糸による絵柄が刺繍されていました。
ご本人は、艶やかな黒髪ロングに、目鼻立ちが整った美形で、凛としておられます。
年齢は20代前半といったところでしょうか。
私が、このような観察をしていたら、
「ようこそ、皆さん。」
「私は、蘇生術士の“アヤ”と申します。」
「色彩の“彩”と書いて、“アヤ”です。」
「双方ともに、決勝戦進出、おめでとうございます。」
蘇生術士さんが会釈しました。
その流れで、
「試合の前に、伝えておくことがあるので、お聞きください。」
「決勝の様子は、ビデオカメラで撮影する可能性があります。」
「これは内閣の依頼によるものです。」
「ただし、強制ではないんで、断ってもろうても構いません。」
彩さんが説明していきます。
「なんでも、国のお偉方は、自分らを護り抜けるほどの人材を求めとるそうです。」
「“戦闘職”や“ユニーク職”になったSPとかもいたらしいんやけど、エネミーによって大半が亡くなられてしもうたそうでして…。」
「そこで、我々が“特殊依頼”を行っとるんを知った要人が、お願いしてきはったんです。」
「〝おそらく全国各地から腕利き達が集まってくるだろう〟〝なかでも決勝戦まで進んだチームは猛者揃いに違いない〟〝最終的に雇うか否かを審査するための資料映像を送ってくれ〟といった理由で……。」
「ちなみに、お給料は“日当”で支払ってくれるそうですよ。」
「金額までは教えてもろてませんが。」
このように語る蘇生術士さんでした。
「あー、それで、人間同士のバトルが〝内閣に認められている〟って、言ってたんですね。」
私が“オシャレ坊主の男性”を見たところ、〝うむ〟と肯定したのです。
「成程。」
「事情は理解できたが…、俺達は地元の治安維持に努めていきたいんで、受け入れられない。」
「すまんな。」
そう告げたのは、団長さんであります。
更に、
「俺も、東京で生活していく気はないんで、遠慮させてもらう。」
ヒデさんも拒否しました。
腕を組んで〝うぅ~ん〟と考えていた[赤髪の勇者]ことアケミさんが、
「ボクらは、明日以降、中国地方や九州に帰省している友人たちの所に赴く予定だしなぁ。」
「これらの用が済めば、問題はないんだけど……。」
「ただ…、〝特定の人間だけを助けるのではなく、出来うる限り多くの人々を分け隔てなく救うべき〟だろ?」
「当然、〝悪は挫く〟として。」
「と、ボクは思うんだ。」
「それこそ、“平和の象徴”たる“オール○イト”のように、ね。」
ご自身のグループに伝えたのです。
お仲間の全員が頷いたのを確認し、
「そういう訳で……、ボクらも御免蒙らせてもらうよ。」
勇者さんが述べます。
「承知しました。」
「皆さんを尊重して、この試合を記録するんは止めときましょ。」
優しく微笑んだ彩さんが、
「では…。」
「決勝戦に出場する方々は、左右のテーブルに置かれとる武器から好きな物をお選びください。」
このように促したのでした―。
そのうちの7人は男女問わずスーツ姿なので、きっと[護衛隊]に違いありません。
唯一、和服である女性が、【蘇生術士】なのでしょう。
着物は白色で、帯が青色であり、どちらも銀糸による絵柄が刺繍されていました。
ご本人は、艶やかな黒髪ロングに、目鼻立ちが整った美形で、凛としておられます。
年齢は20代前半といったところでしょうか。
私が、このような観察をしていたら、
「ようこそ、皆さん。」
「私は、蘇生術士の“アヤ”と申します。」
「色彩の“彩”と書いて、“アヤ”です。」
「双方ともに、決勝戦進出、おめでとうございます。」
蘇生術士さんが会釈しました。
その流れで、
「試合の前に、伝えておくことがあるので、お聞きください。」
「決勝の様子は、ビデオカメラで撮影する可能性があります。」
「これは内閣の依頼によるものです。」
「ただし、強制ではないんで、断ってもろうても構いません。」
彩さんが説明していきます。
「なんでも、国のお偉方は、自分らを護り抜けるほどの人材を求めとるそうです。」
「“戦闘職”や“ユニーク職”になったSPとかもいたらしいんやけど、エネミーによって大半が亡くなられてしもうたそうでして…。」
「そこで、我々が“特殊依頼”を行っとるんを知った要人が、お願いしてきはったんです。」
「〝おそらく全国各地から腕利き達が集まってくるだろう〟〝なかでも決勝戦まで進んだチームは猛者揃いに違いない〟〝最終的に雇うか否かを審査するための資料映像を送ってくれ〟といった理由で……。」
「ちなみに、お給料は“日当”で支払ってくれるそうですよ。」
「金額までは教えてもろてませんが。」
このように語る蘇生術士さんでした。
「あー、それで、人間同士のバトルが〝内閣に認められている〟って、言ってたんですね。」
私が“オシャレ坊主の男性”を見たところ、〝うむ〟と肯定したのです。
「成程。」
「事情は理解できたが…、俺達は地元の治安維持に努めていきたいんで、受け入れられない。」
「すまんな。」
そう告げたのは、団長さんであります。
更に、
「俺も、東京で生活していく気はないんで、遠慮させてもらう。」
ヒデさんも拒否しました。
腕を組んで〝うぅ~ん〟と考えていた[赤髪の勇者]ことアケミさんが、
「ボクらは、明日以降、中国地方や九州に帰省している友人たちの所に赴く予定だしなぁ。」
「これらの用が済めば、問題はないんだけど……。」
「ただ…、〝特定の人間だけを助けるのではなく、出来うる限り多くの人々を分け隔てなく救うべき〟だろ?」
「当然、〝悪は挫く〟として。」
「と、ボクは思うんだ。」
「それこそ、“平和の象徴”たる“オール○イト”のように、ね。」
ご自身のグループに伝えたのです。
お仲間の全員が頷いたのを確認し、
「そういう訳で……、ボクらも御免蒙らせてもらうよ。」
勇者さんが述べます。
「承知しました。」
「皆さんを尊重して、この試合を記録するんは止めときましょ。」
優しく微笑んだ彩さんが、
「では…。」
「決勝戦に出場する方々は、左右のテーブルに置かれとる武器から好きな物をお選びください。」
このように促したのでした―。
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