JK LOOPER

猫乃麗雅

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2nd STAGE/ループには別の種類があるみたいです。

103.どれをチョイスしたものやら

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起立して[戦闘モード]にチェンジした“壱紀かずき”くんが、【戦士】の恰好となり、

「本当に、僕が……。」
「もともと、“栽培士さいばいし”だったんだけど。」

目を丸くしています。

防具は、彼の体型にジャストフィットしているので、これまたサイズが変わったのでしょう。

琴音ことねが【巫女】を継承したときのように。

壱紀くんの妹である“葵月はづき”ちゃんから、

「んー?」
「なんか、所々、いたんでなぁい??」

指摘されました。

「あ!」
「マリナさんに修理してもらう前の時間帯になってるんだった…。」
「じゃあ、琴音の装備品も直してもらっとこう。」

私が促したところ、

「…………。」

少し考え込んで、意味を理解した妹が、

「うん。」

と、頷いたのです。


私服に戻った壱紀くんの武器と防具を、長女(叔母)さんの息子である“暁斗あきと”くんが、琴音の方は、わたくしどもの父が、それぞれに、研いだり、修繕してくれております。

衣類に関しては、私たちの母と、もう一人の【裁縫師】たる葵月ちゃんが、ほころびを縫ってくれました。

壱紀くんの、

「それで?」
「これから、どうするの??」
「取り敢えず、京都を目指すんだよね?」

との質問に、

「う~ん。」
「そうなんだけど……。」
「まず、私のジョブを新しく選ばないといけないのと、交通手段を決めないといけないんだよねぇー。」

答える流れで、

利勇りお、どんな職種がいいと思う??」

弟に聞いてみたのです。

「んんー…、後方支援できるジョブがいいんじゃね?」
「おそらく、カズ兄ちゃんが一番前で、琴音が二番目って、配置になるだろ??」
「だから、姉ちゃんは、後ろから二人を援護してあげんのがベストなんじゃないかと……。」

利勇が左隣に座っている従兄弟の“陽斗はると”くんに視線を送ります。

彼らは同い年という事もあって、特に仲良しです。

「オレも同感だけど、こういうのは、結局、ソウくんが誰よりも的確でしょ?」

陽斗くんが、“聡真そうま”くんに話しを振りました。

彼は、利勇&陽斗くんコンビの、一つ上であります。

…………。

おさらい、しときます??

念の為に。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

長男家
琴晴ことは・17歳 利勇りお・12歳 琴音ことね・10歳

次男家
咲凛えみり・15歳 聡真そうま・13歳

長女家
暁斗あきと・17歳 陽斗はると・12歳

次女家
壱紀かずき・16歳 葵月はづき・14歳 月媛ひかり・9歳

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

これぞ、[最神家もがみけイトコーズ]です!

ネーミングがダサいのは気のせいでしょう。

きっと…。

さて!!

「今現在、残ってる職種は?」

聡真くんの問い掛けに、[譲渡のブレスレッド]の画面を開いてチェックしてみたら、やはり、私は【踊り子】かつ“LV.1”になっていました。

【戦士】と書かれている文字は、【巫女】に続いて、灰色になっています。

そんなこんなで、使用可能なジョブを伝えていったところ、

「“機工士”って??」

聡真くんが食いついたのです。

「えっとね……、ピストルとかを製造できる“ユニーク職”で、弾丸は自動的に補充されるらしいよ。」

ユウジさんから仕入れていた情報を、ざっくりと伝えたら、

「へぇー、…、面白そうだね。」

興味津々になる聡真くんでした。

モデルガンやシューティングゲームが好きな彼らしい反応です。

「私、機械系には弱いから、機工士は、ちょっと……。」

敬遠したところ、

「そっか。」
「…、“弓使い”の詳細は分かる?」

新たに尋ねられました。

「何人か見かけたけど、イマイチ。」

私の返しに、

「それじゃあ、もう、消去法で“魔女”だね。」

聡真くんが一択に絞ってくれたのです。

真守まもるさんみたいな“魔法使い”の女性バージョンだよね??」

素朴な疑問を投げかけてみたら、

「うん。」
「“ウィッチ”の認識で間違っていないんじゃないかな。」

との事でした。

このような相談を経て、

「よし!」
「魔女に、けってぇーい決定ッ!!」

それ・・を“ポチる”ことにした私です―。
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