JK LOOPER

猫乃麗雅

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2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。

126.モラルは何処へ?

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抽選会が始まりました。

くじ引きは、清水寺の[仁王門]で参加登録をした順番なのだそうです。

なので、私たちは〝引くまでもない〟という事になります…。


そんなこんなで、我ら[シンオウ神横連合隊]は、最後まで空いていた“2番”となりました。

必然的に。

“1番”は、[スラムダンカーズ]というチームです。

(いや、それ・・って……。)

私が、〝赤頭の男子高校生〟や〝カーネ○おじさんに似ている監督〟などを連想していたところ、

「なんだ?」
しょぱなは、テメェらか??」
「そりゃ、好都合だな。」

“角刈りピタT”が声を掛けてきました。

〝ふぅッ〟と息を吐いたヒデさんが、

「つまり…、“スラムダンカーズ”っていうのは、お前達な訳か…。」

少なからず嫌そうにしたのです。

「おうよ!!」

何故だかドヤる“筋肉ダサ”に、

「この名称って……、バスケットボールを題材にした人気漫画のパクリですよね?」

私が追及してみたら、

「さ、さぁ??」
「なんのことだ?」

おもいっきり目を逸らしたではありませんか。

「いやいや、主に神奈川を舞台とした物語ですし…。」
「ああ、その部活だかサークルに所属しているという訳ですか、あなた方は。」

〝ふむ ふむ〟と納得する私に、ボディコン風の衣服である“ケバじょ”が腕を組んで、

「いいえ、私たちにバスケ経験者は一人もいないわ!」

不思議なマウントの取り方をしてきました。

[旧・ミツル一派]の意味不明な威張り方に困惑していたところ、お団子ライトブラウンヘアーさんに、

「二時から試合になりますんで、武器を選んでください。」
「一番のチームから。」

と、促されたのです。


[スラムダンカーズ]のなかで出場する人らが、ブルーシート上に置かれている武器を、各自、手にしていきました。

木製ヌンチャクを右手に持っている“角刈りピタT”が、

「覚悟しとけよ!!」
「秒で倒してやっかんなッ!」

私に向けて宣言したのです。

負けじと、

「その言葉、そっくり返してあげますよ!!」

私が応酬したところ、

「ふんッ!」
「そいつぁ、楽しみだな。」

薄ら笑いを浮かべた“筋肉ダサ男”が、仲間と共に去っていきました……。


定刻となり。

“ラジオ塔”あたりで、[シンオウ連合隊]と[スラムダンカーズ]の代表が、5人ずつ整列しています。

ちなみに、審判は、黒髪で“七三分けツーブロック”の男性です。

背丈は180㎝ぐらいで、年齢は20代後半といった印象を受けました。

観戦者は、[祇園枝垂桜ぎおんしだれざくら]の近くで見守る約束になっております。

そんな状況で、小刻みに〝プルプル〟と震えていた“角刈りピタT”が、

「つーか…、オメェは出ねぇのかよッ!?」

私に対して怒鳴ったのです。

「ん??」
「私、〝出場する〟なんて、ひとっことも、言ってませんけど?」

首を傾げた私に、

「フザケやがって……、本気で泣かすぞ、ゴルァアッ!」

巻き舌になった“筋肉ダサ男”が、歩いて来ようとするも、

「“失格”にすんでぇ。」

審判さんに告げられて、

「ぐぬッ!!」

踏みとどまりました。


“角刈りピタT”が並び直し、審判の男性が両メンバーにルールを説明したようです。

聞き終えた双方が、ポジションにつくべく、互いに離れて、[モードチェンジ]で防具を装備しました。

この流れで、

「なぁ??」
「試合の前に、身内で“気合入れ”やってもいいか?」

“角刈りピタT”が尋ねたのです。

左手首の“腕時計”を確認した審判さんが、

「まぁ、まだ時間あるさかい…、構へん。」

そう伝えました。

「うしッ、あれ・・、やんぞ!」

“筋肉ダサ男”に促されたグループが、円陣を組みます。

比率は“男性3人:女性2人”です。

“ボディコン風ケバ女”は、参加メンバーではありませんでした。

“角刈りピタT”改め[角刈り武闘家]が、

「オレたちは」

こう発したら、

「強い!!」

他の面子が、そのように続いたのです。

(なッ?!)

私が固まってしまったところ、三つ右隣に居た“白い特攻服&金髪リーゼント”の不良による、

「おもいっきりパクっとるやんけぇえ――――ッ!!!!」

とのツッコミが、晴れた空の下、どこまでも響き渡ったのでした―。
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