JK LOOPER

ネコのうた

文字の大きさ
上 下
125 / 292
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。

125.悶着

しおりを挟む
「確かに、それっぽいな。」
「眼鏡を掛けているかいないかの違いはあるが……。」
「お前で間違いねぇな?」
「ミツルを警察に突き出しやがったのはッ!?」

問い詰めてくる“筋肉ダサ”に、〝いや、お巡りさん達を呼んだのは、ヒデさんで…〟と言おうとした私よりも早く、

「そうだよ!!」
琴晴ことはりんがミツルを倒してくれたからこそ、アイツを逮捕できたんだからね!」
「文句あるッ?!」

茶髪ショートヘアーのギャルである“ミサ”さんが、挑発してしまったのです。

おそらく、本人に悪気は無いのでしょうが……。

だからこそ、ややこしくなってしまう事は、世の中に多々あるもので。

案の定、

「だったら、その“コトハ・・・”とかいうヤツから落とし前つけてもらおうじゃねぇかあッ!!」

“角刈りピタT”にロックオンされてしまいました。

しかも、名前までインプットされて…。

「ミサさぁ~ん。」

困り顔になった私に、

「え??」
「私、なんかマズった?」

ミサさんが首を傾げます。

このような状況下で、

「何があったかは知らないが、必要なら手助けしようか??」
「君たち姉妹には、名古屋でのえんがあるからなッ!」

近くに居た【勇者】さんが参入してきました。

「なんだテメぇは!?」
「部外者は黙ってろッ!」
「じゃねぇと、痛い目みせんぞ!!」

“筋肉ダサ男”がヒートアップしていったところ、

「そこまでッ!」

との女性の声が、私たち[シンオウ神横連合隊]の背後から聞こえてきたのです。

[祇園枝垂桜ぎおんしだれざくら]の側に佇んでいた“運営委員の10人組”が、回り込んできます。

それぞれの位置関係は……、東:私達/西:ミツルの仲間一同/南:スーツ姿の運営委員/北:アケミさんグループ、です。

ちなみに、“桜”は、我々の東側で存在感を放っております。

ともかく。

お団子ライトブラウンヘアー&細長インテリメガネである女性の、

「これ以上の騒ぎは許しまへんえ。」
「〝人間同士の殺傷は、よほどの事態でない限り不可とする〟という新たな法がありますし…。」
「それに何より、周りとって、ええ迷惑です!!」
「もし、引き下がらへんのなら、“失格”と定め、出場を認めまへん!」

毅然な態度に、舌打ちした“筋肉ダサ男”が、

「試合でボッコボコにしてやんから、覚えてろよッ!!」

私を睨みながら告げてきました。

これに対して、私は、つい思わず、

「の、望むところです!」

条件反射で応えてしまったのです。

「ふんッ!!」

鼻息を飛ばした“角刈りピタT”が、

「行くぞ!」

[旧・ミツル一派]を連れて、離れていきます。

「どうも、すみませんでした。」

謝った私に、

「いえいえ、どう致し、あら??」
「“下河原通しもがわらどおり”で、お会いした方々では?」

“お団子ヘアー”さんが述べました。

(はて??)

〝どなたかしらん?〟と分からずにいる私の右斜め前で、

「あん時の、“新・京都見廻組”の人たちか!!」

団長さんが〝ピン!〟ときたようです。

私の記憶の中で、戦いに加勢してくださった[女剣士]さんと、“細長インテリメガネ”さんが、一致していきます。

「ええ。」

〝ニッコリ〟と微笑んで肯定した女性が、

「そろそろ“抽選会”を始めますよって……、うちらは、一旦、これで。」

軽く会釈しました―。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悠久のクシナダヒメ 「日本最古の異世界物語」 第一部

Hiroko
ファンタジー
異世界に行けると噂の踏切。 僕と友人の美津子が行きついた世界は、八岐大蛇(やまたのおろち)が退治されずに生き残る、奈良時代の日本だった。 現在と過去、現実と神話の世界が入り混じる和の異世界へ。 流行りの異世界物を私も書いてみよう! と言うことで書き始めましたが、どうしようかなあ。 まだ書き始めたばかりで、この先どうなるかわかりません。 私が書くと、どうしてもホラーっぽくなっちゃうんですよね。 なんとかなりませんか? 題名とかいろいろ模索中です。 なかなかしっくりした題名を思いつきません。 気分次第でやめちゃうかもです。 その時はごめんなさい。 更新、不定期です。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

世界中にダンジョンが出来た。何故か俺の部屋にも出来た。

阿吽
ファンタジー
 クリスマスの夜……それは突然出現した。世界中あらゆる観光地に『扉』が現れる。それは荘厳で魅惑的で威圧的で……様々な恩恵を齎したそれは、かのファンタジー要素に欠かせない【ダンジョン】であった! ※カクヨムにて先行投稿中

転生テイマー、異世界生活を楽しむ

さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。 内容がどんどんかけ離れていくので… ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ありきたりな転生ものの予定です。 主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。 一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。 まっ、なんとかなるっしょ。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...