JK LOOPER

ネコのうた

文字の大きさ
上 下
107 / 291
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。

107.ロータリーにて。

しおりを挟む
一体のハーピーが両翼を後方に反らしました。

あれ・・がくる!)

私が、そう思った次の瞬間、敵が前方に〝ブンッ!〟と振った翼の左右から【尾羽おは】が飛んできたのです。

数は合計で50発といったところでしょう。

昨日、三重県へと赴く道中で何度か見て知っている私は、右へのサイドステップで躱しました。

ま、相手は目を閉じており、完全に的を外していたので、けなくても良かったみたいですが…、“念のため”であります。

この間に、一匹のアルミラージが姿勢を〝グッ〟と低くしました。

そして、全身を前に突き出すと共に、琴音ことねめがけて、角から【雷撃】を放ったのです。

しかしながら、こちらも視力を奪われたままなので、狙いを定めきれず、妹の左膝の横を通過していきました。

ちなみに、これまでの戦いで分かったことがあります。

それは、〝エネミーによってはスキルか魔法を使う際にタメを作る〟というものです。

なので、こちらが攻撃を仕掛けていないにもかかわらず、人外が身構えたときは、何かしらの“特殊能力”を扱おうとしているサインであるため、対応しやすくなります。

琴晴は、幾つかのバトルを経験したこともあって、【閃光】【恩恵】【光の玉】をバランスよく使用しつつ、薙刀を払っていきました。慣れたもので。

壱紀かずきくんは、初めての戦闘に戸惑いながらも、【デストロイ破壊】を発動して、敵を倒しています。

柔道経験者だからでしょうか? “勝負勘”みたいなものが割とあるようでした。

〝あとは場数を踏むのみ〟といった感じで、心配しなくても大丈夫そうです。

私はというと……、【ファイア】【アイス】【ウインド】【サンダー】【エクスプロージョン爆発】の“球体”を、次から次へとエネミー達に飛ばしたものの、まだLV.1のため、どの直径も11㎝であり、ダメージは極小のようでした。

それでも、めげずに魔法を発射しまくり、ヒットさせまくった結果、眼前の人外集団が消滅しきったときには、

『あなたのレベルが上がりました。』
『あなたのレベルが上がりました。』

と、二連続で脳内にインフォメーションが流れ、“LV.3”になりました☆

全ての敵を屠ったのは、妹&従兄妹ですが…。

私は、今のところ、“戦力外”になっております(涙)

コホン。

話しを元に戻しましょう。

この後は、生き残っているエネミーらとの戦いになっていきました。

いささか厄介なのは、“ウッドゴーレム樹木人形”です。

何故なら、【閃光】が効かないのと、ノーモーションで腕を伸ばしてくるため、ほぼ100%の確率で捕まってしまうからであります。

最後尾にポジショニングしているレベルの低い私を守りつつ戦う壱紀くん&琴音が、枝みたいな腕で〝グルグル巻き〟にされたところを、魔法を当てて、離させました。

勇者さん達と旅していた際に、“火炎系”と“爆発系”が特に苦手なのは検証済みなので、そこら辺を放っていきます。

ただ、現在の私では、〝少し焦がす〟程度の威力でしかなく、〝燃やす〟には至っておりません。

他に、私と妹が手こずってしまうのは、“昆虫の魔物”です。

とは言え、アリもまた、“蟻酸ギサン”を吐こうとするときには、顔を〝スッ〟と上げて〝ピタッ〟と止まるアクションを行うことが判明しているので、落ち着きさえすれば回避できます。

まぁ、私と琴音は、いつもプチパニックに陥り、〝あたふた〟してしまいがちですが。

壱紀くんは虫が平気みたいなので、ほぼほぼ、お任せして、私たち姉妹は支援に徹する事にしました……。


ロータリーを中心に、あちらこちらの道路や空中に出現している人外らと攻防すること約50分。

どうやら、殲滅できたみたいです。

これによって、私のレベルが“6”になりました♪

ひと段落ついたところで、

「あと10分ぐらいで新幹線が出ちゃうから、急ごう。」

琴音と壱紀くんを促します。

[私服モード]にチェンジした私達三人は、小走りで駅へと向かったのでした―。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

収納大魔導士と呼ばれたい少年

カタナヅキ
ファンタジー
収納魔術師は異空間に繋がる出入口を作り出し、あらゆる物体を取り込むことができる。但し、他の魔術師と違って彼等が扱える魔法は一つに限られ、戦闘面での活躍は期待できない――それが一般常識だった。だが、一人の少年が収納魔法を極めた事で常識は覆される。 「収納魔術師だって戦えるんだよ」 戦闘には不向きと思われていた収納魔法を利用し、少年は世間の収納魔術師の常識を一変させる伝説を次々と作り出す――

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

少年神官系勇者―異世界から帰還する―

mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる? 別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨ この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行) この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。 この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。 この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。 この作品は「pixiv」にも掲載しています。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~

k33
ファンタジー
初めての小説です..! ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

初めての異世界転生

藤井 サトル
ファンタジー
その日、幸村 大地(ゆきむら だいち)は女神に選ばれた。 女神とのやり取りの末、大地は女神の手によって異世界へと転生する。その身には女神にいくつもの能力を授かって。 まさにファンタジーの世界へ来た大地は聖女を始めにいろんな人に出会い、出会い金を稼いだり、稼いだ金が直ぐに消えたり、路上で寝たり、チート能力を振るったりと、たぶん楽しく世界を謳歌する。 このお話は【転生者】大地と【聖女】リリア。そこに女神成分をひとつまみが合わさった異世界騒動物語である。

処理中です...