134 / 283
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
134.貴重なジョブ
しおりを挟む
長テーブルの向こう側には、午前中と同じように、左側:茶髪ロングの女性/真ん中:黒髪ボブの女性/右側:オシャレ坊主の男性、といった順で並んでいます。
腕時計を確認した坊主頭さんが、
「時間やから、始めよか。」
そう述べました。
真ん中に居る女性がメモ帳に目を通して、
「では、そちらから見て、“レイヤー×スレイヤーを愛する者たちの集い”は左へ、“シンオウ連合隊”は右に、お並びください。」
「各代表者に、先鋒から大将までの名前を登録用紙に書いてもらいますが、渾名であったり、簡略化したものでも、構しまへん。」
このように告げてきたのです。
「じゃあ、団長さん、お願いします。」
「私達のリーダーですので。」
私が会釈したところ、
「ん? そっか??」
「…、それでは、僭越ながら。」
光沖さんが引き受けてくださいました。
あちらは、当然の如く、[赤髪の勇者]ことアケミさんが、出場者の名を記していきます。
「…………。」
「どちらも済まはったようなので、決勝戦を行う“清水の舞台”へと、ご案内します。」
「皆さん、私の後に、お続きください。」
“黒髪ボブの女性”に促されて、両グループが移動を開始したのです。
なお、“茶髪ロングの女性”と“オシャレ坊主の男性”は、集団の最後尾に付きました。
余談かもしれませんが、坊主頭さんは、脚を折りたたんだテーブルを、右肩に担いでおります。
なにはともあれ。
[本堂]へと歩きながら、真守さんが、
「あなた方も“新・京都見廻組”なんですか?」
そう尋ねたところ、先頭を行く“黒髪ボブ”さんが振り返って、
「いいえ。」
「私たちは、蘇生術士さんの“護衛隊”で……、万が一に備えて、10人で彼女の身辺警護をしとるんです。」
「うちら以外の7人は、現在、蘇生術士さんの側におります。」
と、答えました。
「誰かに狙われているのかい??」
勇者さんの質問に、
「今のところは。」
首を横に振った黒髪ボブさんが、
「ただ…、亡くなった方を甦らせるんに必要な金額を払えんかったり、予選で負けたチームのなかで、逆恨みした人らが襲ってくるとも限らしまへんし……。」
「それに、外におるときにエネミーに攻撃されたりだとか、“結界”を破壊されてしまう可能性もありますんで。」
このように説明したのです。
「蘇生術士は〝闘いには不向きな職種〟という事か。」
アケミさんの所の、アップバングの【侍】である“ジュンヤ”さんが伺います。
それに、後方のオシャレ坊主さんが、
「“ユニーク職”やよ、あのジョブは。」
「で、蘇生術士さんはパーティーを組んどらん“ソロ”やさかい、俺達で護ることにしたんや。」
こう教えてくださったのです。
「にしても、厳重だな。」
穂積さんの率直な意見に、
「以前、蘇生術士さんが〝この職種は世界各国に一人ずつしかおらへんて、ジョブんとこの項目に書いたったわ〟みたいなことを言うてはったさかい、用心してんねん。」
茶髪ロングさんが伝えてきました。
「つまり…、日本には、これから我々がお会いする方しか存在していない、という事ですね。」
[青髪の神官]ことカズヒコさんの解釈に、
「そや。」
頷いた黒髪ボブさんが、
「もし、ここの蘇生術士さんを失ってしもうたなら、国内では誰も復活できひんようになるし、海外への渡航は不可能になっとるさかい、“護衛隊”を結成したんや。」
「そないに乗り気やなかった本人を説得して。」
経緯を語ったのです。
「こんな状況になってしまった世の中において、最も死なれたら困る人物という訳か……。」
団長さんの見解によって、【蘇生術士】が如何に重要な職種なのかを再認識する私たちでした―。
腕時計を確認した坊主頭さんが、
「時間やから、始めよか。」
そう述べました。
真ん中に居る女性がメモ帳に目を通して、
「では、そちらから見て、“レイヤー×スレイヤーを愛する者たちの集い”は左へ、“シンオウ連合隊”は右に、お並びください。」
「各代表者に、先鋒から大将までの名前を登録用紙に書いてもらいますが、渾名であったり、簡略化したものでも、構しまへん。」
このように告げてきたのです。
「じゃあ、団長さん、お願いします。」
「私達のリーダーですので。」
私が会釈したところ、
「ん? そっか??」
「…、それでは、僭越ながら。」
光沖さんが引き受けてくださいました。
あちらは、当然の如く、[赤髪の勇者]ことアケミさんが、出場者の名を記していきます。
「…………。」
「どちらも済まはったようなので、決勝戦を行う“清水の舞台”へと、ご案内します。」
「皆さん、私の後に、お続きください。」
“黒髪ボブの女性”に促されて、両グループが移動を開始したのです。
なお、“茶髪ロングの女性”と“オシャレ坊主の男性”は、集団の最後尾に付きました。
余談かもしれませんが、坊主頭さんは、脚を折りたたんだテーブルを、右肩に担いでおります。
なにはともあれ。
[本堂]へと歩きながら、真守さんが、
「あなた方も“新・京都見廻組”なんですか?」
そう尋ねたところ、先頭を行く“黒髪ボブ”さんが振り返って、
「いいえ。」
「私たちは、蘇生術士さんの“護衛隊”で……、万が一に備えて、10人で彼女の身辺警護をしとるんです。」
「うちら以外の7人は、現在、蘇生術士さんの側におります。」
と、答えました。
「誰かに狙われているのかい??」
勇者さんの質問に、
「今のところは。」
首を横に振った黒髪ボブさんが、
「ただ…、亡くなった方を甦らせるんに必要な金額を払えんかったり、予選で負けたチームのなかで、逆恨みした人らが襲ってくるとも限らしまへんし……。」
「それに、外におるときにエネミーに攻撃されたりだとか、“結界”を破壊されてしまう可能性もありますんで。」
このように説明したのです。
「蘇生術士は〝闘いには不向きな職種〟という事か。」
アケミさんの所の、アップバングの【侍】である“ジュンヤ”さんが伺います。
それに、後方のオシャレ坊主さんが、
「“ユニーク職”やよ、あのジョブは。」
「で、蘇生術士さんはパーティーを組んどらん“ソロ”やさかい、俺達で護ることにしたんや。」
こう教えてくださったのです。
「にしても、厳重だな。」
穂積さんの率直な意見に、
「以前、蘇生術士さんが〝この職種は世界各国に一人ずつしかおらへんて、ジョブんとこの項目に書いたったわ〟みたいなことを言うてはったさかい、用心してんねん。」
茶髪ロングさんが伝えてきました。
「つまり…、日本には、これから我々がお会いする方しか存在していない、という事ですね。」
[青髪の神官]ことカズヒコさんの解釈に、
「そや。」
頷いた黒髪ボブさんが、
「もし、ここの蘇生術士さんを失ってしもうたなら、国内では誰も復活できひんようになるし、海外への渡航は不可能になっとるさかい、“護衛隊”を結成したんや。」
「そないに乗り気やなかった本人を説得して。」
経緯を語ったのです。
「こんな状況になってしまった世の中において、最も死なれたら困る人物という訳か……。」
団長さんの見解によって、【蘇生術士】が如何に重要な職種なのかを再認識する私たちでした―。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
そして、アドレーヌは眠る。
緋島礼桜
ファンタジー
長く続いた大戦、それにより腐りきった大地と生命を『奇跡の力』で蘇らせ終戦へと導いた女王――アドレーヌ・エナ・リンクス。
彼女はその偉業と引き換えに長い眠りについてしまいました。彼女を称え、崇め、祀った人々は彼女の名が付けられた新たな王国を創りました。
眠り続けるアドレーヌ。そこに生きる者たちによって受け継がれていく物語―――そして、辿りつく真実と結末。
これは、およそ千年続いたアドレーヌ王国の、始まりと終わりの物語です。
*あらすじ*
~第一篇~
かつての大戦により鉄くずと化し投棄された負の遺産『兵器』を回収する者たち―――狩人(ハンター)。
それを生業とし、娘と共に旅をするアーサガ・トルトはその活躍ぶりから『漆黒の弾丸』と呼ばれていた。
そんな彼はとある噂を切っ掛けに、想い人と娘の絆が揺れ動くことになる―――。
~第二篇~
アドレーヌ女王の血を継ぐ王族エミレス・ノト・リンクス王女は王国東方の街ノーテルの屋敷で暮らしていた。
中肉中背、そばかすに見た目も地味…そんな引け目から人前を避けてきた彼女はある日、とある男性と出会う。
それが、彼女の過去と未来に関わる大切な恋愛となっていく―――。
~第三篇~
かつての反乱により一斉排除の対象とされ、長い年月虐げられ続けているイニム…ネフ族。
『ネフ狩り』と呼ばれる駆逐行為は隠れ里にて暮らしていた青年キ・シエの全てを奪っていった。
愛する者、腕、両目を失った彼は名も一族の誇りすらも捨て、復讐に呑まれていく―――。
~第四篇~
最南端の村で暮らすソラはいつものように兄のお使いに王都へ行った帰り、謎の男二人組に襲われる。
辛くも通りすがりの旅人に助けられるが、その男もまた全身黒尽くめに口紅を塗った奇抜な出で立ちで…。
この出会いをきっかけに彼女の日常は一変し歴史を覆すような大事件へと巻き込まれていく―――。
*
*2020年まで某サイトで投稿していたものですがサイト閉鎖に伴い、加筆修正して完結を目標に再投稿したいと思います。
*他小説家になろう、アルファポリスでも投稿しています。
*毎週、火・金曜日に更新を予定しています。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
見よう見まねで生産チート
立風人(りふと)
ファンタジー
(※サムネの武器が登場します)
ある日、死神のミスにより死んでしまった青年。
神からのお詫びと救済を兼ねて剣と魔法の世界へ行けることに。
もの作りが好きな彼は生産チートをもらい異世界へ
楽しくも忙しく過ごす冒険者 兼 職人 兼 〇〇な主人公とその愉快な仲間たちのお話。
※基本的に主人公視点で進んでいきます。
※趣味作品ですので不定期投稿となります。
コメント、評価、誤字報告の方をよろしくお願いします。
異世界大使館はじめます
あかべこ
ファンタジー
外務省の窓際官僚・真柴春彦は異世界に新たに作られる大使館の全権特任大使に任命されることになるが、同じように派遣されることになった自衛官の木栖は高校時代からの因縁の相手だった。同じように訳ありな仲間たちと異世界での外交活動を開始するが異世界では「外交騎士とは夫婦でなるもの」という暗黙の了解があったため真柴と木栖が同性の夫婦と勘違いされてしまい、とりあえずそれで通すことになり……?!
チート・俺TUEEE成分なし。異性愛や男性同士や女性同士の恋愛、獣人と人間の恋愛アリ。
不定期更新。表紙はかんたん表紙メーカーで作りました。
作中の法律や料理についての知識は、素人が書いてるので生ぬるく読んでください。
カクヨム版ありますhttps://kakuyomu.jp/works/16817330651028845416
一緒に読むと楽しいスピンオフhttps://www.alphapolis.co.jp/novel/2146286/633604170
同一世界線のはなしhttps://www.alphapolis.co.jp/novel/2146286/905818730
https://www.alphapolis.co.jp/novel/2146286/687883567
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
舞葬のアラン
浅瀬あずき
ファンタジー
17歳の青年アランは死後冥界の神と契約し、千年後の世界に再生することとなる。それは、「やつ」とともに千年もの間封印されることになったルシアを救うためであった...。
目覚めた場所は森の中で、何と記憶を失っていた。アランは壮絶な過去によって冷酷で皮肉な性格が形成されるが、記憶を失ったことで本来の純粋さを取り戻すこととなる。しかし、心の奥底には記憶があった時の人格が眠っており…?!
自身の境遇や秘められた戦士としての力に戸惑いながらも、彼は様々な出会いを経験して成長し、記憶を探す旅に出ることを決意する。
謎に満ちた彼の素性は徐々に旅の中で明らかになっていく。彼は記憶を取り戻し、ルシアを救うことができるのだろうか。これは、1人の青年が運命に挑む物語ー。
伝統的な英雄譚や冒険活劇を現代の視点で”描く”、本格ダークファンタジー!
※只今書き直し中のため前後で繋がってないとこあります。
※残酷描写もあるので、苦手な方はご注意を。
神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる