JK LOOPER

ネコのうた

文字の大きさ
上 下
106 / 292
2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。

106.壱紀くんの初陣

しおりを挟む
私たちは、名古屋城の[表二之門]に転移しました。

ちなみに、本日の、私のコーデは、黒のジーンズ/白の長袖ワイシャツ/ライトブラウンのニットベストセーター/赤ぶちメガネです。

琴音ことねは、紺色のサロペット/黄色の長袖セーターを着用しています。

壱紀かずきくんの服装は、デニムジーンズ/カーキ色で薄手のマウンテンパーカー/キャメル色のキャップ帽です。

足元は、それぞれに、スニーカーであります。

興味ないかもしれませんが……。

「そうだ!」
「カズくんに、いろいろ渡しとくね。」

〝フ〟と思い出した私は、体力と魔力の回復ポーションに、解毒剤を、幾らか、壱紀くんの[アイテムBOX]に送りました。

「じゃ、名古屋駅に行こうか。」

促す私に、

「しゅっぱぁ―つ!!」

妹が陽気に答えます。

壱紀くんは、初めてのバトルになるからか、いささか不安そうです。

一応、【戦士】のスキルや、新たなステージの人外らについては、昨日、伝えておきました。

他にも、妹が扱える【閃光】や【恩恵】などの詳細も教えておいたので、きっと大丈夫でしょう。

相手が“ボスキャラ”でない限り。

あとは、もう、〝実践あるのみ〟です!

“LV.1”の私も含めて。

なにはともあれ、[西之丸]から[正門]を通過した私達は、駅を目指しています。


7~8分ぐらいが経った頃に、名古屋駅の東口に設けられている“ロータリー”の近くに着きました。

前もって調べていたところによれば、[桜通口]との名称だそうですが…、出歩いている人は殆どおりません。

“セカンドステージ”のエネミーたちは4時間ごとに現れる事を、誰もが理解しており、結界が張られている建物や車にこもっているのでしょう。

ただ、駅員さんであったり、バスやタクシーの運転手さんが、数人ずつ待機していました。

なかには、一般の方々もチラホラ見受けられます。

各自、何かしらの武器を持っていらっしゃるので、“戦闘職”や“ユニーク職”なのでしょう。

ちなみに、私達三人の位置は、ロータリーの北側です。

「装備をチェンジしとこうか。」

私の指示によって、全員が“戦闘モード”になります。

壱紀くんは、木製で長さが1Mくらいの柄に、片刃の、“斧”を、背負っていました。

「あれ?」
「大剣じゃなくなってる??」

私の疑問に、

「ん?」
「ああ、“バトルアックス”にしたんだけど……、勝手に変更しちゃダメだったかな?」

壱紀くんが聞き返してきたので、

「いや、全然OKだよ。」
「自分が使いやすいのが一番だしね。」

〝うん うん〟と頷いたのでした。


AM08:00となり、あちらこちらに、いろんな人外が出現しました。

私たちは、とあるビルに背中を向けて、構えます。

レベルが最も低い私が最後尾です。

割と近くに登場したエネミーらが、こちらに気付き、近づいてきます。

顔ぶれは、天使×10/仏×10/ハーピー×4/アルミラージ×4/鴉天狗×4/わいら×2/おとろし×2です。

敵の半分ほどが、えさである私たちを巡って争いだしました。

この間に、我ら三人衆に襲い掛かろうとしていた面子に対して、

「せん光!!」

と、発し、視界を奪った琴音が、

「おんけい!」

[攻撃力・防御力・素早さ]を倍増してくれたのです。

デストロイ破壊!!」

壱紀くんが、自身の眼前にいる“わいら(緑色の牛みたいな妖怪)”の頭を、真上から〝ズブシャッ!〟と斬り付けます。

「ライト・ボール!!」

妹は、直径23㎝の【光の玉】を、ハーピー(鳥人間)に放ちました。

「エクスプロージョン・ボール!」

私が杖の先から発射した直径11㎝の[オレンジ色の球体]が、“おとろし(青色の獅子舞みたいな妖怪)”の右頬に当たり、〝ボンッ!!〟と爆発したものの、ほぼノーダメージの模様です。

(ま、LV.1だと、こんなもんよね。)
(予想はしてたけど…。)
(とにかく、死なないようにだけ注意しとこうかな、まずは。)

集中力を高めていく私でした―。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悠久のクシナダヒメ 「日本最古の異世界物語」 第一部

Hiroko
ファンタジー
異世界に行けると噂の踏切。 僕と友人の美津子が行きついた世界は、八岐大蛇(やまたのおろち)が退治されずに生き残る、奈良時代の日本だった。 現在と過去、現実と神話の世界が入り混じる和の異世界へ。 流行りの異世界物を私も書いてみよう! と言うことで書き始めましたが、どうしようかなあ。 まだ書き始めたばかりで、この先どうなるかわかりません。 私が書くと、どうしてもホラーっぽくなっちゃうんですよね。 なんとかなりませんか? 題名とかいろいろ模索中です。 なかなかしっくりした題名を思いつきません。 気分次第でやめちゃうかもです。 その時はごめんなさい。 更新、不定期です。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

異端の紅赤マギ

みどりのたぬき
ファンタジー
【なろう83000PV超え】 --------------------------------------------- その日、瀧田暖はいつもの様にコンビニへ夕食の調達に出掛けた。 いつもの街並みは、何故か真上から視線を感じて見上げた天上で暖を見る巨大な『眼』と視線を交わした瞬間激変した。 それまで見ていたいた街並みは巨大な『眼』を見た瞬間、全くの別物へと変貌を遂げていた。 「ここは異世界だ!!」 退屈な日常から解き放たれ、悠々自適の冒険者生活を期待した暖に襲いかかる絶望。 「冒険者なんて職業は存在しない!?」 「俺には魔力が無い!?」 これは自身の『能力』を使えばイージーモードなのに何故か超絶ヘルモードへと突き進む一人の人ならざる者の物語・・・ --------------------------------------------------------------------------- 「初投稿作品」で色々と至らない点、文章も稚拙だったりするかもしれませんが、一生懸命書いていきます。 また、時間があれば表現等見直しを行っていきたいと思っています。※特に1章辺りは大幅に表現等変更予定です、時間があれば・・・ ★次章執筆大幅に遅れています。 ★なんやかんやありまして...

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

世界中にダンジョンが出来た。何故か俺の部屋にも出来た。

阿吽
ファンタジー
 クリスマスの夜……それは突然出現した。世界中あらゆる観光地に『扉』が現れる。それは荘厳で魅惑的で威圧的で……様々な恩恵を齎したそれは、かのファンタジー要素に欠かせない【ダンジョン】であった! ※カクヨムにて先行投稿中

転生テイマー、異世界生活を楽しむ

さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。 内容がどんどんかけ離れていくので… ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ありきたりな転生ものの予定です。 主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。 一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。 まっ、なんとかなるっしょ。

処理中です...