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2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。
108.新幹線での一コマ
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私達が乗車するやいなや、新幹線のドアが閉まりました。
ギリギリセーフです。
〝ほッ〟と安堵した三人衆は、座席へと向かったのでした。
“名古屋~京都”の料金は、片道2640円です。
子どもは、その半額となっています。
切符を購入するときに、壱紀くんの分も支払ってあげようとしたところ、〝両親から10万円もらってきたから大丈夫〟と断られました。
ちなみに、駅構内には殆ど人がおらず、車内も空いております。
窓際には、我が妹が座りました。
真ん中は私で、通路側は壱紀くんです。
新幹線が京都へと走行するなか、
「昨日の夜に、いろいろ調べてみたんだけど…。」
口を開いた壱紀くんに、
「なにを?」
と、尋ねました。
「その“死者を生き返らせられる人”のことを……。」
「うん。」
「それで??」
「SNSに幾つかの情報があって…。」
「〝京都に存在している〟というのもあれば、〝京都には居ない〟っていう説もあるんだ。」
「え?!」
「他にも、〝京都以外にいる〟と主張している人達もいれば、〝それは嘘だ〟との反論もあって、結局、どれが本当なのかは、不明なんだよね。」
「……。」
「つまり、京都を目指しても、無駄足に終わると?」
「いや、まだ、そうと決まったわけじゃないよ。」
「いつも、琴晴ちゃん宛に届けられる手紙には、〝京都に赴くように〟って書かれてたんでしょ??」
「だとしたら、それが一番正しいのかもね。」
「〝あれは、割と信用できそう〟って、聡真も言ってたし…。」
「ん~、そっかぁ。」
「ま、未来人が送ってきてるしね!」
「あー、……、その件なんだけど…。」
「〝文章が古風だから、違うんじゃないか?〟って、皆で話してた事があってさ……。」
「…、ええッ!?」
「“未来からの手紙”じゃないの??」
「僕には、なんとも……。」
「ただ、その可能性は否定できないかと…。」
「じゃあ、一体、どこの誰が?!」
「さぁ?」
「琴晴ちゃんに心当たりが無いんだったら、誰にも判断できないよ。」
「……、マジっすか??」
軽く混乱する私に対して、壱紀くんが静かに頷きます。
私にとっては予想外で、頭の整理がつきません。
てっきり、未来人とばかり思い込んでいたので…。
でも、まぁ、確かに、この意見には一理あります。
だって、どのようにして未来から手紙を送っているのか、理解できませんし。
んんー……、謎です。
考えてみたとて、答えは出ないでしょう。
壱紀くんの、
「ところでさ?」
「その〝復活させられる〟っていう人は、京都の何処に住んでいるの??」
といった問い掛けによって、
「あ。」
「そういえば…、詳しくは、知らないわ。」
今更ながらに気付かされました。
「……、どうしよう?」
逆に質問してみたら、
「…、“観光案内所”で訊ねてみるとか??」
「そこで判明するかは分からないし、難しいだろうけど、取り敢えず。」
との事でした。
「そう、だね。」
「むこうに着いたら、探してみよう。」
ほぼほぼ無計画だった私に、不安が生じてきます。
これで見つからなかった場合には、途方に暮れてしまうのが、火を見るよりも明らかなので。
私たちが、そのようなやり取りをしているなか、車窓から流れる景色を眺めて、どこ吹く風の琴音でした―。
ギリギリセーフです。
〝ほッ〟と安堵した三人衆は、座席へと向かったのでした。
“名古屋~京都”の料金は、片道2640円です。
子どもは、その半額となっています。
切符を購入するときに、壱紀くんの分も支払ってあげようとしたところ、〝両親から10万円もらってきたから大丈夫〟と断られました。
ちなみに、駅構内には殆ど人がおらず、車内も空いております。
窓際には、我が妹が座りました。
真ん中は私で、通路側は壱紀くんです。
新幹線が京都へと走行するなか、
「昨日の夜に、いろいろ調べてみたんだけど…。」
口を開いた壱紀くんに、
「なにを?」
と、尋ねました。
「その“死者を生き返らせられる人”のことを……。」
「うん。」
「それで??」
「SNSに幾つかの情報があって…。」
「〝京都に存在している〟というのもあれば、〝京都には居ない〟っていう説もあるんだ。」
「え?!」
「他にも、〝京都以外にいる〟と主張している人達もいれば、〝それは嘘だ〟との反論もあって、結局、どれが本当なのかは、不明なんだよね。」
「……。」
「つまり、京都を目指しても、無駄足に終わると?」
「いや、まだ、そうと決まったわけじゃないよ。」
「いつも、琴晴ちゃん宛に届けられる手紙には、〝京都に赴くように〟って書かれてたんでしょ??」
「だとしたら、それが一番正しいのかもね。」
「〝あれは、割と信用できそう〟って、聡真も言ってたし…。」
「ん~、そっかぁ。」
「ま、未来人が送ってきてるしね!」
「あー、……、その件なんだけど…。」
「〝文章が古風だから、違うんじゃないか?〟って、皆で話してた事があってさ……。」
「…、ええッ!?」
「“未来からの手紙”じゃないの??」
「僕には、なんとも……。」
「ただ、その可能性は否定できないかと…。」
「じゃあ、一体、どこの誰が?!」
「さぁ?」
「琴晴ちゃんに心当たりが無いんだったら、誰にも判断できないよ。」
「……、マジっすか??」
軽く混乱する私に対して、壱紀くんが静かに頷きます。
私にとっては予想外で、頭の整理がつきません。
てっきり、未来人とばかり思い込んでいたので…。
でも、まぁ、確かに、この意見には一理あります。
だって、どのようにして未来から手紙を送っているのか、理解できませんし。
んんー……、謎です。
考えてみたとて、答えは出ないでしょう。
壱紀くんの、
「ところでさ?」
「その〝復活させられる〟っていう人は、京都の何処に住んでいるの??」
といった問い掛けによって、
「あ。」
「そういえば…、詳しくは、知らないわ。」
今更ながらに気付かされました。
「……、どうしよう?」
逆に質問してみたら、
「…、“観光案内所”で訊ねてみるとか??」
「そこで判明するかは分からないし、難しいだろうけど、取り敢えず。」
との事でした。
「そう、だね。」
「むこうに着いたら、探してみよう。」
ほぼほぼ無計画だった私に、不安が生じてきます。
これで見つからなかった場合には、途方に暮れてしまうのが、火を見るよりも明らかなので。
私たちが、そのようなやり取りをしているなか、車窓から流れる景色を眺めて、どこ吹く風の琴音でした―。
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