JK LOOPER

猫乃麗雅

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2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。

131.憩い

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[シンオウ神横連合隊]が、およそ5分に亘る[強虎嵐武きょうこらんぶ]の攻撃を防いでいました。

相手のチームが疲れてきたところで、一斉にカウンターを仕掛けていき、5人を転倒させたのです。

団長さん達もバテたようで、肩で息をしております。

「それまでッ!」
「勝者、シンオウ連合隊!!」

“黒髪の七三分けツーブロック”さんが判断した事により、観戦していた[強虎嵐武]の仲間の方々が〝あー〟と残念がりました。

「いてててて……。」

尻餅を着いていた“白い特攻服&金髪リーゼント”が立ちあがり、

「負けてもうたか。」

苦笑いします。

光沖みつおきさんの、

「いい試合だった。」

との言葉に、

「そりゃ、どうも。」

軽く会釈する“金髪リーゼント”でした。


木製の武器をブルーシートに返却した両チームが、こちらへと戻ってきます。

「すまん。」

自分のグループに謝った“金髪リーゼント”を、

「惜しかったな。」

「明日にでも、挑戦しなおそや。」

など、お味方が励ましていました。

「いや、今夜には例の集まりがあって、大阪城を占拠しとるアイツら・・・・の対応を話し合わんとあかん。」
「せやさかい、いっぺん、地元に帰るで!」

“金髪リーゼント”に促された人々が、

「そうやったな。」

「しゃーない。」

「また、いつか、来ような。」

「そん時は、必ず優勝するで。」

改めて、一致団結していったのです。

我々の方を見た“金髪リーゼント”が、

「あんたら東んもんみたいやけど、ええ感じやから…、大阪に来ることあって、何かしら困ったなら、オレらに声かけぇな。」
「力になったるから。」
「ほな、そーいう事で!!」

一方的に喋り、お仲間を連れて駐車場へと向かいます。

その背中に視線を送りつつ、

「連絡先を知らないんだから、どうすることもできないよね。」

ボソッと呟く真守まもるさんでした……。


もう一つの試合も終了しました。

決勝戦にコマを進めたのは、[レイヤー×スレイヤーを愛する者たちの集い]です。

運営委員の“お団子ヘアー&細長インテリメガネ”さんが、

「決勝は、夜の七時から“清水寺”で行います。」
「10分前までには、“仁王門”に、お越しください。」
「それまでには、先鋒から大将までを誰にするんか考えとくんが、よろしいでしょう。」

このように説明しました。

「ふむ。」
「一旦、解散という訳だな。」

勇者さんが頷いた流れで、

「では、それまでの間、京都の観光名所を巡るとしよう!」
「君達も一緒にどうだい?!」

そう誘ってきたのです。

「悪くはない。」
「が…。」
「距離が縮まると、情が湧いて、全力で闘えなくなる者も出てくるだろうから、遠慮させてもらおう。」

団長さんが断ったら、

「うぅ~む……。」
「一理あるな。」
「じゃあ、ゆっくりと語らい合うのは、勝負が済んでからにしようじゃないか!!」
「〝君の謎・・・〟について、聞かせてもらわないといけないし、な!」

“赤髪セミロング”さんが、納得しつつ、私に釘を刺してきたのです。

「それでは、後ほど、よろしくぅッ!!」

右手を挙げて、暫しの別れを告げた勇者さんが、“アニメ繋がり”の人たちと共に、やはり、駐車場へと歩いていきました。

ご自身のスマホで現在時刻を確認したカナさんが、

「さて。」
「だいたい三時ってとこだけど…、私らも、どっか行く?」

全員に尋ねます。

「出来ればだが……、四時になると新たなエネミーどもが出現するから、それまで休んでおきたい。」
「喫茶店とかで。」

主張したのは、ヒデさんです。

「それだったら割と近くに在るはずだよ。」
「お昼に“円山公園”を検索したとき、目にしたから、間違いなく。」

マサさんが述べたことによって、カフェに移動する私達でした―。
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