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2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
116.ネーミング・ぜんぺん
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再びの受け付けにて――。
「え??」
「チーム名が必須なんですか?」
伺う私に、オシャレ坊主の男性が、
「そやけど。」
「……ん??」
「言うてなかったっけ?」
「…、そりゃ、堪忍な。」
「改めてやけども……、“特殊依頼”に出場する人らは、登録用紙に団体名を記入してもろうてるんで、ご協力、よろしゅうお頼申します。」
説明する流れで、会釈しました。
初耳だった私は、左手を右肘に添えて、曲げた右指を顎に当てつつ、どのような名称にすべきか〝むむ~ッ〟と考え込みます。
そんな私の後方から、
「時間が掛かるようだったら、ボク達が先でもいいかい??」
勇者さんが要望してきました。
「はぁ、構いませんけど…。」
私が譲ろうとしたところ、侍であるジュンヤさんに、
「ちなみに、どんな名前にするつもりなんだ?」
と聞かれたアケミさんが、
「それは、勿論、“レイヤー×スレイヤー”さッ!」
こう答えのです。
それに対して、
「いや、直接的すぎるから、もうちょっと捻ろうよ。」
調理師のユミさんがツッコミます。
「そうかい??」
「ん~、じゃあ……、“レイヤー×スレイヤーを愛する者たちの集い”にしよう!!」
嬉々とする勇者さんに、お仲間の方々が、
「あー、うん。」
「まぁ、…、ね?」
「お、おう。」
「ダサ……、いや、やっぱ、いいわ。」
諦めムードになりました。
エントリーを終えたアケミさんに、
「ほんなら…、お昼の二時から試合が始まるんやけど……、その5分前が〝組み合わせ抽選会〟になっとるんで、円山公園の“祇園しだれ桜”あたりに来とぉくれやす。」
「その辺りで、予選と準決勝が開催されるさかい。」
「公園は、ここからシモへ下がらはった所にあって…、車やったら10分くらいで、歩きやと20分ってとこやね。」
「ま、大体やけど。」
受付の坊主頭さんが伝えます。
機工士のユウジさんが、
「〝シモへ下がらはった所〟って??」
首を傾げたので、
「ああー、……、〝南へ行った場所〟ちゅう意味やわなぁ。」
オシャレ坊主さんが解説してくださったのです。
「うむ!」
「分かった!!」
「ありがとう!」
お礼を述べたアケミさんが、ご自身のメンバーに、
「それでは、戻ろうか。」
「“安土城跡”にッ。」
と、告げました。
気になって、
「何かあるんですか?」
私が質問してみたら、
「駐車場にマイクロバスを停めてきたんだ。」
運転手でもある武闘家のサトシさんが答えたのです。
更には勇者さんが、
「滋賀県の友人と、そこで待ち合わせしたからね。」
「で。」
「“蘇り”に関して教えてもらったところ、ボクが居ても立っても居られなくなってしまってね…、皆を説得して“瞬間移動”してきたんだ。」
補足しました。
これに、
「いや、あれは、もはや、〝ただの駄々っ子〟でしかなかったけど……。」
錬金術師のマリナさんが目を細めます。
「ま、まぁ、結果オーライだったじゃないか。」
「あそこから、車で移動してたら間に合わなかったかもしれないだろ??」
「出場登録の締め切り時間に。」
「だって、まさか、こんな条件があるなんて、誰も思ってなかった訳だしさッ。」
ムキになりだしたアケミさんを、アニメ繋がりグループが〝まー、まー〟と宥めました―。
「え??」
「チーム名が必須なんですか?」
伺う私に、オシャレ坊主の男性が、
「そやけど。」
「……ん??」
「言うてなかったっけ?」
「…、そりゃ、堪忍な。」
「改めてやけども……、“特殊依頼”に出場する人らは、登録用紙に団体名を記入してもろうてるんで、ご協力、よろしゅうお頼申します。」
説明する流れで、会釈しました。
初耳だった私は、左手を右肘に添えて、曲げた右指を顎に当てつつ、どのような名称にすべきか〝むむ~ッ〟と考え込みます。
そんな私の後方から、
「時間が掛かるようだったら、ボク達が先でもいいかい??」
勇者さんが要望してきました。
「はぁ、構いませんけど…。」
私が譲ろうとしたところ、侍であるジュンヤさんに、
「ちなみに、どんな名前にするつもりなんだ?」
と聞かれたアケミさんが、
「それは、勿論、“レイヤー×スレイヤー”さッ!」
こう答えのです。
それに対して、
「いや、直接的すぎるから、もうちょっと捻ろうよ。」
調理師のユミさんがツッコミます。
「そうかい??」
「ん~、じゃあ……、“レイヤー×スレイヤーを愛する者たちの集い”にしよう!!」
嬉々とする勇者さんに、お仲間の方々が、
「あー、うん。」
「まぁ、…、ね?」
「お、おう。」
「ダサ……、いや、やっぱ、いいわ。」
諦めムードになりました。
エントリーを終えたアケミさんに、
「ほんなら…、お昼の二時から試合が始まるんやけど……、その5分前が〝組み合わせ抽選会〟になっとるんで、円山公園の“祇園しだれ桜”あたりに来とぉくれやす。」
「その辺りで、予選と準決勝が開催されるさかい。」
「公園は、ここからシモへ下がらはった所にあって…、車やったら10分くらいで、歩きやと20分ってとこやね。」
「ま、大体やけど。」
受付の坊主頭さんが伝えます。
機工士のユウジさんが、
「〝シモへ下がらはった所〟って??」
首を傾げたので、
「ああー、……、〝南へ行った場所〟ちゅう意味やわなぁ。」
オシャレ坊主さんが解説してくださったのです。
「うむ!」
「分かった!!」
「ありがとう!」
お礼を述べたアケミさんが、ご自身のメンバーに、
「それでは、戻ろうか。」
「“安土城跡”にッ。」
と、告げました。
気になって、
「何かあるんですか?」
私が質問してみたら、
「駐車場にマイクロバスを停めてきたんだ。」
運転手でもある武闘家のサトシさんが答えたのです。
更には勇者さんが、
「滋賀県の友人と、そこで待ち合わせしたからね。」
「で。」
「“蘇り”に関して教えてもらったところ、ボクが居ても立っても居られなくなってしまってね…、皆を説得して“瞬間移動”してきたんだ。」
補足しました。
これに、
「いや、あれは、もはや、〝ただの駄々っ子〟でしかなかったけど……。」
錬金術師のマリナさんが目を細めます。
「ま、まぁ、結果オーライだったじゃないか。」
「あそこから、車で移動してたら間に合わなかったかもしれないだろ??」
「出場登録の締め切り時間に。」
「だって、まさか、こんな条件があるなんて、誰も思ってなかった訳だしさッ。」
ムキになりだしたアケミさんを、アニメ繋がりグループが〝まー、まー〟と宥めました―。
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