JK LOOPER

猫乃麗雅

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2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。

105.新規

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神澤紗凪かんざわさなさんに連絡したところ、〝真守まもるたちと相談して折り返すね〟とのことでした。

ちなみに、〝時空のネックレスを狙われて、殺されかけた〟という事にしています。

そこからは、壱紀かずきくんに私のパーティーへと加入してもらい、最神もがみ親族が雑談すること約5分、私のスマホが鳴ったのです。

『あ、琴晴ことはちゃん?』
『お待たせ。』

当然、相手は紗凪さんであります。

「いえいえ、いつも、お手数お掛けして、すみません。」

『ううん、気にしないで。』
『それでね…、話し合いの結果、こっちで〝なんとなぁ~く、自警団に情報を広める〟ことになったから。』
『〝セカンドステージに突入して、これまでとは異なる状況になっていってるから、エネミーが出現する時間帯も変わるんじゃないか?〟〝それを念頭に置いて警戒を強めとこう〟って感じで。』
『ああ、あと……、真守が言うには、琴晴ちゃん達は神里町かみさとちょうで戦わない方がいいみたい。』
『琴晴ちゃんだけでなく、妹ちゃんや、従兄妹くんの、ジョブが違うことを詮索されて、ブレスレッドの件を誤魔化しきれず、多くの人たちにバレちゃった場合、三重のホテルで起きたような事件が頻発しかねないからって。』

「なるほど、確かに、そうですね。」
「…、分かりました。」
「用心します。」

『うん。』
『じゃあ、またね。』

「はい、ありがとうございます。」

やり取りを終えて電話を切った私は、これからの行動に関して詰めた話しをしていきました。

まず、[名古屋駅]から出発している新幹線は、“06:00/09:00/15:00/19:00”の、4本のみです。

人外らは四時間おきに現れるので、そこら辺と合わせて計算した結果、明朝八時までに名古屋駅へと瞬間移動して、壱紀くんとの連携を確認したり、私のレベルを上げる事にしました。

と、いう訳で。

私達の武器と防具が修理されたタイミングで、お開きとなったのです……。


翌日のAM07:50頃に、壱紀くんが再訪しました。

彼の家族も、お見送りのため一緒に来ています。

「少し早いけど、出ようか。」

玄関で妹を促し、靴を履いている私に、

「琴晴ちゃん、これ・・を。」

母が何やら渡してきました。

どうやら、白のパンツ&長袖シャツに、黒のウィザードローブ&とんがり帽子と、薄鉄の胸当て・籠手こてすね当ての模様です。

母親と父親が、各自、新しい装備品を製造してくれたに違いありません。

最も瞳を輝かせているのは、[魔女っ子ヒカリン]の大ファンたる月媛ひかりちゃんであります。

「ありがとう。」

感謝しつつ手にした私は、

「また、利勇りおがアドバイスしてくれたの??」

弟に聞いてみました。

「ん。」
「まぁ…。」

歯切れが悪い利勇に、

「どうかした?」

聞いてみたら、

「いや、その……。」
琴音ことねの次が俺じゃなく、カズ兄ちゃんなのが、イマイチ納得いなかいっつーか…。」

やや不服そうに返してきたのです。

壱紀くんが、

「何というか……、ごめん。」

〝ペコッ〟と頭を下げます。

「謝らないでくれぇ~。」
「余計にヘコむからぁ~。」

弟の反応に、誰もが〝ドッ!!〟と笑いました。

「まぁ、それはそれとして…。」

[アイテムBOX]を開き、両親が作ってくれた防具を収納した私は、これらを[装備設定]していく流れで、

「あ! そういえば、忘れてた。」
「セカンドステージになってからゲットしておいたエネミーたちの武器と防具を転送しておくね。」

父に伝えたのです。

「お、そっか……。」
「有り難く貰っておこう。」

父親も[画面]をオープンして、受け取ってくれました。


外にて。

イベントリから[転移の宝玉]を出現させた私は、両脇に立っている琴音と壱紀くんに、

「じゃ、行こうか。」

と告げます。

「いってらっしゃぁ~い。」

葵月はづきちゃんを筆頭に皆が手を振るなか、“テレポーテーション”する三人組でした―。
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